山下敏明さんのあんな本、こんな本

第013回 和時計と時計の社会史

`92.6.15寄稿

4.5年前の事、一主婦が訪ねてきました。ドイツボン在住の男性と文通しているが、今回受けた手紙でわからぬ箇所があるので、教えてほしいと言うのです。ドイツ男性の手紙は、「最近読んだ科学雑誌に、日本では、昔、四季に応じて、春夏秋冬で異なる昼と夜の長さに合わせて動く時計があったと出ているが、信じがたい、もし、本当ならそれは、如何なる技術によるものか...」というもので、この妙な「時計」は彼女には不明なのでした。

それで私は、時を計るには、一日の時間を二十四等分して、四季場所に関係なく、一時間は「平等」な一時間とする「定時法」と、一日の昼と夜の単位時間の長さが異なっている「不定時法」の二つがあって、日本では実に明治6年(1873)年まで、後者を採用していた事、そして、「定時法」による西洋伝来の時計を改良(?)して、日本の「不定時法」に合わせて作られたのが「和時計」で、これは世界で日本のみが成功した技術である事を話、「この本の、このページの記述を訳して送ってあげなさい」と角山栄著「時計の社会史1 」を示しました。

さて、角山の新著「シンデレラの時計2 」が出ました。体裁は子供向けですが、「6月10日」の「時の記念日」に合わせて読むにふさわしい中味の濃い良書です。

因みに、30年来使っている手巻きの「オメガ」の腕時計、同じく国鉄駅長用のセイコーの手巻き懐中時計、父譲りのCROWN  FAN の壁時計、の三つが私の自慢の時計です。エヘン!!


  1. 角山栄.時計の社会史.中央公論社 (1984) []
  2. 角山栄.シンデレラの時計.ポプラ社 (1992) []

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