山下敏明さんのあんな本、こんな本

第217回 熊のプーさん・熊嵐・ピロスマニ

`03.8月寄稿

安達まみの「くまのプーサン・英国文学の想像力1 」を読んだ。ご存知、プー、といきたいが、ご存知でない方もいることは、はっきりしているので、ちょっこら紹介する。イギリスの作家A・Aミルン1926年作の「クマのプーさん」の主人公で、1928年作続編の「プー横町にったった家」にも出る。又、同じくミルンの二つの詩集「クリストファー・ロビンのうた」1924と、「クマのプーさんとぼく」にも出てくる。

プーさんは、実は縫いぐるみのクマで、つまり「テディ・ベア」と呼ばれるもの。この名前、「ジーニアス英和』によると、米国第26代大統領 Theodore  Roosevert (テオドール・ルーズベルト)が猟で子グマを助けた漫画から来たもの、つまりTheodoreの愛称 Teddyが元と言う訳....で、この話はよく知られた話。プーの挿絵を描いたのはH・シェパード。

さて、この安達の本、実は余り面白くない。それよりも、この本読みながら私が頭に思い浮かべていたのは、留萌の上の苫前のこと。

苫前郡苫前町と言えば、世に獣害史最大の惨劇と呼ばれる、ヒグマ事件のあった所。

事件の場所は、町内(と言ったて、何でこんな山奥に、いくら開拓か知らんが入っちゃったの?と言いたくなるような月並みな言い方だが、昼尚暗いような、恐ろしげな)の三毛別だ。この事件は作家吉村昭の「熊嵐2 」(新潮文庫 ¥400)に克明に描かれているので、これ以上書かぬが、私が頭に浮かべていたのは、その事ではない。

じゃ何か?と言うと、「苫前ベアーロード」=「熊の道」で、つまり苫前からこの山中までを「ベア・ロード」と称して、その道中至る所、とまで行かぬが、結構目につくのが、このシェパード原画(と思われる)プーサン(親子連れ)なのだ。

想像絶する悲話に、このプーさんの画、何だかチグハグで...と」言っても始まらず、それじゃどんな熊を描けばよいのか?と聞かれても分からぬが、何だか変なことは確かだ。ところで、登別に明景清正さんと言う人がいるが、この人、10歳の時に穀俵(こくだわら)に隠れて九死に一生を得た、つまり熊の手から逃れ得た力蔵さんの子孫だろうか?因みにこの事件、大正4年12月9日のこと。さて、今K子メロンを食べ終わった。...と言っても、新種メロンにあらず、我が家でのみの呼称...で、実は浦臼のメロン。それが何故K子か?。実はK子は栄高校3年間を通じて、私の家に新聞配達で来ていた。色白美人で意思の強い女性だった。高校を出て,介護の勉強をしたいと,道央の短大に受かったので,私達夫婦は彼女にお祝いとして腕時計を贈ったのだった。短大卒業すると就職と思いきや,彼女はそこで恋愛をした。それが浦臼出身のM君で,メロン農家の1人息子だった。で、卒業と同時に結婚。私も呼ばれたが所用で行けず仕舞。

それから早7年、女・男2児の母となったK子は,メロン栽培に育児にと大活躍。まっことエライもんだわ!!。と言う訳での「K子メロン」

メロンと言えばラフカディオ・ハーンに,おっかない話があるぞ。“〜マホメットII世の宮殿にメロンがあった。大事なメロン,食ってはならぬと小性達はいい聞かせられたが,1人が我慢ならず食べてしまった。挙句、誰が食べたか言えと迫るマホメットIIの恐ろしさにたじろいで,誰も告げぬ。すると、II世は腹を裂くことを命じた。13人までは何も出ず,14人目の腹からメロンがでた。小姓は何人いたのか。14人だった。〜これ程大事なメロンはウリ科の1年草でエジプトが原産。マスクメロンと言われる温室ものは明治末期に輸入されたとかー簡単なことを知るだけで満足する方は、「日本たべもの歳時記3 」を。メロンの壮絶な歴史を知りたい人は、足田輝一「シルクロードからの博物誌4 」朝日選書・¥1,500)をどうぞ

「ふくろう先生と行く文学の森」と題して、室蘭と苫小牧の市立図書館でI期・II期各4回と分けて,英仏文学を交互に論じた講座を開いて,7月で無事最終回8回目の「ウイリアム・モリスと柳宗悦」を終えることが出来た。多くの本を紹介出来たことは,自他共に喜ばしいことだった。

その7回目か「アポリネールと地獄部屋」の時に,私は雰囲気を出そうとして,アポリネール作詞、レオ・フェレ作曲の名曲「ミラボー橋」をかけたが、そのあと何人かから、この曲を入手したいとの連絡が入った。そこで「ベスト・オブ・シャンソン」を薦める。ミラボー橋はシモーヌ・ラングロワが歌っている。


7/17に登別南高校のPTAで講演した際に配った講師紹介の中に、私の好きな画家としてグルジアノ画家「ピロスマに」を挙げておいたら、インターネットでも出てこないとと問い合せがあった。

日本では、画集も未刊なので、「ピロスマに」なる映画を挙げておく。ピロスマニがよく分かる筈。




  1. 安達まみ.くまのプーサン・英国文学の想像力.光文社 (2002) []
  2. 吉村昭.熊嵐.新潮社 (1982) []
  3. 水原秋桜子他.日本たべもの歳時記.講談社(1998) []
  4. 足田輝一.シルクロードからの博物誌.朝日選書(1993) []

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