山下敏明さんのあんな本、こんな本

司書独言(137)

2013.3月寄稿

○月○日 前回、森繁と文化勲章の関わりについて語ったが、今年は森繁生誕百年。その森繁の「駅前シリーズ」の中3本の脚本を書いた藤本義一が亡くなったので、もう一度見ておこうとGEO(ゲオ)に行ったが見つからぬ。若い店員に「森繁で検索してみて」と言うと「それは人の名ですか?」ときた。これでは森繁も形無し、イヤ浮かばれんわ!!。駅前は1本しかなかった。

○月○日 首相や外相らが使う政府専用機てのは1993年当時1機320億で、いつも千歳の航空自衛隊の基地に配備されている由。ボーイング747-400型というタイプで、定員150人、シャワーもあるんだと。同じ機種の旅客機だと500席作れると言うから、まあゼイタクに作っている訳だ。しかしまあ大臣によってはこんなだだっ広いもんじゃなくて、例えば防衛相なんてのにはオスプレイを専用機にしてやったらどうかと思うけどね。

○月○日 これも先月の話しで、カンサス航空の旅客機に体調3mのニシキヘビがしがみついていて、とどのつまりは凍死した話しを書いたが、落ち着いて考えてみるに、よくその飛行機,片翼にしがみつかれて落ちなかったもんだなあ。例えばだよ、蛇の代わりに象が片翼に乗っていたと考えてごらん。
たちまち平衡を失うよ。それが貴方、蛇だよ。土台、貴方、象と蛇どっちが重いと思う?。答えはね、蛇(heavy)=重たい)なのさ。実はこれ英語の謎謎の一つ。ウッヒッヒッ!!

○月○日 カトリック史に初めての南米出身の法王が出た。フランシスコ1世がその人。法王選挙会議のことを「コンクラーベ」と言うが、まあ、選ぶ方も。選ばれる方も、まさしく「根較べ』であることは間違いない。この13日に選ばれた新法王が16日に報道陣を前に発した言葉は、「貧しい人のことを忘れてはならない。貧困者のための質素な教会であるべきだ」と述べた由。聞いて呆れる。何故って、ヴァチカン宮殿てのは、カトリックの尖兵達が世界中からかっさらって来た富の結果の場所だよ。いくら言葉の上でも、今更どうやってこれ質素に出来るの?

○月○日 カトリックの歴史をいささかでも知っている人なら、ステファノ、ラウレンティス、ウインケンティウスの3人が「3大殉教聖人」だってことは常識だ。今前後は省いて真ん中のラウレンティスに話しをしぼると、この人、一体何をした人かと言えば、早い話しが教会の財産全てを、いわゆる貧者たちに分け与えたという人だ。つまり「貧者に施し」を絵に描いたような人だ。ここで先の話しに戻るが、もしもカトリックの歴史がこのラウレンティスのような人の連続であったならば、今のケバケバしいヴァチカン宮殿はとてものこと実現していなかったろう。

○月○日 昔スペインを一周した時、そちこちの寺で一番呆れたのは、その内部が金ピカそのものだったこと。これ皆、マヤやインカからの収奪の「金」から出来ている訳だが、その最たる物が、ヴァチカンだろう。アルゼンチン出の新法王がもし本当に「質素なる教会」をと望むなら、まあ、ブラジル辺りのスラム街宛てにヴァチカン宮殿のそれこれを、どんどん放出したらどうかね!、と過激なことを思っちゃうね。室蘭弁で言うなら「ガメッタ物」を元に返せば、世の中は少し公平になるんじゃなかろうか。因みに「ガメル」とは=「盗む、ごまかす。ちょろまかす」の方言。

○月○日 先進国で唯一国民階保健制度がない國、と言えばアメリカに決まっとるが、そういう国が主導権を握るTPPにやはりはまり込んでしまった。日本全国の医師会会長全員が反対しているにもかかわらずだ。無保険の「一歩間違うとのたれ死にの怖さ」をえぐった町山智博の「教科書に乗っていないUSA語録』(文藝春秋刊/¥1050)を読んでごらんなさい。如何にTPP参加が恐ろしいかと言う事がわかる。

○月○日 久し振りに小津映画「お茶漬けの味」をdvdで観直したら、作品の出来はさておいて、妙なことに気がついた。それは鶴田浩二の箸の持ち方の変なこと。当節そば屋でも、ラーメン屋でも、麵を直ぐ口に入れず一旦レンゲに移して食べる人が多いのにも、いい加減ウンザリするが、それよりも箸の持ち方が先だて。箸の正しい持ち方を習得させようと、食品メーカーの「フジッコ」なる会社が「まめっ子くん」なるものを考案していた筈だが、今からでも遅くない、少なくとも映画やテレビに出る連中には正しい箸の持ち方を教えてから出してもらいたい。仕付けの悪い俳優はダメだ。

○月○日 しつけと言えば、つまりは教養の問題だが、山本富士子がミス日本になった年の候補者各人の受け答えの時、質問は忘れたが、全員「とんでもありません」もしくは「とんでもないです」と答えたのに、富士子のみが「とんでもないことでございます』とやって、審査員の船橋聖一(だったか、谷崎潤一郎だったか)が富士子の言葉使いが正しいと褒め、他の無教養を嘆いたことがあった。しかしまあ、一々こんなことを言っていたら当節の映画、ナンダカンダで気になって観てられんわな。仕方ない、目つぶって観てよう。

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