山下敏明さんのあんな本、こんな本

司書独言(178)

◯月◯日 昨年の12月、福島で除染労働の3次下請けの業者が、2次下請けの社長に工事代金と必要経費を請求すると、この社長上半身の入れ墨を見せて、いきなり暴力を振るった云々の事件があった。

かつて大阪の橋下は役人に入れ墨は許さぬの挙に出たが、私は入れ墨について、過去に3回、①と②は「本の話」1998年7月14日、第248回と、2012年8月5日第604回で、③派」「あんな本・こんな本」の2012年9月号(バックナンバーは「http://t-yamasita・info/」で見ること可能)で語ったが、今回エッセイストの松浦弥太郎の文章で、ミャンマーの坊さんは、入れ墨の技術を持っていて、希望者には、仏教をテーマにした「入れ墨絵柄集」を見せて絵柄を選ばせてから彫る云々と知った。所変われば...だが暴力を振るった入れ墨社長とついでに福島について「アンダーコントロール」なぞと舌足らずにしゃべる某国首相、2人してミャンマーに行って、仏の道を学んだ方が、人々の為だわ。

◯月◯日 ところで過ぐる7月雑誌「プレーボーイ」が2010年3月の共同通信社の「次の首相にふさわしい人」なる調査票を出して「俺たちはバカなのかもしれない」なる特集を組んだ由。この調査の上位3人は①舛添②鳩山③管直人で、①も③も御存知の通りだ。2位の鳩山に対しては、当時「国民が投げ出したのよ鳩山さん」なる川柳が投句された程だ。....で、つまりこう言う連中を選んだ「俺たちはバカなのだ」となる訳だが、これ過去形で済む話ではなくて、未だに馬鹿だ、と言うべきではないのか??ナニシロ白紙の領収書は正しいと言い張る様な鉄面皮な連中が巾をきかせているのだから。

◯月◯日 所用で留萌に行ってきた。行きは深川から入り、帰路は雄冬の海岸線を走った。留萌に入ると直ぐに「留萌ブックセンター」が見えたので入った。此処、数年前市内に本屋がなくなるのを恐れた小母さんたちが本屋誘致運動を起こし、三省堂が応えて出店したもので、度々話題になった店だ。入ってみての感想は非常にいい。店も結構な広さだし、何よりも品揃えがいい。新書も選書も各社揃っていて、固い本が多い。室蘭のエンタメ本やらインチキめいた癒し本ばかり並んでいるツタヤもゲオも見習って欲しい位のものだ。思い出に森本あんりの「反知性主義-アメリカが生んだ”熱病”の正体」(新潮選書)を買った。

◯月◯日 増毛から札幌に戻って一泊、帰路は36号線の「コーチャンフォー」で中公文庫の新刊三谷一馬の「江戸看板図聚」他3点を買った。この店の品揃えの素晴らしさは、紀伊国屋や熊沢書店と並ぶが、他と較べて一番なのは私の体験では検索器機の性能のいいこと、どこよりもわかりやすくかつ返事が早い。器機でついでに言うと、ツタヤが最近機械を変えた、はいいが、その画面の小さいのには呆れる客の視力を検査したいのか。文字なぞ拡大鏡なきゃ無理というもの。品揃えと検索でコーチャンフォー並みの本屋が室蘭にあったらどんなにいいだろう。

◯月◯日 中国映画で時々見かける場景に、富豪の馬鹿息子が外出するのに遠近問わず下男におぶさっていく姿がある。被害地視察の政務官が現地係員のの背にしがみついて水溜まりを渡ったという記事を読んで思い出したのが今言った場面。悪代官にひれ伏す百姓じゃあるまいし、おぶる方おぶわれる方両者共時代錯誤も甚だしい。と思っていたら投句川柳に「長靴は猫でも履くよ政務官」(高知・尾崎)が出た。上手いわねえ!!と読んだ我妻さんが笑う。

◯月◯日 「うまいなあ」と答えつつ中学2年の時に読んだドイツ・ロマン派のルートヴィヒ・ティーク作大畑末吉訳の「長靴をはいた牡猫」を思い出す。フランスのシャルル・ペローの童話に取材したもの。ちなみに大畑はそれまでにドイツ語から重訳されていたハンス・クリスチャン・アンデルセンの作品をデンマーク語から原典訳した人だ。翻訳で言えばティーク本人もセルバンテスの「ドンキホーテ」の独訳で名を残した。

◯月◯日 愛知県田原の、森下芳則元市立図書館館長が国会議員の図書館問題研究の会で、指定管理者制度の導入は経費の節減につながらないと指摘した上で、「受託企業は人件費の抑制で利益を生んでいる」と発言している。10月18日のこと。全く同感!!。室蘭の図書館は現在館員19人中16人が嘱託で、中にガンバリ屋のシングルマザーが数人いる。私が一番心配するのは、将来この制度を下手に市が採用したなら、この16人の首はつながるのかと言う事。そしてよしんばつながったとしても時給が森下の指摘するように市直営の場合よりも減らないか(減るに決まっている)と言う事だ。同じ仕事をしている市職員の間に妙な格差が増えぬ事を切に願いたい。

◯月◯日 核兵器のミサイル発射ボタンを押す任務についていた元米軍関係者10人が、直ぐに挑発に乗り、すぐに非難し、専門家の意見をはねつけ、基本的な軍事、国際情勢についてさえ知識がないトランプに発射の暗号を教えてはならぬ。との意見を出した。異論の余地のない主張だ。

 

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