山下敏明さんのあんな本、こんな本

司書独言 (175)

⚪︎月⚪︎日 永六輔が7月初旬に没した。私は何だかペチャッと言うか、ネチャッと言うかの話し方が耳障りだったが、言う事は真当だからいつも傾聴していた。当節安部総理が変えたがっている憲法についても「アメリカが押しつけたというけれど、アメリカはその前にちゃんと自由民権の憲法の研究をしている」と言い、日本各地で作られた、例えば五日市(現東京あきる野市)憲法などを例示し、「今の憲法のもとには自由民権運動の憲法がある」と断言する。見上げたもんだ。私は2000年1月14日付けの本欄で、永の「僕が鱏だった頃」(小学館)なる本をとりあげた。http://t-yamasita.info/でバックナンバー読む事可能、読まれたし。

⚪︎月⚪︎日 フランス大統領のオランドが舛添も負けそうな馬鹿をしてくれた。専属の理容師を月に公費やく115万円で、5年間雇って毎朝欠かさず散髪し海外にも同行させて24時間付き添わせ云々。冬瓜みたいな顔して何考えてんだか,呆れる他ない。毎日散髪といえばハモニカの宮田東峰がそうだったし、アメリカのあの白髪白ひげのオジサン(入った事がないので、マクドナルドかケンタッキーかよく分からぬ)が、もそうだと聞いた。こちらは自腹だろうがね。

⚪︎月⚪︎日 マクドナルドやケンタッキーと言えば、英語のJUNKUはガラクタの事で、これに食べ物のFoodがつくと、多種多量作られて売り場にガラクタ上に積み上げられた食品を指す。即席めん、ハンバーガー、スナック菓子etc.がこれだ。インド南部のケララ州は7月中旬これに対し14.5%の税を課す事にした由。肥満などの健康被害を防ぎ、この税を使って貧困層に対する医療費無料化を目指す由。いいんじゃないの!!

⚪︎月⚪︎日 7月8日米テキサス、ダラスでの警官狙撃事件で、警察が「爆弾ロボット」を遠隔操作して、容疑者のいる周囲に設置した爆弾を爆発させた。ドロ〜ンと一緒だ。これに対して警察の軍隊化をめぐる懸念が再燃している由。当然だ。ロボットなる言葉を造ったカレル・チャペックもこんなはずではなかったと草葉の陰でボヤイテいることだろう。もう大分昔になるが、ロボット犬が出た頃、室工大を出て市の一応は要職にいた男が、尻尾を振ったりするそれを持って来て言うには、「又工学の勝利ですよ。これで全国から一斉に犬が消えて,糞害だの騒音(吠え声)公害だのはなくなりますよ」と。私はこの男、これほど馬鹿だったのかと逆な意味で見直したが、ロボット犬は消えて、生身のペット犬は増え続けている。文科省が人文系を減らすなんぞ言っているが、それはロボット犬に感心する馬鹿を増やすだけの事だ。

⚪︎月⚪︎日 3歳までゲームを覚えた子供は、本を読まなくなる説を読んだことがあって、私はこの説、賛成故にゲームは読書の敵、故に任天堂も読書の敵と思っている。その任天堂が開発した「ポケモンGO」は、スマホを見ながら街中に隠れているポケモンを探す遊びの由。書き写しながらケータイもスマホも知らぬ私にはピンと来ないが、これで遊ぶ連中は、墓地、博物館、私有地へ頓着なく侵入していくらしい。これに対してアーリントン国立墓地やらホロコースト博物館からアプリから削除せよとの希望が出た由。これまた当然だ。

⚪︎月⚪︎日 中学生の時、Nが遊びに来いと言うので行くと、ここはきれい好きの兄貴の部屋だから入るなと、襖を開けてくれて、中を見ると畳半分程に画鋲が上あお向いてバラまかれていて、只ふーんと感心?したことがある。この頃クラスでは画鋲を教室の天井へぶっつけて刺す遊びが流行っていて、これは思うほど難しくはなかった。こんなことを思い出したのは7月中旬に、東京は多摩地方の中学校で、上履きを下駄箱にきちんとしまわなかったのを咎めた先生が、罰として教室の入り口付近に画鋲を90個1m四方に置き、これを飛び越えさせたという記事が出たからで。・・・するとこの生徒、跳ばずに入り口の柱やら扉を伝わって入った由。ナントモ評論の仕様のない話で、この記事切り抜いて串田孫一の「文房具52話」に挟もうとしたら、「画鋲」の項に、我々がした天井刺し遊びが既に出てて驚いた。

⚪︎月⚪︎日 跳ばずに柱を伝わってとは、まるでスパイダーマン(蜘蛛男)だなと感心?してたら、7月麺つゆにアシダカクモが一匹入っていたとて、キッコーマンが50万袋回収した由。へえー、アシダカカ、懐かしいなあ 、と言うのは結婚して宛てがわれた室工大の官舎は、築50年程の戦前の木造2間のおんぼろで、外壁は隙間だらけ、寝ていて額がムズムズするので手で払うと、これがザトウムシで北海道でいうアシナガ。である時勧められてバルサンを焚き、外へ出て見ていると、イヤ、出てくるわ、出てくるわ。各種揃って昆虫小百科の如しだった。でこの記事、この記事斎藤真一郎の「蜘蛛」に挟んだ。

⚪︎月⚪︎日 麺つゆにアシダカグモじゃぞっとせんわな、と思っていたら、10代後半の娘に、金魚の飼い方が悪いとて、その死骸を30匹以上食わせたと言う、鬼ののごとき母親の記事が出た。久留米市の出来事。これも何とも評しようのない事件だ。魚類の多くは食用として漁られ、養われ、果ては食われるわけだが、金魚ばかり観賞用として生きて来た。食ったなぞ聞いたこともない。虚子に「金魚史を草す机上の雑書かな」なる句があるが、私も今、雑書の一つ高岡一弥の「きんぎょ」にこの記事を挟みつつ、遣る瀬ない。

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