第234回 地震を案じつつ豪雪の新潟について

`04.12月15日寄稿

今から16年前の初夏道立美術館で、インドの「マハラジャ」展が開かれた。マハラジャとはサンスクリット語で「大王』のこと。つまりはインド各地の土候国の王を指して言う(そうな)。この展覧会、何ともはや、ケバケバしいもので、冠やら衣装やら、首輪やら耳飾りやら、いずれもキンラ.ギンラ、ピカピカ、ジャラジャラと言う感じで、余り感心せなんだ。おまけにすごい人出で押すな押すなの有様。ウンザリして出ようとした出口でわたされたのが、「ミティラー民族画展」のパンフレット、会場は一寸離れた札幌アートプラザ.ミティラーって何だ?。...で行ってみた。 続きを読む 第234回 地震を案じつつ豪雪の新潟について

第238回 横浜事件

`05.4月5日寄稿

「琴は西片町あたりの垣根越しに聞こえるがいと良き、月に弾く人のかげも見まほしく、物がたりめきて、床しかりし」樋口一葉の「あきあはせ 」の一節だ。

次「翌日は約束だから、天長節にもかかわらず、例刻に起きて、学校へいくつもりで、西片町十番地へはいっての3号を調べてみると、妙に細い通りの中程にある。古い家だ」こっちは夏目漱石「三四郎」からだ。 続きを読む 第238回 横浜事件

第240 現代の愚行あれこれ

`05.6月10日寄稿

昔「愚行(ぐこう)の世界史」と言う本があった。「愚行」とは、おろかしい行い、馬鹿げた行為のことだが、当節あちこち眺めていれば「世界史」とまで気張らないでも、「愚行の現代史」位はたちどころに出来るという感じがする。 続きを読む 第240 現代の愚行あれこれ

第244回 今橋映子.理子才媛姉妹

`05.10月17日寄稿

室蘭民報に毎月2回(日曜日)載せている「本の話」第413回(下参照)で、私は学習院女子大学助教授、今橋理子(りこ)の「江戸の花鳥画」研究三部作についてふれた。すると、暫くして、洋書の丸善が出している、古くからある雑誌で、「学鐙(がくとう)」の秋号に、今橋の「江戸の花鳥画の時代(とき)を求めて」なるエッセイが出た。 続きを読む 第244回 今橋映子.理子才媛姉妹

第250回 宮澤賢治生誕110年

`06.5月17日寄稿

NHK室蘭に頼まれて、この4月から、毎月第三木曜日の夕方6;45からの番組に出ることになった。番組名は「いぶりDAYひだか」の中の「おしえて!館長さん〜」なるもの。第1回もの4月には「ふくろう文庫」が3000冊を超えた所で、改めて「ふくろう文庫』とは何か?と言うようなことを話した。大型美術書を蒐めるこのコレクションの目的と意義について力説したのである。 続きを読む 第250回 宮澤賢治生誕110年