司書独言(121)

2011.11月寄稿

○月○日 11月18日から20日迄の3日間、「第1回ふくろう文庫特別展inモルエ中島」をやった。最終日には駐車場が満車になる程で、「ふくろうの会」の広報担当の妙女が掃除の人に「いつもコンナに混んでんでますか?」と訊いたら、「いえ、今日は文化的催しをしているからです」との答えで、それ即ち「ふくろう文庫展」だから、これは嬉しかった。モルエの寺島所長は、自ら解説のコピーを大量に作って配ってくれる程の熱心さで、この協力には感謝以外の何物もない。

○月○日 展示した最大のものは、横山大観の40mの重要文化財「生々流転」で、これはモルエの会場が80mの長さがあって可能となったことで、展開し終わって眺めた時には、我ながら圧巻と感動した位だ。真四角の会場の旧丸井と違って、長くも長い展示だったから、「ふくろう文庫ウォッチャーズ=見守隊」の面々は、一列に並べた絵巻3点の頭と尾の所に座って顔も定かに見えぬ位だったが、各3時間宛微動だにせずの感じでいてくれて、中にも長老格の渡辺富雄さんには、初日と最終日と2度も当番してくれて、これ又感謝の他ない。

○月○日 私は当初19:00で皆と供に帰ろうと思っていたが、モルエの閉店が20:00とわかり、急遽1人で1時間残ることにした。すると我妻さんが、8時に終えて帰宅して風呂だ、晩酌だと遅くなってしまうからホテルに泊まったらと言うので、結局ホテルルート・インに3泊したが、車で3^5分の所だから、これは正解だった。

○月○日 初日、解説した人が翌朝食の時、隣にいるのでびっくりしたら札幌の人で、2日通って見に来たと言う。又2日目の晩外国人が2人いて、訊いてみるとベルリンの近郊15Kmの所に住んでいる由、今回は大型機械の据え付けに来た、長ければ7週間位ると言っていたが、この2人もルート・イン宿泊だった。3日間驚く程の入りで皆々熱心に、或る人々は拡大鏡持参で来てくれて楽しかった。それにつけても寄付してくれた人達には感謝感謝。最後で失礼だけども、寺島所長とグラッドの工藤氏にも多謝!!

○月○日 11月21日の新聞によると、先日の津波で流されてしまった「茨城大学五浦美術文化研究所六角堂」を文部省では有形文化財としての登録を取り消した、と。これは岡倉天心が1905年に作った9平米の六角形の建物で、仏堂+茶室だった。私は過去に3度行って座ってみたが,高所恐怖症の私には一寸居心地は良くなかったが,断崖の上に立つ朱色のその建物は美しかった。流出とは惜しい。

○月○日 この21日午前中の1時間半、私は壮瞥の「町地域交流センタ―山美湖」で2市7町村の社会教育担当者に講演したが,中で,W.M.ヴォリーズなるアメリカ人の宣教師兼建築家の話しをした。この人は私の出身校明治学院大学の教会堂他を設計した人で,道内では北見のピアソン夫妻の教会や,確か函館の遺愛女子学校もそうでなかったか。そして、この人が福島に建てた「福島教会堂』,今度の地震で大破して,解体されたのだ。残念だが、しかし天心とヴォリーズの2作品の消失が戦争ではなくて自然の猛威によるものだ、という点が一つのなぐさめか。

○月○日 私はプロ野球に全く関心がないから、あの読売の老害めいた存在による今度のゴタゴタにも「おやまあ」と思うくらいだが,同じ読売の名の付いた交響楽団が11月8日にジョン・アダムズ作曲の「ドクター・アトミック・シンフォニー」を日本初演した。ドクターアトミックとは,原爆発明のプロジェクト「マンハッタン計画」のリーダーだったオーペンハイマー博士のことで,つまりはこの作品、博士の内面の葛藤を描いたものだ。このオッペンハイマー(だったと思う)が、トルーマン大統領に会った時、「広島・長崎を思うと、今でも冷や汗が吹き出します」と言ったら、この冷酷なトルーマンは、「では、このハンカチでふきなさい」と自分のハンカチを差し出したと言う逸話があって、ブッシュ顔負けの馬鹿が既に大統領職に就いていた訳だが、それにしても、3.11以降我が国の原子科学者でオッペンハイマー程に悩み後悔している良心的な人はいるんだろうか?

○月○日 誰しもがあの人はペテン師だと思う人が、逆に他人をペテンと呼ぶ一幕があって、しかもそのペテン師が、性懲りもなくあちこちで口を出して、挙句先日は「政治の基本は外交にある」なんてことを口に出した。「沖縄の人はユスリ」との発言で失脚した米国務省前に本部長・アメの回想録を読むと、アメリカ側はこのペテン師を誰も信用しておらず−、と言った意味のことが書かれているが、普天間だ、方便だーとくりゃ、アメリカ人ならずとも信用しなくて当り前だろう。自ら「外交の信」を壊しておいて、こう発言するってえのは、コンピュウターで言えば、どっか回路がが切れてんのかね??

○月○日 これに較べらいや較べりゃとは失礼だ。取り消し。それにしても外交とはかくなるもの、との感を残して去ったのはブータンのワンチェク国王(31才)とジェツン・マペ王妃(21才)だね。ワンチェク国王が福島県相馬市の小学校で言うには「皆さんの中に人格という竜がいます。年をとって経験を積む程、竜は大きく強くなります」と。私は12月1日、沼ノ端小学校での「蔵書票づくり」と「帯づくり」の時に、来年の干支たる竜について語ることになっている。竜とドラゴンの違い、つまりは東洋と西洋との文化の違いを語るつもりだが、この時は是非、竜=人格説を語ってこよう。

 

 

 

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