第008回 鮫の本一冊

`92.3.31寄稿

「大型のアンコー一尾、中型のトビエイ一尾、ウツボの下半身、エビ多数、ガラスびん一本、婦人用ボロ靴片方、革手袋片方、人骨らしい骨、缶ビール四個」この雑多なもののリストは何かわかりますか。これはフロリダ州マイアミでとれた「メジロザメ」の胃の中に入っていたもののリストです。

では上の、巨大な、醜悪の極みのような、恐ろしげな、サンショウウオの親戚みたいなものは、何だか、わかりますか。このグニャとしたものは、20m余もある「ジンベイザメ」で、見た目の印象に反して、プランクトンを常食とする一番おとなしいサメで、海難事故に会った人を助けるようなこともするらしい、つまり溺れる者が、「ワラ」にすがるのではなくて、この大きなおとなしい「サメの背にすがって助かる事もないではない。ーらしい。

さて、松山市の沖で、漁師をおそったのは「ホオジロザメ」か「アオザメ」かーとて、議論百出の有様ですが、すこし「サメ」の諸々について勉強してみませんか。「サメ」百科とも言える本が、矢野憲一「鮫1 」法政大学出版局です。

  1. 矢野憲一.鮫.法政大学出版局 (1979) []

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください