2023.3.27寄稿
本屋で週刊誌を立ち読みしたら、「三浦瑠璃夫妻の嘘を暴く証拠文書」なる物が載っている。「一読して、あーあの女か」と気付いた。週刊誌は「週刊文春」で、後で新聞の切り抜きそしていたら、その広告が出てきた。話が分かりやすいので、ここに写す。
一方私が「あーあの女か」としたのは、適菜収の「コロナと無責任な人たち1 」を思い出したからだ。その本の「第3章」は「新型コロナ流行下でデマを流した言論人」で「橋下徹」「高須克弥」の後に「後出しジャンケンー三浦瑠璃ー(p120)」と続く。それは、こう始まる。「国際政治学者を自称し、テレビ番組で政権ヨイショや怪しげな陰謀論を垂れ流す三浦瑠璃という人がいます。”田崎史郎の女版”とも呼ばれているようですが、私は”小川栄太郎の女版”であると思います。」この後、三浦のインチキ振りがきちんと説明され「事実に基づかない話を垂れ流す人間のことを、デマゴーグと言います。」と結ばれる。私は敵菜のファンだ。その舌鋒鋭く迫る態度が、実に小気味良い。適菜の本は前にも紹介したことがあるけど、この本も力を込めて薦めたいね。
新聞に「稚内出身の中国漫画の魅力を発信する人」として、41才の「篭川可奈子」なる人が紹介されている。稚内に目がいって読んでみると、中国唯一の日本語総合月刊誌を発行する「人民中国雑誌社」の社員で、中国のマンガ、アニメ作品を日本語に訳し、紹介する活動を続けている人だと分かった。中国に関心を持ったきっかけは、北方謙三の「三国志」を読んだからだそうな。奇特なありがたい事をしてくれるものよと感じ入りながら「あれは面白かったな」と一冊の珍しい本を思い出した。
「諷刺と幽黙(ユーモア)〜中国現代漫画集2 」だ。編者は森哲郎。「劇画、秩父事件」「劇画、日本国憲法」などを持つ異色の漫画家だ。一寸古いが独特のタッチで面白いぞ。
連日新聞に各地の桜開花のニュースがのる。その中に「日本の植物学の父」たる牧野富太郎が、故郷の高知の山で見つけた「稚木(わかき)の桜」は種を蒔くや1年後の春には、早高さ50〜80cmになって花が咲くと言う。普通の桜は接ぎ木で3〜5年かかると言うから、確かに「稚木」だ。そんなニュースに混じって、3月27日、NHKの朝ドラが4月から、牧野を主人公とした「らんまん」に変わるとのニュースが出た。
私はテレビを見ないから、「朝ドラ」なるもの、一本も知らんし、「らんまん」も見れずだ。ところがその朝ドラの影響か牧野についての本を紹介する記事が赤旗にも出てきた。サイエンスライターと名乗るさとの・まもるの文章だ。さとのは全部で4点紹介する。
①は清水洋美 「牧野富太郎・日本植物学の父3 」( ¥1600)
②はコロナブックス編集部編「牧野富太郎・植物学博士の人生図鑑4 」(平凡社¥1600)
①、②は私は未見
③は「草木とともに、牧野富太郎自伝(( 牧野富太郎草木とともに、牧野富太郎自伝.角川ソフィア文庫(2022)))」(角川ソフィア文庫¥800)これは私の棚にある「牧野富太郎自叙伝」(講談社学術文庫¥900、2004年刊)と思うがわからない。
④は牧野富太郎「植物1日1題5」(ちくま文庫¥1,000)だが、これは昔、博品社から出た同題の本の文庫化したのではないかと思われる。この本を使って私は過去2回「本の話」に書いた事があるので、ついでに載せておく。no,250とno608だ。最後にさとのがあげていない牧野の本をいい機会だから1冊加えておく。牧野富太郎「牧野植物随筆6 」(講談社学術文庫、2002年刊¥820)せっかくだからこれにも「本の話」をつけておこう。牧野本はまだあるが、この辺で十分だろう
忘れるところ、博品社はいい本を出していたが,つぶれた。この後に去年12月25日に死んだ渡辺京二(思想史家、とも日本近代史家とも呼ばれた)の本をあげようと思っていたが、ページ数が増えそうなので、次回にする。