第126回  世界の国がわかる事典

`98.3.12寄稿

昨年、「グリム原画展」を企画して多くの人々に絵本の楽しさを知らせた堀野茂さんが今度は「`98プラチスラヴァ世界絵本原画展」を開きました。

地元紙「室蘭民報』に出た記事を読めば判るように,世界22カ国、56人の画家による総数363点の原画を並べた堂々たる展覧会です。この原画展を手伝った、或る人の話では、作品を寄せた56人の画家は各々、「室蘭」と言う町が一体どこに有るのか?と多大の感心をだいているそうです。

聞くだに”さもありなん”と思える感心で、極東の国,ニッポンの、その又北の、小さな町”ムロラン”は彼らにとって初めて聞く名前に違いありません。

この話を聞いて、私は数年前アメリカのテネシーからやって来た市民交流の一行を室工大に迎えた日の晩、「エレガ」での夕食会のことを思い出しました

4人掛けのテーブルで、私の所は日本人は私だけでしたが、韓国系の婦人を除く2人は「北海道は辛うじて知っていましたが、「札幌も,室蘭も実は知らなかった」と言ったのです。

まあそれはともかく、では逆に貴方は,チェコはどこか、スロバキアはどこか,,,がすぐにわかりますか?

かく言う私とても、こう聞かれると甚だあやういものです。

「そんなとき,山下さんは百科事典を引くのですか?」って?   いいえ,新聞を読んでいても,ラジををきいていても、「事」がある国の地理だ,歴史だとなると、すぐに本棚から取り出すのはこの型は小さいけれども,中味は大きい本です。題して「この一冊で世界の国がわかる!1 」です。

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「スロバキア」はどうでているか?   `93年、チェコと分離し独立.なだらかなチェコに比べて,スロバキアは全体として山岳地帯...などと出ています.更に、言語はスロバキア語が公用語であるけれども、人工の11%を占めるハンガリー人のためには,道路標識などはハンガリー語を併用している...つまり行政言語治してはハンガリー語も使われている,,,とわかります。と言う訳で,これ一冊あれば,国際情勢はOKです。

ところで,この一冊で,国際事情通になった貴方にお聞きしますが,,,「スロバキア」ってどんな意味ですか?

「えっ、それはこの本に出ていませんよ」って?

こんな時には、滅法面白い「世界地名語源辞典2 」を引いてみましょう。

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ほら「スロバキア」はーSlovakia(西スラブ系スロバキア人)スラブ人の土地の意、Slovは  Slovo[言葉」が語源。とあって、では首都の

「ブラチスラバ」は−10世紀はじめのボヘミアの王で公爵のブラチスラウスの町の意。とわかります。

カール大帝の時代、公文書がラテン語で書かれていたのに対し、民衆の使う俗語をドイツ(=民衆)と読んだので、国名もドイツとなった、なんて話も出ていて、いや面白い。 ドイツもコイツもしゃべっていたのでドイツだなんてね!!   ドイツが言い出したんだろう?

  1.   波多野敬雄.この一冊で世界の国がわかる!.三笠書房(1997) []
  2. 蟻川明男.世界地名語源辞典.古今書院(1993) []

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