`99.9.17寄稿
私が室工大の図書館にいて,レファレンスワーク(=参考業務)を仕事にしていた時に,コンピューターは使われていなかったから、教官が必要とする文献(国内にない場合は外国まで手を伸ばさねばならぬことが間々あったが)を手に入れるには全て手紙を出さねばならなかった。いつぞやは、探す本が、アメリカの議会図書館(ライブラリー・オブ・コングレス)に有るとわかって,貸して呉れるかどうか疑いつつ,依頼をしてみたところ当方としては,日本の大学に貸さねばならぬ義務は毛頭ないが,アメリカの地方図書館扱いとして,貸し出すことにする、ついては返却の時の費用はだけを負担してくれ、との鷹揚な(おうよう)返事があって本が送られて来た。それで嬉しくなってその後何年か,借りていたが、カーター(じゃない)レーガンが大統領になった時に,手紙が来て,誠に申し訳ないが,レーガンが軍事費を増やして,文教費を削ったので,議会図書館も大幅に予算をへらされた。それ故これからは地方図書館扱いは出来ぬ,,,I am sorry.
レーガンは三下奴みたいな男で、芽の出ぬ俳優時代も、俳優組合の委員長をつとめながら、FBIのスパイ(=密告者)もつとめた。と言う人物だから(こう言う人間だから政治家がつとまるのだろうが)教育費、ましてや図書館の予算を削ることに何の心の痛みもなかったろう。
レーガンはさておき、議会図書館の他に大いに世話になった外国の図書館の筆頭は大英博物館いわゆる British Libraryだった。
ここの Lending Division(相互貸借部門)は、最初は、何かと不便だったが、当然改善されて、私が相手としてもらっていた時は、クーポン制をとっていて、文献のコピー(ゼロックスであれ、マイクロであれ)は先払いで買ったクーポン(切手位の大きさ)を指示に応じて台紙に貼っておくればよし,,,でこれは便利だった。
とまあ、つまらぬ思い出を語ってしまったが、それもこれも「達人達の大英博物館1」を紹介したいがため.どこから読んでも面白い本です。私は大学者、南方熊楠や、天才的詐欺師、プリンス片岡が登場する『第3章、収蔵された「日本」』から読み始めました。
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アメリカの議会図書館も、大英博物館も、世界最大級の図書館だが、この世界最大と形容詞のつく(図書館となると誰しもが(とは行かないだろうが)頭に浮かべるのは古代エジプトにあった「アレクサンドリア図書館」だろう。
この図書館は、紀元前3世紀に忽然と姿を消した。原因はカエサル(=シーザー)の戦役による火災だと言われているのだが,,,。実はこの図書館があった言う証拠は、全て文献によってであって、物によってではない。何しろ、存在を証明する石一つ残ってはいないのだ。そこで、文献学者、カンフォラは、先づは場所の確定に意を注ぎ、ついで、建物の構造,書架のの使われ方などを論じていく。この本の副題は「古代の知の宝庫を読み解く2」だが,この本私には余面白くなかった。どうも語り口が上手とは思えない。
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とは言え,本好きな貴方だもの、アレクサンドリア図書館を知らぬではすまされないー筈ー。
「古代アレクサンドリア図書館3」を先に読んでごらん。するとカンフォラの本も少しは読みがらくになる。
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さて,最近は、英文学であれ、仏文学であれ,独文学であれ、良く言えば専門的、悪く言えば,学会でのみ読まれるような重箱の隅をつついたようなテーマの
論文が多くて,一般読者向けの、いわゆる楽しい「文学談義」と言うものが少ない,,,と思っていたら「心配するなかれ』と言った感じで、「ディケンズの毛皮のコート/シャーロットの片思いの手紙4 」なるえらい長いタイトルの、しかし,すこぶる面白本が出た。
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「フロス河の水車小屋5」は高校2年の時に読んで、その作者、ジョージ・オリエットは実は
女でまあ、美人とは言い兼ねるとは知っていたが、その不美人の程度が、どれほどのものかはこの本を読んでよくわかった。,,,てなことを含めて、どの話も面白い。余面白いので、同じ著者の「19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう6」を買って来た位。
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最後はグリム童話の謎ときの本7 ー今流行の「ほんとは恐いグリム童話」的インチキ本ではない、実に面白い本とだけ言う。紙幅が尽きた。
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