`01.3.9(金)寄稿
「アマゾン.ドット.コム」なる企業がある。インターネットや電子メールで最初は本を売っていたが、今や急成長して、CD.ビデオ.DVD.おもちゃ.ゲームまで売りまくっている。お客は世界200ヶ国に2900万人いる由.そこが札幌に出店して来た.世界で9ケ所目だ。
ところで「テクハラ」なる言葉を御存知か?「セク」では無いぞ。「テクハラ」とは年若なのが、機械をいじれぬ、或いはこなせぬ中年以上を「何でこんなこと出来ないの!」といびることを言う、、、由。先日「ドットコム.どこが混むのと聞く上司」と言うのが「サラリーマン川柳」で入選したが、これも、案外「テクハラ」の部類じゃアンメイカ。
ところで貴方.「アマゾン」の意味を正確に言える?、、、これはね、ギリシャ神話に出てくる女性ばかりの部族のこと。戦いと狩りを好み、弓を射るために右の乳房を取り除いていた(オ−モッタイネ−)ので、「アマゾーン」(=乳なしの意)と呼ばれた訳。ついでに言うと、16世紀半ば南米大陸で女戦士の交じった先住民の抵抗を受けたスペイン人達が、その土地を「アマゾン」と名付けたんだと。まあ、と言う訳で、「アマゾン」は目下、女傑.女丈夫のことだ。
ところで、今、私は、苫小牧の方(らしい)に住んでいるアマゾン達に苦しめられている。と言うのは、この「あんな本〜」「本の話」他を読んで、、、そのアマゾン達が間違いを言ってくる。例えばこうだ。「自づと、、、、って何と読むのでしょうかじっと見てもわかりません。皆で考えたんですけど、自ずと(おのずと)のことでしょうか?」 ハイハイ、そうでございます。例えばこうだ。「親の因果が子に伝わりとありますけど、子に酬(むく)いじゃないでしょうか?」ハイそうです、〜と言う具合
このアマゾン達7人程いるらしい。その核になっているのが、誰であるかは、まだ推測だが、およそのみきわめはついている。そのうち、どっと、カムでない、どっといくぞ、待つとれ!!と言う訳で、札幌に来たのは「アマゾン、ドット、コム」だが、私の方に来たのは「アマゾン、じっと、いやじわっと、噛む」だ。てな訳で、注意しつついきますぞ。
もう8年も昔の話だが、今、教育委員をしている塩谷弁護士の奥さんの妹さん(在米)がアメリカの大学の卒論に「明治維新」をテーマにしたいとて、奥さん共々、私の所に相談に来た。
その時私は、M.B.ジャンセンの名著「坂本龍馬と明治維新1 」などを挙げながら、自分だったら、欧米人に一番なじみのある人間と明治維新を結び付けて論じる、、、と言うようなことを言った。2人は異口同音に、「なじみのある人物って?」と聞くので、私は「吉田松蔭です」と答えたが、2人は異口同音に「どうして??」と言った。
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実は、ロバート.ルイス.ステイーヴンスンが松蔭についての短編(伝記)「吉田寅次郎2 」を書いていて、これは、欧米の読書人にはよく知られた作品なのだ。
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R.L.ステイーヴンスン?何か聞いたよう名前だなって? そりゃそうでしょうとも、「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」の作者の.あのステイーヴンスンでずぞよ。
その話のあと、私が妹さんに貸したのが「異人のみた吉田松陰3 」
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これは山口県宇部市で出た本なので、知る人は余りおらぬようだ。さて、この本を貸すと同時に、私は.「維新史」の権威.田中彰教授の存在を教え.かつ又.教授の「松蔭と女囚と明治維新」が、中島町の平安閣の下の「マルゼン」にあるからと教えた。
ところが、あとで、妹さんが「マルゼン」に行くと ないと断わられた.と言うので、今度は私が行ってみると、ちゃんとある、機械検索には出てこなかったのだ。
このあと、「経済同友会」に講演をたのまれていくと「マルゼン」の高橋社長がいて、「いい本屋になるには、何が必要か?」と聞かれたので、「機械よりも人間」と答えた。のだが、、、
この間、1月27日室蘭東ロータリークラブが創立40周年を記念して300万円相当の本を贈ってくれることになり.祝賀会に行くと司会役が「マルゼン」の社長で、懇親会の時「イヤ.あの時の、機械顔負けの記憶力にはおどろいた」と言っていた。
さて、急いで本題にもどると、ステイーヴンスンの松蔭伝について、とてもいい本が出た「烈々たる日本人 日本より先に書かれた謎の吉田松陰伝4 」だ。
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「えっ.松蔭を?あのステイーヴンスンが??」と、皆がいだく驚きを糸口にして松蔭とステイーヴンスン2人の心地良い発見の書になっている。ステイーヴンスンの原文を読みたい人は、次をどうぞ。※工藤直太郎対訳「吉田寅次郎.ほか」〈語学文庫383〉大学書林¥1000
ところで、芭蕉が「奥の細道を」歩いたことは大方の人が知ってるが、松蔭が東北旅行をしたことは、知る人が少ないことを著者はなげいている。「吉田松陰の東北紀行5 」
ところで、。ステイーヴンスンが松蔭を描いてくれたお返しに、、、と言う訳ではないが、サモア島で病死したステイーヴンスンの生涯をテーマにしたのが、「名人伝」の作者、中島敦の「光と風と夢6 」(講談社文芸文庫940)だ。むこうを読んだら、こっちも読まなくちゃなあ。
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