第264回 僧侶の現実 

`07.8月寄稿

「悪い坊主1 」のまんがきはいきなりこう始まる。「悪い坊主ーなんて今さら言ったところで誰も驚きやしないだろう。坊主が悪いもんである事は、クソ坊主のたとえもある。〜」。これが当ってるかどうかは私は知らぬが私がこの本を2Fの閲覧室から抜いて来たのは、目下興味がある、或いは知りたいと思うことの答えがあるように見えたからだ。知りたいと思うことの10%程の答えが出ているのは第4章「悪い坊主実証例」の所で、その例の3番目が「納骨堂にランキング」と題する所だ。

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我が家は神道なので、私は仏教の事柄万般を丸っきり知らぬ、と言っても、神道についても同じ事なのだけど。それはとにかく、私は日常的に寺と言うものに縁が無いので、この年になるまで寺へ入った経験は5回も無いと思う。もちろん京都奈良を初めとする観光或いは歴史めぐりとしての寺は別だ。

そう言う私にすると、納骨堂がまず分からない。それでこん本を便りにする訳だが...「30年位前から、納骨堂と言うものが出現した。墓地を所有しない家庭或い墓地が高額で手が出ないという家庭を対象に、手頃な値で遺骨を収納するスペースをレンタルしましょうというシロモノ。仏壇のアパートといったものである。」

成程なあ! ところが寺が納骨堂を新築した際にスペースの位置で値段にランキングをつけようと考え出したと言うのだ。「御本尊により近い位置程、仏のご光明にあずかれる、御利益多いことまちがいなし」これが理屈由  成程なあ!

ところで「仏教おもしろ雑学2 」には、「墓地が無い!急増する納骨堂利用者」なる欄があって、「〜納骨も厳密にいうと、“預骨”と“永代納骨”に分けられる。預骨とは、読んで字の如く。一時的に預かってもらうもので、例えば墓地をこれから持とうとする人、遠い郷里の墓地に埋骨するまでの間だけ預かってもらうというひとが主だ。[tmkm-amazon]4340020079[/tmkm-amazon]

これも長い場合には、2年、3年となることもあるようだ。 永代納骨、これは当初より墓地を用意しないで納骨堂に永久に安置してもらう場合だ。実際の所、最近とみに増えているのは、この永代納骨なのだ。〜マスコミなどでも納骨堂の必要性が叫ばれていて、民間、公営、寺有共に、墓地以上に、今後ともこちらの開発と工夫が優先されることになるだろう。」    成程なあ!

又ところでだが、お布施って何だろう?...で、又「悪い坊主」を見ると、「布施とは元来、身を削って出すシロモノであった。自らの生活さえままならぬ時であっても、惜しみなく仏に利益を分配しるーこの姿勢が、功徳の証とされてきたのである。」...「“あの坊主め、布施を奮発したのに頭を下げようともしやがらない”とのお叱りはごもっとも。だが頭を下げないからには、それなりの事情があることも知っていただきたい。第一に布施は坊主への報酬ではない。布施ははあくまで坊主を介在とした仏に対する無償の善行為。」とある。成程なあ!

この後に又「布施というのは従来いくら少ない額であったにしても、坊主の側から文句を言うことは出来ないものである」ともある。成程なあ!

又又ところでだが、私が「仏陀に還れ3 」を本棚から抜いて来たのには理由があった...と言うのは私は「ひろさちや」と言う人が分からないからだ。

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「ひろさちや」は本名ではないらしい。この人は確か、室蘭にも、1.2度は講演に来ている筈だ、聞くところによると、講演料は?十万円だそうな。私が分からないというのは...私が市立図書館に来てからの話だから、ここ十年以内の出来事だが或時、室蘭民報にのった記事を見て私はびっくりした。「ひろさちや」宅に空き巣が入ったと言うのだ。私がびっくりしたのは、仏法を説くこんないい人の家に盗みに入る奴がいるのか。きっと仏罰が下るだろうになあ...と驚いた訳ではない。びっくりしたのは、盗まれたお金が、確か1億6千万円だったか7千万円だったのだ、しかもそれはアデランス、いや間違い、アディダスーと言うのはあの「ボストンバッグ」の親玉みたいなやつかーに入れられていて、しまってあった場所が、クローゼットだったと言うのだ。ありゃー袱紗にでも包んで仏壇にでも入れておきゃ仏の加護もあったになーと思いつつ私が驚いたのはその「額」だ。

私は勝手に、僧侶たるもの(僧侶ばかりではない...宗教にたずさわるものは)清貧であるべきだ、いやある筈だ....と本当に勝手に妄想しているので、この金額にはびっくりした。イヤ、ある所には有るもんだなあ、こりゃ、かなわんなあーが実感だったのだ。

しかしまあ、真剣に邪心なく仏の道を説いていれば、仏はこれを誉(よみして=よしとする、ほめる)これだけの酬いを下さるということかも知れん。  成程なあ!

又又又ところで、この辺で私は、どんな坊さんがエライのか、ロクでないのか、オロカなのかを知りたくなって「名僧・悪僧・愚僧4 」を取り出してみた。取り出して見たは見たが、目次を見るやむつかしそうなので、読むのを止めにした。やめにしたが,例えば「僧侶と作家の二足ワラジをはく愚僧たち」なるタイトルのもと「今東光、瀬戸内寂聴、寺内大吉」とあるとナントナクあたってるなあと思うし、又「名僧と言う虚名で政治に活躍する悪僧」のタイトルのもと「高田好胤。山田無文.栄上照澄」とリストアップされているのを見ると、そうだなあと思わせられてしょうないし...で、まあ、坊さんの品定めに参考にならぬではない。

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因みにこの4冊共前述したように2Fの閲覧室の棚にある。4点共私がこの館へ来る迄に入っている本なので、私が選んだ本ではないが、うしろの貸し出し票をみると、ヤヤヤーとビックラする程、借りられている。成程なあ!

ところでの最後だが、ナンデ私が急にこれらの本をのぞいたか?と言うと、7月初旬北海道新聞に「宅配便で納骨送る」室蘭 「寺の住職、檀家に改築反対され“関係絶つ”」の見出しのした、寺の維持管理費を未納しているのに「建替えに威圧的に反対されたから」宅配便で遺骨を送ったとの坊さんの弁他がのったからで....成程なあ!!!???

よしんば、行倒れ(ゆきだおれ)になろうとも、坊さんだけは骨を拾ってくれる筈...なんて思ってたら、甘いのかな!

この世はせつないのう!!。



  1. 田村恵照.悪い坊主.データハウス(1992) []
  2. 赤根祥道.仏教おもしろ雑学.梧桐書院 (1987) []
  3. ひろさちや.仏陀に還れ。主婦の友(1991) []
  4. 丸山照雄.名僧・悪僧・愚僧.山手書房(1977) []

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