第290回 オリンピックと政治と差別

アメリカ在住の作家・米谷ふみ子が、アメリカ全国の新聞にはさまれて各戸に配達される「parade」なる小冊子に載った記事を紹介している文章を読んだ。

それにはインデアナ大学東南分校のジョン・フィンドリング元歴史教授が「オリンピックをする価値があるか」と題する文章があって・・・米谷が引用している文章を、そのまま写すと、「1976年にモントリオールで開催されたオリンピックでの借金を市が返すのに30年掛ったという。2004年のギリシャのアテネ市のは110億ドルを遣い、市のオリンピックでの収入は28億ドルに過ぎない。2012年に決まっているロンドンでは、初めの予算は60億ドルと言っていたが、現在は150億ドルとなった」

私は普段、北島や入江がいくらガンバッテも、イルカに勝つことはむずかしく、ボルトがどれだけ練習しても、チータやダチョウの駿足には追いつけなかろう。又、ピストン堀口(と言うと例えが古いが)とてもカンガルーには勝てまいて、と思っている口だから、国威発揚のガンバレ・チャチャチャ式のオリンピックには感心がない。と言う訳で、オリンピック招致運動と言うものがよく分からずにいた。只、こういう事は各人各様の考え方だから、オリンピック招致運動に反対とは、許せないと息巻く人がいても、「ハイ、そうですか」と言う他はないでであるが・・・・

「オリンピック来てくれ」とコペンハーゲンくんだりまで出かけた人々の中には森元首相がいるのにビックラこいた。何故か?って?だってこの人、伝え聞く所によれば、クリントン元大統領に会った時、「How     are   you=ご機嫌いかが?」と言うべき所を、「who    are   you  ?=アンタ誰?」とやらかして、びっくらこき、かつ面白がったクリントンが、それこそ冗談で、(ここからヒラリーのスペルがわからんから日本語でいくが)「俺はヒラリーの夫だよ」と答えたら、森が返すに事欠いて、「Me  too=俺もだ」と言ったという逸話の持主で、ござんすよ。おまけに又、かつて「子ども1人もつくらない女性が自由を謳歌して、楽しんで,年とって税金で面倒みなさいというのは恥ずかしい」と、人権意識ゼロの発言をしている御仁だよ。

私は、バカに免許がいるとしたら、この森は大型免許(と言うと=大型免許保持者に悪いが、ここではランクの意味で単純に言うのだから、御勘弁あれ!)この部類だなと思っているんだけど、」この英語ダメ、女性差別だ!!の大型馬鹿が、何がやれるとて招致団に加わっているのか、さっぱり分からん。ロビー活動?、何こいでるの?と言いたい。あのぬいぐるみのプーさんみたいな顔で、会う人毎に「Who  are  you  ? 」と「Me   too」を繰り返されたんじゃ、ロビー活動も台無しではなかろうか?。おまけにもう一つビックラコイタのは、この大馬鹿が着ているユニフォームのブレザー、一式30万円だと。しかも、これ森含めて50人が着たんだと!!。貴方の月給で、これすぐ作れる??。

しかも、この招致ツアー(IOC総会に出席するために)に自・公・民主の都議10人が,約1,000万円の税金を使ってでたんだと!!。ついでに言うと、オリンピック招致言い出しっぺの石原は,06年5月のロンドン旅行(無論招致のための)に3,573万円使ったあと、スイス、シンガポール、ドイツ、ポーランドと次々足を延ばしたと言うが、その額や果たして如何程?。

石原と言えば、「女性が生殖能力を失っても生きているのは無駄で罪であって」などと発言し,挙げ句の果て、「三国人」発言で、国連から「人種差別撤廃条例に違反する」との勧告を受けた、馬鹿の大型どころか,馬鹿の特殊免許みたいな人物だよ。こうした人間が、どうして大きな顔して,目をパチクリさせながら国際舞台に出て行けるのか?、全然わからない。①1


第三国発言と言えば、石原は1983年の衆議院選挙で東京2区から、いわゆる在日二世である新井将敬が立候補すると、そのポスターに(石原側が)新井が朝鮮人だとする黒シールを貼ると言う妨害をしたことが有名だ。この時石原は、「秘書が勝手にやった」と逃げた。こんな人間が,スポーツを通じて平和な社会をつくろうとするオリンピックに相応しい人物だとは、どうしても思えない。まあ、とにもかくにも、石原は招致活動費を当初55億円から150億円に拡大した・・・だけれども落ちた。

こう言うのを、正しく「乱費=らんぴ」と言うのではないか。そうそう,言い忘れる所だったが,呆れたのは森の参加ばかりでない。呆れると言うよりは,哀れと思ったのは、欽ちゃん、何で石原と並んでオープンカーに乗らねばならんのか。まあ芸人はお客あっての事だから、所詮は「タイコもち」とならざるを得んのだろうが、それにしても気の毒な! ②2

石原の差別発言で思い出したが、麻生も石原に輪をかけた特殊免許の馬鹿だった。麻生はある時こう言った。「あんな部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」。”あんな部落出身者”とは、元自民党幹事長の野中広務だ。野中はこれに反論して言う。2003年9月21日の自民党総務会での反論は、以下の如し。

”総務大臣に予定されている麻生政調会長。あなたは大勇会(河野グループ)の会合で、「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」とおっしゃった。そのことを、私は大勇会の三人のメンバーに確認しました。君のような人間が我が党の政策をやり、これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんて出来よう筈がないんだ。私は絶対に許さん!”・・・野中の激しい言葉に総務会の空気は凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった、と本にある。この特殊馬鹿の麻生は、選挙演説で「下々の皆さん」とやった由。どうにもこうにもならぬ馬鹿がいるもんだな。③3

4

結論。オリンピックこなくて良かったわ。私的(と私は初めて使うが)にはね。

  1. 斉藤貴男・空疎な小皇帝・ちくま文庫・(2006) []
  2. 斉藤貴男・吉田司・石原慎太郎よ、退場せよ・洋泉社・(2009) []
  3. 魚住昭・野中広務差別と権力・講談社文庫・(2006) []
  4. 野中広務 辛淑玉・差別と日本人・角川書店(2009) []

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください