`11.08.15寄稿
下に載せたのは,私が今、道新に頼まれて,全道4人のメンバーで交替で書いているものだ。中で,九州電力の”やらせメール”について触れているが、このことでは各社の報道は遅かった。赤旗が報じたのは確か7月2日だったが,他の社,例えば「道新」に出たのが7月7日で,5日も出遅れていた。
そもそも、このやらせが明るみに出たのは、九州電力関連会社社員が共産党の福岡県委員会に「これは余にひどい」と連絡をいれたからだ。
これはつまり「内部告発」と言える訳だが、何故知らせた先が共産党かと言うと,それは「赤旗」があるからで、他の大手の新聞では取り上げてくれる公算が少なかったから、と言うことのようだ。実際、目下の情勢を見ていると,テレビであれ,新聞であれ,何やら東電と政府の代弁者見たいのばかりが,大きな顔をして出ている。つまりは,信用出来ぬ。私は8月13日(土)に、苫小牧の図書館で「魯迅(ろじん)」について2時間語るために,10時頃に家を出、高速を下りてから腹ごしらえのために,蕎麦屋に入って玉子丼を食べた。食べながらテレビを見ると、丁度高校野球だったが,店主がチャンネルを変えてーするとそこに妙に優しげな男が優しげな口調で、「~何でもありません」を繰り返している。何が「何でもありません』かと言うと,要するに「放射能」を恐れることは全くありません,と言う話しなのだ。呆れた私の目にテロップで「長崎大学ウンヌン山下ウンヌン」の名前が流れた。はて聞き覚えのある名だな....と考えて,「そうだ、昨日読んだばかりの本に出てくる奴だ」と私は我妻さんに教えた。
その本は広瀬隆・明石昇二郎「原発の闇を暴く1 」
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で,その中にこの山下が出てくる。155ページだ。山下俊一(長崎大学大学院医師薬学総合研究課長・日本甲状腺学会理事長・福島県放射線健康リスク管理アドバイザー就任)。アドバイザーとは,専門的知識を持って助言する人のことだ。それで,この助言者は3月21日、福島の講演会でどう助言したか?曰く「放射能の影響は、実は実はニコニコ笑っている人には来ません。クヨクヨしている人に来ます。これは明確な動物実験で分かっています。酒飲みの方が幸か不幸か,放射線の影響が少ないですね。決して飲めと言うことではありませんよ。笑いが皆樣方の放射線恐怖症を取り除きます。でも、その笑いを学問的に、科学的に説明しうるだけの情報の提供がいま非常に少ないんです」。
この男、吉本から来たお笑い芸人でオチャラカシに来てんのか?。これではまるで詐欺師ではないか!。
もっとも政治の世界も野鳥園なみに鳩もいれば鷺もいるから、驚くことはないか。それにしても、被爆の地の大学の教官とは思えぬ助言だ。聞いていた放射能汚染被害者に対して,言うに事欠いて「病は気から」と言いたい訳だ。聞いいていた福島の人は黙って聞いてたのか。それとも「靴」でもぶつけてやる気骨ある人がいたのかどうか。3月21日に,これだけ人を虚仮(こけ)にした話しをしている人非人に,その後天罰一つ降らずに,8月13日に又同じテレビでしゃべっているこの厚かましさ!。しゃべらせて図々しさ!!。こうした連中にしゃべらせたり,書かせたりしているテレビ、新聞をまともな人間が相手に出来る訳がない。たよりに出来る訳がない。
そう言えば切り抜き忘れたが,先々週、室蘭民報にも東大の中川(?)とか言うのが,放射能の心配をするのが一番身体に悪いてな,上の山下の親族みたいな話しをしてたな。
もう一つ呆れた話しがある。1997年に「核燃料−操作から廃棄物処理までー」なる本を出して売れっ子になった大熊由紀子なある朝日新聞社科学記者がいた。この本は「原発安全神話」を垂れ流した。なにしろ、所属する当の朝日新聞社が,「原子炉は原爆とは全く違った性格のものです」と言い,限りなく安全なものだと主張し、「たとえすべての制御装置が働かなくなったとしても,大事故をおこすことはありません」と、大声張り上げていた時代だ。大熊女史とても大朝日をバックにして得意満面だったことだろう。今、この原発信奉女は何をしているか。切り抜きをしていてびっくりした。「国際医療福祉大学院教授」として6月24日、某紙に登場していて、「専門家が患者に教わると言う,常識を逆転させた利用者民主主義」なるものを提唱している。ところが先の広瀬の本によると,1988年4月、日比谷での「原発止めよう1万人行動」に出席を求められたこの元原発推進旗振り女は,出席を拒否したと言う。今こそ出て来て,患者(原爆で苦しみ続けている人達)の意見を,ニコニコ派のニセ医者共に伝える役目をして、かつての自分の科学記者とも思えぬ愚行を償うべきではなかったか。「医療福祉大」とやらの学生も、エライ教師に当ったものだ。
さてさて、新聞・テレビの報道に信が置けるのは、「いつ」だろうか。土台そう言う日が来るのだろうか??
付け足し二つ。 ① 過ぐる3月26日「ふくろう文庫ワンコイン美術講座」の第21回目で、グルジアの素朴派画家ピロスマニを取り上げた。そのあと7月に日本で初めてピロスマニ伝が出た。「放浪の画家ニコ・ピロスマニ2 」
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② 「本の話し」の第577回(2011.7.17)で消えた(消された?)天才版画家・藤牧義夫を取り上げた。その3日後、7月20日に「生誕100年藤牧義夫3 」が出た。
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これを書いている今日は、2011年.8月15日、終戦記念日。