第460回 売笑記2冊 現代の差別

2024.7.12寄稿

「売春防止法」は1958年に成立した。私の高2の時だ。

いきなり脱線するが、あの森と言う男(象の体に蚤の心臓)と言われた男は、この時に売春婦を買っていたことが後で問題になったことがある.其れはともかく、私が居た室蘭では、この法律が出来たあと、多くの女達が「ニューブラザー」やら「Aワン」なるキャバレーに移った。私は室蘭一の繁華街「浜町」に住んでいたから、いわゆる「遊郭」なるものはすぐ近くにあった。一寸離れて「幕西」、近くは千歳町、そして浜町といった具合だ。だからどの店にも、幼稚園、中学、高校を通じて同級生がたくさんいた。

室蘭では売春宿を「後家屋」と言った。「後家」とは「未亡人」のことだ。つまり。夫が死んで、生計のための方法がなくなった女が我が身を売る羽目になったことを言う。大きな「後家屋」にはいわゆる張り店があった。これは遊女を客の前に張り出したガラス棚の前にずらりと並べてその顔を見せる仕掛けだ。これは小さな店にはない。その「張り見せ」他が分かるいい本を出しておく。書き手は日本橋の「鰻屋」「喜代川=きよかわ」なる老舗に生まれた人。詳しくはこの本を出した岡本修一の後記を見てたもれ。

「春を売る」とは言うまでもないが苦界に身をおくことだ。「苦界」とは仏教用語で「この世は苦しいものだ」ということ=遊女の境遇を言う言葉だ。それがどれほど苦しいものであるかを書いた凄まじい本をここに出しておく。

中山は 御大(=中間の中で頭たる人)の柳田國夫に楯突いたばかりに今や「忘れられた民俗学者」であるが、私はこの人が好きだ。柳田は偉くなりすぎた。

売春といえば思い出すことがある。東京電力に勤める39歳の女が仕事が終わると服を着替え、近くの地蔵の前に立ち、客を取る。その女がある夜殺され、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリが捕まった。27年ん前のことだ。このネパール人は15年前に無罪となったが、真犯人はまだ、つかまっていない。この東京電力に勤めるいわばエリートが何故「売春」をしていたかいまだに謎だ。

ところで、赤旗に「シリーズ性搾取」が出ている。6月25日、7月1日、7月9日、と今のところ3回出た。これ、とても調べられていて、参考になる。図書館んでバックナンバーを見てほしいい。

話を変える、4月6日のニュースだが、厚労省の調査で「ハンセン病」に対する偏見は

「現在でも減らずに深刻だ」、とある。前回書いたが、北海道ではまだ、アイヌに対する差別がある。在日朝鮮人に対する差別については「川崎市」での出来事を思えば分かる。

「間接差別」なるものも発生している。これ、早稲田大学の浅倉陸子によると「一見性別とは関係なくても一方の性に不利益をもたらす制度や基準を言う」とある。

差別と言えば、日本では「被差別部落」がある。このことについて、触れておきたい名著がある。高橋貞樹「被差別部落一千年史」だ。この本1924年に出たがすぐに発禁になった本だ。高橋は僅か30歳にして死んでしまったその筆力には圧倒される。沖浦和光の解説も素晴らしい。それにしても、人間という生き物は何をしでかすものか。

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