司書独言(104)

`10.4.寄稿

○月○日  昨年暮れ、鹿児島の阿久根市の竹原信一なる市長が経営者相手の講演会で、障害者に触れ、「社会は木を育てるようにしなければ〜」と延べ、更に社会を作るには、「壊死した足は切り取らないと〜全体が死ぬ」と言った由。この論が正しいとしたら、一番先に刈り込まねばならぬのは、この男ではあるまいか。 続きを読む 司書独言(104)

司書独言(105)美術館をめぐる

2010.05.寄稿

○月○日  ゴールデン・ウィークの混雑を避けて連休明けの旅行を計画し、さて出発と言う時に、我妻さんの94才なる母親にそろそろお迎えが来たようだ、との知らせが届いて、旅行を全部キャンセル、急いで上京した。幸いに峠を越したので、帰路は美術館めぐりと決めて、一番目は東京駒場の「日本民芸館」に行った。 続きを読む 司書独言(105)美術館をめぐる

司書独言 (107)  複製美術館

2010.07月寄稿

○月○日  今年の3月、ローマで「カラバッジョ没後400年記念展」が開かれた。カラバッジョ(1573-1610)は、言葉遊びをするわけではないが、カラバッジョに生まれたヴィットーレなる画家の事で、生まれた場所が性になっているのは、私の知る限り、あとダ・ヴィンチ村に生まれたレオナルドしかいない.バロック最大の画家となるこの男は、ルネサンス様式から抜け出せずにいた絵画の世界に新しいスタイルを確立した最初の画家と言われる。 続きを読む 司書独言 (107)  複製美術館