山下敏明さんのあんな本、こんな本

第345回「富春山居図」と故宮の秘宝.ウクライナ抵抗詩人

2014.7.6寄稿

予告編を見て面白そうだとDVD屋から「101回目のプロポーズ」(1991年策中国映画「101次求婚」)を借りて来た、話しは面白いし、主役の女優が実に好い女でほれぼれ見ている中に、「アレ、この女優、レッドクリフの女優か?」とつぶやくと我妻さん=家内が、今頃気がついているのという顔で「そうよ」と言う。

以下は我妻さんが本屋での雑誌の立ち読みから既に得ていた情報で、テレビを見ぬ私は全く知らない事だった。この女優、名はリン・チーリン(林・志蛉)台湾生まれのNO.1モデルにして、 NO.1女優、何年か前にキムタクとテレビドラマに出た由...と言っても我が家にはテレビがナイから、この作品の名は我妻さんも知らず、只、リンは174cmの背丈と言うからキムタクでは寸足らずだったろう。私が「レッド・クリフ」と言ったのはもちろん三国志で有名な「赤壁の戦い」の映画化で、リンは、絶世の美女で、曹操が熱望した女、つまり周瑜(しゅうゆ)の妻の「小喬(しょうきょう)」を演じた。あの時リンが画面に現われたのをみて「イヤ、美女というものはいいもんだなあ」と思いつつ、その上背のある上品な姿態に驚いたが「レッドクリフ」では美男美女が次々と出るので、その時は「美女」だーの感激を持ったのみで名前は調べなかったのだった。

101回目のプロポーズでは、途中武田鉄矢が出でリンと会話するのだがこれ又我妻情報によると、この映画実は武田と浅野ナントカ主演の映画のリメイクだそうで、リンは日本語も出来る由。因みにリンが扮した「小喬」なる女、歴史書「三国志1 」には「橋公=喬国老の娘で」江東の二喬と言われた美女姉妹、姉が大喬下が小喬で「姉は孫策、妹が周瑜の妻」との記録しかない由。

ところで「小喬」の夫たる「呉の周瑜」が208年、2万の軍をひきいて魏軍100万を撃退したのがいわゆる「赤壁の戦い」だが」この地を描いた傑作が12世紀北方王朝金の出の通称武元直(ぶげんちょく)の「赤壁図」でこれ私が最初に仲人した黒島重夫・歳子夫妻から私に感謝してとの寄金で賄えて「ふくろう文庫」にある。7メーター余の絵巻だ又世紀のし詩人蘇東婆(そとうば)は「過去の偉大な武人たちは今いずこ〜」と詠う「前後赤壁賦(ぜんごせきへきふ)〕を作ったが、これを13世紀の書道の大家 趙孟頫(ちょうもうふ)が書いた全16開の折本が義父母に感謝してとの佐藤ひとみ女の寄金で賄えてこれ又「ふくろう文庫〕にある。ありがたい!!

閑話休題(それはさておき)ー「101回〜」を大いに楽しんだ後返却に行き新着の棚を見ると、ナント今度はアンディ・ラウとリー・チーン主演の「ゴールデンスパイ」が出ている...で早速借りて来てかけると、中国語タイトルがいきなり「天桟、富春山居図〕を見て私は思わず「ウエッ!!」とうなり我妻さん「おいおい富春山居図だとよ」と声をかけた。何故「ウエッ!!」で何故「おいおい」なのか「(富春山居図巻頭「剰山図(じょうざんず)」焼けて保修した巻頭部分、これ中国側にあり、残りは台北故宮博物院」

「富春山居図」は元の時代に、黄公望(こうこうぼう1269-1354)が82歳にして)1351年に完成した10m余の絵巻で名の通り「富春山」を描いたもの彼は10歳の時祖国宋朝は滅亡、25歳で役人となり北京に栄転したはいいが、上役の汚職事件に巻き込まれ牢屋に20年間ぶち込まれて冤罪と分かった時には50歳近かった...で富春山に引きこもり...となる。

さて、この山水画の大傑作、1650年代、当時所有者呉洪裕がこれを溺愛のあまりに自分の死とともにあの世に持参すべく「焼くべし」と遺言したので、一旦火をつけられた...がこれを惜しむ(当たり前だ)人によってからくも救い出されたはいいが、巻頭50㎝がやけこげたから、これを修復すべく切離したはいいが...以後この作品は二つに分かれてしまった。直された50cm余の方は「剰山図」と名付けられて浙江省博物館に残り6m余の方は台北博物院にあって、これは「無用師本」と呼ばれる

乾隆帝はこの絵を大層気に入って余白に感想を60ヶ所も書き入れた。ところがある時、「富春山居図」がもう一点献上された。これを見て乾隆帝は、これを偽物と断じたが、アニハカランヤこれが実は本物だった。つまり、乾隆帝は偽物に感銘していた事になるこれは「子明本」と呼ばれる。さて、この2分された大作は合体しないまま時を経て来たが2011年6月1日に1949年中台分団以降360年振りに合体して台北博物院で展示された。この年は台湾建国100周年。「故宮の秘宝2

中台関係の改善を目指して中国側が巻頭50cm余を貸し出した訳だ。で私はそれこそ飛び立つ思いで台湾に跳んで4日かけてこれを観て来た。面白かったのは「本物と」「偽物」が向かい合わせに展示されたが「本物は」には長蛇の列で「偽物」の前には人がいなかった事だ。博物院は建国100年を記念してこの複製を100部限定復刻したが残念だったのは、巻頭50cm復刻を中国側が許可しなかったので、出来上がったレプリカはその部分が空白になっている。しかし、まあこれも一つの歴史的事実な訳で後世語り草になる事だろうし、私が買った限定本は100部最後の1本だったが、これ「ふくろう文庫」支援の会代表の芝垣美男、品子夫妻が父政雄100歳祝賀としての寄金で今「ふくろう文庫」に入っているありがたい。さて、話しをDVDに戻すと「ゴールデンスパイ〕は、即ちこの「富春山居図〕が台北で展示されるにつれて、これを奪おうとする海外の泥棒集団の動きを阻止しようとするスパイ映画で、,,,これがトンデモナイ愚作で呆れた、この後、私は又リン・チーリン2役の「ラブオン・クレジット〕見つけて見たが、これも愚作で、この美人は飽きた。もうええ

今年の3月末、映画監督のエリダ・リャザノーフ、人権活動家リュドシラ・アレクセーエフらのロシア知識人がロシアのウクライナ合併に反対の声明を出したが、未だウクライナ情勢ははっきりしない。「欧州のパン籠」と呼ばれる肥沃な黒土を持つ故にモンゴル、ポーランド、ロシアと周囲の国から介入去れっ放しの国が生んだ抵抗の詩人、タラス・シェフチェンコ(1814〜61)農奴出身のこの国民的詩人の今年は生誕200年だ「〜鎖を切って立ち上げれ〜ウクライナの自由をかちとってくれ〜」作品「遺言」の一部だ。

「シェフチェンコ詩集3

「マリア4 」

 

 


  1. 満田剛.三国志.白帝社(2009) []
  2. 古屋奎二.故宮の秘宝.二玄社(1998) []
  3. 渋谷定輔.シェフチェンコ詩集.れんが書房新社(1988) []
  4. シェフチェンコ.マリア.群像社 (2009)   []

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