司書独言(179)

◯月◯日 偏狭な「米国第一主義」は米国にも世界にも利益をもたらさないことを、トランプは学ぶべきである、なんてことを知識人が言っている間に、アレヨアレヨでトランプが勝っちゃった。米のみならず英仏にも小型ヒトラーが現れている。フランスのルペンは父親を党から外して、女だてらに好戦的な姿勢を見せているが、日本も負けてはおらず、メディアをおどかすは、戦に行きたがるわと言うのがならんでいる。そのうち、女は家庭を守ってだけおれ!、かけつけ警護の男たちの苦労を思って贅沢は控えろ、なんて言う手合いが女の中から出てこないとも限らない。詩人・金子光春は「きたないモンペをはくな」と詠ったが、ミニをはく国防担当の女は以後何をはくのか。

◯月◯日 新聞でトランプが勝つと言った政治学社や政治評論家は、私の見落としでなければ一人もいなかった。政治でも経済でも、学者・評論家の言が殆ど当たらぬ事は切り抜きを整理しているとよくわかる。今見ているのは2015年7月下旬の記事で「都知事、止まらぬ政府批判」なる見出しのもの。東京五輪の諸々について、都知事が”私は国民が納得しないと警告したが”と言う。この都知事は小池にあらず舛添だから笑わせる。本人がわからぬこれからの事を、学者や評論家が予告できるはずがない。

◯月◯日 切り抜きと言えばもう一枚、2015年8月末「”李登輝” 日本人として祖国のために戦ったなる見出しの下、第二次大戦中に京都大学を出て日本軍に従軍した李登輝の言動について、台湾で論争が起き云々とある。李登輝については私は司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズの「台湾紀行」を読んで随分と感心んしたが、司馬の李登輝評はどうも過褒の嫌いがあるようだ。司馬は巷間伝える所によれば、”人たらし”だそうだが、思うにこれは、司馬の人の褒め方が,なんでも褒めておきゃ人は喜ぶと言った、無責任な褒め方だからではなかろうか。華麗な形容詞で人を褒める司馬のやり口がいささか鼻に付く。

◯月◯日 世の中日々呆れる事ばかりだが、最近呆れたのは群馬県太田市の話。同市の美術館と図書館の複合施設が秋に開館予定となって、愛称を「おおたBITO」にしようとした所、「BITO」は既に私が商標出願しているが、何なら使う権利を譲っても良いとのメールが来た由。この男ビジネスとして既に14,786件の商標出願をしていて、「リニア中央新幹線」まで自分の商標として出願し、使いたい人に売るつもりだと。悪賢いとしか言い様がない男だ。「ふくろう文庫も」出願済みなんてことはなかろうがね

◯月◯日 昭和57年に雑誌「歴史読本」で、中国文学者の駒田信二とイザヤべンダさんこと山本七平が対談した。中で血縁型社会が話題となって、山本は「縁座」に触れる。これ重罪には犯罪人の親族縁者までが罪を負い罰せられることで、89世紀初めに制定された大宝律に始まって、明治初年まで続いた。中国では反乱を起こせば16歳以上の男児と父親が死刑、女児と15歳以下の子供と細君は、財産没収の上奴隷とされる。で山本は対談で「日本には縁座はないけれど」と間違った事を言うが、それはともかく明治に廃止となったこの恐ろしい刑が最近復活した。ついこの間都知事選を思い出してごらん。

◯月◯日 自民党東京都連は所属する国会と地方の議員に「議員が(親族も含む)が非推薦の候補を応援した場合は、除名処分の対象となる」との文言を含む文書を送った。つまり、例えば18歳の馬鹿息子or娘が増田に入れずに小池や(鳥越)に入れたら、お父さんorお母さんを処分するぞ」と言う訳だ。縮み上がるのは7人だけではなかった訳で、これでは投票の自由もへちまもあったものではない。流石に基本的人権を無視する憲法案を作る政党だわ。

◯月◯日 マイケル・ムーアーの「世界侵略のススメ」のDVDを観た。フランスの学校給食、ドイツの労働者の休み時間、イタリアの勤労者の年次有給休暇どれでも、これぞ理想郷かと思えるほど素晴らしさの中で、驚いたのはアイスランドの銀行の話、例のリーマンショックで他の庶民に損害を与えた銀行形が、なんと有罪とされて牢屋に入れられていること。これなら新銀行東京失敗の石原なぞは、とうの昔に投獄だわ。アイスランドで唯一健全経営だったと言う銀行は執行役員が全員女性で、中の一人が言うには「米国には行きたくもなし住みたくもなし」と。ごもっとも!!

◯月◯日 先日本屋で「男の人生は粋」ナントカ言う書名の本んを見かけた、筆者は「忘れた、記憶にない突然脳が軟化したのかの老人石原。この姿、どこが粋なのだろう。これ無粋の極みと言う出ないの。その男の本が20万部も売れる不思議?!ところで、先記のミケル・ムーアーはトランプを「思想なき男」として、その政権打倒の先頭に立つと宣言した。これぞ”粋”

◯月◯日 前回、図書館の指定管理者制度の導入の害について、愛知県田原市の森下元館長の「受託企業は人件費の抑制で利益を生んでいる」との言を引いたが、釧路の図書館では、雇われてきた館長が、嘱託の時給を上げずに夜間会館の時間を延長して、内情を知らぬ市民は喜んだが、実質上時給をカットされ、かつ帰宅時間が遅くなった嘱託が困っているとの話が伝わってきた。当市では夢々こんなふざけた事態に陥らぬよう望みたい。図書館はブラック企業ではない。

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