司書独言(198)

◯月◯日 漢字学者の阿辻哲次が難読語の一つだと「莫大小」について書いたのを読んで「神田のタリキ」を思い出した。室中から栄高へ変わった時期の名物体操教師。私が栄高生の時は夏に全校生徒が陣屋の浜で海水浴をした。旧栗林本社の前の船着場からハシケに乗って港を横切ってくるのだ。

ある時終了の合図で全生徒が砂浜に並ぶとタリキがおもむろに登場して片手に持った丸首シャツを「これ忘れ物だ」と上げてみせ、「襟には莫大小ナントカと書いてある」と読んだ苦笑いでガマンしたが、タリキはこれを「メリヤス」と読めなかったのだ。この字は、「大小の区別が莫(な)い』の意味で、つまりは伸び縮みするフリーサイズの意味だ。本来はmediasなるスペイン語で長靴下のこと。タリキには逸話がたんとありが、それでも「云々」を「でんでん」と読む安倍。「未曾有)を「みぞうゆ」と読む麻生程には無学ではなかった。それに無類の好人物だった。だから誰もがタリキを語る時笑顔になる。

◯月◯日 新聞に「戦時中は女学校在校で武道の時間に自害の方法を教えられました。」なる投書が出た。91歳。”自害”とはすさまじい。時代劇で見るように懐剣携えて心臓を一突きか。私の長姉も投書者より一歳下だが、清水高の前身たる道立室高女で薙刀をやっていたのをお覚えている。これ昔のことと笑ってられないぞ。当今、戦時中の寺内寿一陸軍大臣の「産めよ殖やせよ」式の政治家の発言が多い。二階、加藤寛治、荻生田、杉田と揃って「お国のため子供を産め」的思想の連中だ。「女は薙刀を持て」なんぞ言い出しかねない面々だぞ。薙刀持つよりはバトンを持って跳んだりはねたりのほうが平和でいいと思うがね。

◯月◯日 私は乱視があって普段はメガネをかけているが、なくても肉眼で新聞、事典を読むにに苦労はない。だから私は無関係だが、近頃気になる...大袈裟過ぎ、かつうるさ過ぎて、聞いていられないのが、◯◯拡大鏡のTVの宣伝。おまけにがなりたてる不倫騒ぎの男優の言葉には事実誤認がある。それは「近頃の活字は小さすぎて読めなーい」と言うが、とんでもない。今の新聞や雑誌の活字は二昔も前のそれらに較べるとはるかに大きい。昔の切り抜きを見ると、この小さな字じゃ日本人が近視になるのは無理ないわ、と納得できる程小さい。もう一度言うが今の活字は十分大きい。いい加減な広告だと思っているがね。

◯月◯日 アメリカで起きている高校やら大学の校内での銃乱射事件に対してトランプが「教師にも銃を持たせて武装させたら」と凡そ常人じゃ考えもつかぬ反応を示して世界中が呆れたのがついこの間のこと。ところが日本でも同じ事が起きた。6月末の事だ。群馬県内の病院のある医師が、「米国では武装した警備員が病院で患者や医療現場を監視し、暴れる患者を拘束したり、拳銃を発砲する事件もある」が、自分としては「精神科医にも拳銃を持たせてくれと言いたい」との発言をした。これに対して全国的に1200の病院が会員となっている「日本精神病院協会」の山崎学会長が、同協会の機関紙の5月号巻頭言で、この医者武装論をたしなめる所か、「興味深い」とした。聞いて私は、「これは日本版トランプだ」と呆れたが、驚いたのは私ばかりではなくて、「日本医療労働連合会」も「”精神科医にも拳銃を”とは、余りにも患者の生命と人権を軽視した発言」だとし、それを精神科医療のトップが是認するような発言をしたことに抗議する」と出た。当たり前だ。

◯月◯日 序でに言うと今日本では精神科で身体拘束が増えている由。昔、レニングラードでレーニンの兄が収監されていた牢獄を見学した時、廊下の壁に袖の長さが3倍はありそうな、しかもぼたん一切なしの頭からかぶる式の妙に長いシャツがかかっていて、一瞬何だこれはと頭をひねったが、直ぐに「拘束衣」だと分かった。腕を胸の前で交叉させ、残った袖を背中にまわしてがっちりとしばりあげる。身動き一つならぬその衣服を見て、地面に放り置かれたら、と心底、戦慄した。相模原事件の後だというのにこの学会長の反応。頭の程を疑いたくなるね。

◯月◯日 元首相の森と言えば「日本は神の国」なる発言でこけ、更に早稲田大学時代に買春をしていた事を週刊誌にすっぱ抜かれて取り消しに躍起となり...と好印象ゼロの人物だが、今度何を血迷ったか「東京五輪にサマータイムを」と言い出し、それを又、安倍、麻生の愚者2人が「いいんじゃないの」と受けた。私はこのサマータイム、中学生で体験したが、どこをどう押せばプラスの効果が出るのか、子供心に全く全く理解できなかった。今念のため調べてみたら昭和23年(1948)〜昭和26(1951)まで実施したが不評で中止となったとある。私の記憶は間違っていなかった訳だ。それにしても、これ森らの言う通りなら15:00退社、19:00にはもう「おねんね」しなきゃならんのよ。となると、安倍なんか大いに困るんじゃないの。「赤坂自民亭」なんて開いて、酔っ払ってニタツイテランナイゾ。それに又NHKだの、日テレだの、フジテレビなどの仲良し社長達と「お食事会」なんかもしてられないぞ。健全な国政運営のためには7:00に寝て2:00か3:00には起きて。7:00には仕事はじめにゃならんからな。

◯月◯日 ここまで書いて、サマータイムが始まったらあの会社はどうするんだろうと思い出した会社がある。「日本NCR」なるレジスターや情報システム大手外資系企業。この会社のIT技術者には安倍センセイの例の「裁量労働制」が適用されて居るんだと。しかるに、17:30=「みなし労働時間」で終業の時刻ーとなるや、ナントナントあの「ランボー」の不死身の戦士シルベスター・スタローンの出世作「ロッキー」のテーマソングが職場一帯に流れ始める由。その心は「倒れても立ち上げれ」=もう帰宅出来るなんて思うなよ。外は未だ明るい、さあ働けだ。マラソン選手の代わりに日本NCRの社員の方が先にダウンするのじゃないか。今郵便局に行くと、驚いたことに「アフラック」のパンフレットを呉れる。これアメリカの保険会社で、日本側社長は安倍のお友達だ。私はそのうち郵便局員も日本NRC並みになるのではと危惧する。カジノ、水道費、それに通販のアマゾンなど外資系にとって安倍政権下の日本は正しく「パラダイス」だ。日本人が働きに働いて儲けは皆アメリカへだ。

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