`08.1月寄稿
○月○日 山梨県の韮崎市に美術館が出来た。「韮崎大村美術館」。大村は寄贈者の名前で、この大村聡氏、北里研究所長だと言う.研究所長は分かるが、5億円相当と言う建物並びにコレクションの金、どこから出たのだろうと思ったら、この人、巨額の特許料を得ている人で、その内の一つ、イベルメクチンなる寄生虫駆除薬は、熱帯病のオンコセルカ病(河川盲目症)の代表的な予防・治療薬で、年間7千万人にも使われている由.イヤー驚いた。羨ましい。ところで、私は30年間室工大にいたが、その間、特許を持っている研究者は確かいなかったなあ。
○月○日 「青空文庫」を御存知だろうか?。何?知らない、「ふくろう文庫」ならしっているけど、って?いや、ありがとう。この「青空」なんでも死後50年経って著作権の切れた作家の作品をインターネットで無料公開している、いわゆる図書館なんだって、ここが夏目漱石やコナンドイルら約407人の作品6500点を1枚のDVDに収めて、全国8,000の図書館に只で配ると言う。もう当館にもきたかどうか。
日本図書館協会の常世田という理事が、「青空文庫と、ネットを使い馴れない人とを図書館が繋げられるなら、素晴らしいことだ」と評して知るが、果たしてそうか??
○月○日 日仏交流150周年を記念して、パリ造幣局は記念硬貨4種を売り出すと言う.(08.1.21)中の1種は、東州斎写楽の浮世絵の由。北斎か淋派かと思いきや写楽かと納得する様なしないような。
○月○日 昨年11月上旬だったか、卒業生達と恒例の旅行をしたが、軽井沢ではアントニー・レーモンドの「夏の家」を観た.観てびっくりしたのは、2Fへの階段、ではないスロープのアプローチ。これ上野の西洋美術館の2Fへのスロープと全く同じで...と言っても、レーモンドは西洋美術館を作ったル・コルヴュジェを真似したことで知られた人だから当然だ。ついで教会も見て来た。それはいいが、この人アメリカの要求で、攘夷弾の効果を調べるべく、砂漠に建てた木造日本家屋を設計していたと言うから、何考えてたもんだか?。
○月○日 国学院大学の横浜たまプラザキャンパス内の図書館が使用中止出そうな。この図書館、鉄筋コンクリート5階建て、1992年3月に成ったものだが、何と耐震偽装の疑いが出て来たと言う。遠藤孝一一級建築士なる男が関わっている由。大体姉歯とか言う男なぞ、頭見ただけで偽装と直感出来そうなもんだが、この男の頭はどんな型値なのかな?。
○月○日 図書館に本の売り込みの電話が来るのは当然だが、その中に押し売りの最たるものがあって、これがどう言う訳か、一律部落問題ナントカとか北方領土問題ナントカだと名乗る。電話口に出ると、物凄いダミ声で、「私しゃあ北方領土ナントカと言う者でちょいと名の知られてる者だが、今回カクカクシカジカの本を出した。ついては一冊」と来るこの時、「予算がありませんからー」なぞと下手なこと言うと「オンドリャ」とまで言わないが「誰も図書館に買ってもらいたいなどと言っとらん。館長さんおぬしか個人の購入とはいかんのかい」とすごまれる。こう言う電話は受けた段階で断ればいいのだが、どう言う訳か、事務の方で「館長に』と回して来る。私はこの手の電話には相手が三言位言った所で「あー見計らいの本ですか当館では見計らいはしておりません、じゃ」とガチャンと切ることにしてた。
昨年も書籍販売の「トラストジャパン」なる会社が、北方領土問題の本を5万円で売るべく、そちこちを脅かして捕まった。この本の発行元は「政治経済新改革連合会」と「全国同和人権促進会」なる所だった。要注意要注意。そう言えば、新左翼系みたいな本を出していた「鹿砦社」の社長も、オドカシみたいなもので、つかまったと出ていたのは、昨年だったかな。
○月○日 4月末に防災週間と言うのがあるが、これに合わせて「ふくろう文庫』所蔵の「火消し風俗」の浮世絵80余枚を展示して、楽しみかたがた防災の大事さを訴えようとの計画を立てて目下消防署に連絡を取り終えたところ。場所は市民会館で、つまりは「第1回ふくろう文庫特別展in輪西」と言う訳。詳細は追って知らせるけれど、浮世絵の中にあって「消防絵」と呼ばれるこの分野の作品は、きっと見る人の目を楽しませるに違いない。乞う御期待日時は3月17・18・19・20の4日間