司書独言(78)

`08.2月寄稿

○月○日 過ぐる2月26日の「室民」によると、ダボス会議(世界経済フォーラム)での福田首相の講演が、“後向き”と各国から批判続出の由.この会議は、石原都知事が「この会議の意味合いと言うのは、私は余り感じません」と評するようなものらしいが、それなのに、副知事の猪瀬が飛行機のファーストクラスで同地に乗り込み、1,200万円の費用でレセプションを開き、総計3,300万を使った由。おまけに猪瀬、誰からも招聘されていなかった言うから、出しゃばりの見本みたいなものだ。

太宰の伝記を書いている中はいいとしても、何だか権力づいちゃってどうも分からぬ言動が多い.夕張市長に対しても妙に権柄づくにしゃべっているよな。まあ石原が側近として呼ぶくらいだからなんか知らん共通点があるんだろう。「ミカドの帝国」も今一つ不透明な所がある本だったなあ。

○月○日 「センタ―・フォー・パブリック・インテグリティー」なる組織は、米政府高官らの行動を調査報告するものだそうだが、その発表によると「イラクに大量破壊兵器」があると虚偽の発言をしたのは、ブッシュが260回、パウエル国防長官が256回の由.次にラムズヘルドの109回と来るから、この連中の「ならず者度」も予想通りと言う訳だ。

○月○日 小泉元首相の発案でアフリカの医学研究や医療活動に貢献した人に贈られる「野口英世アフリカ賞』なるものの賞金に充てる寄付金が集まらないので、政府は来年度予算案に関連経費として1億円を計上する由。「政府の事業なので手当する」がその理由。しかし首相個人の思い付きなのにこれでいいのかねえ.一人一億円の賞金と言うが、今集まったのは、小泉の退職金634万円をいれて、2,700万円だと言う.土台この賞の発想、小泉が語るには、アフリカへの政府専用機の部屋で「よく来てくれた』と野口博士の声が聞こえてくるような気がして思い付いたそうな。こうなるともはや、はやりのスピリチュアルだね。

○月○日 スピリチュアルと言えば、例のメタボ症候群の症例みたいな江原啓之が槍玉にあがり始めている.フジテレビでテレビ側の誤った事前調査を鵜呑みにしての御神託が間違ったらしい.放送倫理検証委員会にしろ、視聴者達にしろ、何を今更と馬鹿馬鹿しい.テレビ番組を見ると、美輪明広とこのメタボが例の余市のヤンキー先生を相手に、と出ていたが(1/26)、こうなると、サギ師3人の揃い踏みと言う所だ。

○月○日 地域連携授業と言うもので、苫小牧沼の端で5,6年生の生徒を相手に話をして、今年の子年の人間たる5年生には「鼠」の話をした。旭山動物園に行った人は?と訊くと全員で、じゃ、カピバラを見て来た人は?と訊くと、手が半分に減った。どうしてチュー意して見てこないんだろうと思ったが、それはともかく、椎名誠の紀行文によると、アマゾン河の岸辺を豚くらいの大きなネズミが走り回っていて、ーと成っている、因みにカピバラを中国では「水豚』と言うetc と教えて帰って来て直ぐに、「体重1トンのネズミ!?」なる見出しの記事が出た.ウルグアイで約200−400万年前の雄牛並みの巨大な体格のネズミの化石が出た由。これ迄は約800万年前の「フォベロス」なるネズミが700kgの体重で最大だったと言う.生徒達にはネズミ年をきっかけに新聞を丹念に読んでネズミの記事を集めてゴランと言って来たが気付いたかしらん。この記事、私は無論切り抜いて、「ネズミ」の本に挟み込んだ。

○月○日 案の定「新風社」がつぶれた。案の定と言うのは、この会社のやり方がどう見てもインチキくさかったからである。矢鱈と賞を設けては、佳作ダナンダと応募者を喜ばせた挙句、但し、本として売り出すにはまだ一寸足りない、しかし、貴方の費用で本を出すとならば、そのお手伝いは致しますよ、と言うのだから、これはかなり悪辣だ。なにしろ、貴方の費用を先に頂いておいて、...その中倒産と来たから、お金を出したものの、本は出ず仕舞となってしまった人が沢山いるからだ。

ところで、一昨年だったか、某がこの新風社から詩集を出した20代前半の青年を連れて来た。訊くと、この詩集、先述の如く新風社のナントカ賞の佳作になった由で、結局、自分のお金で新風社に本を作ってもらい〜となったものだった.読んでみると、何やら説教臭いエラソウな作品ばかりで、つまらないこと甚だしく、...で私は返したが、この某なんであれ、人の上に立ちたい性で、それ故「知らない」と言うセリフを吐いたためしがなく、何でも分かる顔をしている人間だったが、その時はしなくも、この作品の下らなささえ気付かぬのだと言うことが露われたのだった。この2人ヤレヤレであった。



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