第440回 敵菜収「おい 小池」 清武英利「石つぶて」

2022.11.04寄稿

2022年8月24日、稲盛和夫が死んだ。生まれは1932年,その人が書いた「生き方〜人間として一番大切なことー」が150万部突破したと広告に出ている。

又、「稲盛和夫ー一日一言ー」なる本も8万部突破とも出ている。一方朝日で、鷲田清一が書いている「折々のことば」でもこの人の「飛び石を打ってはなりません」なる言葉が紹介されて、「希代の経営者は悩める中小企業の経営者に語る」として、ベタ誉めだ。

私は「株」というものを只の一度もしたことがない男で、「経済」には甚だうとい人間だが、稲盛が創めたという京セラとKDDIとやらについても無知だ。しかしこんなにも「満点」をつけられている男について、そういえばと思い出した本がある.2009年11月に七つ森書店より出て,2018年に文庫化された佐高信の「日本の権力人脈〜パワーラインー1 」だ。その中に「財界の政権交代と稲盛和夫」がある。これを読めば稲盛の正体が分かる。その章の佐高の最後の部分だけ引いておく。「民主党支持者は,小沢、稲盛、船井、長嶋,そして統一協会(下線山下)のつながりを果たして知っているのか。」船井はカルト的男で稲盛の師、長嶋は例のジャイアンツ男。

序でだが、この本を最初に出した「七つ森書館」はスタッフがわずか5人の出版社で主に脱原発系の本を出している。このアリの様な出版社を気にくわないとする読売新聞社がこのアリを潰そうとした事件が2011年に起きた。これに触れたのが,清武英利と佐高の共著の「メディアの破壊者、読売新聞2 」だ。清武はかって読売の独裁者ナベツネに反して、巨人軍から追い出された男だと記憶している人も多かろう。

ところで、これ書いてる今日は11月4日、朔日、「文化の日」は図書館はやっていてその代わり今日は休みで在宅。今11時30分。私はテレビを見ないが、番組は見る。チャンネル⑧UHB、北海道文化の11時45分に「ポップUP!TV初公開!細木数子愛娘7億円占い御殿ー」とある。これで思い出したのが「安岡正篤」なる老人。今回最初にあげた作品の「日本の権力人脈」に「吉田茂初め、歴代総理が”老師”と呼び、官僚や経営者にも師事する者の多かった安岡は、彼らにとって精神安定剤(トランキライザー)、もしくは自己麻酔薬の役割を果した」と書かれる男だ。ところが、このインチキ爺を手玉に取ったのが(私の週刊誌による知識の記憶に違いなければ)、食わせ者の細木数子、この女テレビに出ると一回600万だったかで、その金で、テレビの帰路ホストクラブに行って、好みの男を買う〜etcと出ていたが、この肥満女が老師を丸め込んだ訳。細木にしてみればちょろい相手だったろう。呆れた女だ。

呆れた女と言えば杉田水脈もそうだ。山口敬之・元TBSワシントン支局長からレイプされたジャーナリストの伊藤詩織を「明らかに女として落ち度がありますよね」と言い、「慰安婦問題はつまり、国内の反日勢力によって捏造された問題とも言えるのです。」等々言ってきた女だ。それを岸田は総務省の政務官に任命した。(途中だが、岸田は山際の首を切ってから、わずか4日後にやるに事欠いて、今度はこのイケシャーシャー男をコロナな対策本部長に任命した。岸田の頭大丈夫か?)

杉田に戻る。杉田は「LGBTの人は子供を作らない。つまり”生産性がないのです」と言った。これを聞いたとき、私はそれを言うなら自分を引き上げた「アベ夫妻に先ず言えよ」と思ったものだが、それはさておきこの杉田の発言のどこがおかしいのかとして杉田をかばう爺さんがいる。「論語」学者の加地伸行がその人で、かばう文章が載っているのは「続 マスコミ偽善者列伝」。加地は杉田が言う「生産性がない」のは事実だ。それに対して「議員辞職を!」と言うのは「ファシズム」だとし、杉田は法的あるいは道徳的不祥事を犯した訳ではない〜云云とかばう。

間違ってほしくないが、私は加地の本を勧めているのではない。数出る本のなかにはこうゆう妙ちきりんな勧められない本もあるぞと言いたいだけだ。この本の帯を見れば、加地の傾向がよく分かる。序でに私が2019年に書いた文章を出しておく。これがでると、読者から次のごとき手紙が来た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、杉田は自分を指してのことであろうが、「女はよく嘘をつく」とも言っている。この言葉にぴったりの人間が誰かいたなと、考えて「あれだ」と思いついたのは、かの小池百合子。

アベと同じく小池は嘘をつきまくった。その嘘の固まりのような人生については既に石井妙子の「女帝、小池百合子3 」が充分すぎるほどに書いている。それがベストセラー的に読まれたから、ここには別の本を出す。横田一の「仮面、虚飾の女帝、小池百合子4 」だ。横田がいかなる人物かについては石井の本の370ページに書いてある。長いが引く。「小池は毎週金曜日の2時に記者会見をやるが、自分の嫌いな記者には質問させない。その嫌いなのが、横田だ。「フリージャーナリスト」の横田一は異質の存在だった。年齢も60歳近く、ねーネクタイで薄く茶色がかったサングラスをしており、いかにもひと昔の前の社会派ルポライター然としている。横田は毎回熱心に挙手するが、厳しい質問をするので小池に好かれず、当てられることは殆どなかった。稀に機会を得ると、大手新聞社の若手記者たちからは冷笑が漏れた」〜以下略。その横田が小池から、小池の性格を如実に表す「排除」の言質を引き出すというヒットを飛ばす。石井の本と横田の本を読んでもらいたい。

 


それにしても、アベ、小池、そして最近の山際と、平気の平気の平左衛門で嘘をつき続ける人間が引きも切らずとは如何なる訳だろう。寒心に絶えない状況にあって、アベ、小池、橋本らに言葉も鋭くダイレクトにいどむ本を出しておこう。適菜収の「おい、小池!ー女帝ファーストの正体ー5 」だ敵菜は本書の「終わりに」で言う。

「この四半世紀にわたり、バカを票田する政治家と、バカをリーダーと崇める有権者の強力なタッグが、政治システムを破壊し、日本を三流国に貶め。結局 ”こんな世の中になっちまった”」。

今回最初の方でジャイアンツを辞めて、ノンフィクション作家になった清武に触れたが、その清武が「機密費」にまつわる話を書いた本を足しておく。「石つぶて6 」だ。

機密費といえばあのスガが使いまくった金のことだ。読んでバカな国民の一員になることをさけよう

 

 

 

 

 

 

 

  1. 佐高信.日本の権力人脈.講談社+α(2018) []
  2. 清武英利.佐高の共著.メディアの破壊者、読売新聞.(2012) []
  3. 石井妙子.女帝、小池百合子 .文藝春秋(2020) []
  4. 横田一.仮面、虚飾の女帝、小池百合子.芙蓉社(2020) []
  5. 適菜収.おい、小池!ー女帝ファーストの正体ー.KKベストセラーズ(2017) []
  6. 清武英利.石つぶて.講談社文庫(2019) []

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