`92.1.20寄稿
子供の頃我が家では、仕付けをかねて、姉と二人で順ぐりに、ストーブ当番とか、階段掃除当番とかの役目があてられました。冬、朝まだき、家族が寝ている間に起き出して、寒さに縮(ちぢ)こまりながら、居間のストーブに火をつける仕事が、子供心にもつらくて、嫌いなものだった。証拠に、私が初めて作った俳句は「冬の朝ストーブ当番つらいかな」でした。「これが俳句かや」と兄が冷かしたそうですが、私にとっては、まぎれもない、生活句だったのでしょう。外の石炭庫から石炭出しも嫌いでしたが、それにひきかえ、線路の枕木を再利用しての焚き付け作りは、マサカリでパンパン割って行くのが面白くて、苦にはなりませんでした。
さて、雪国の生活に欠かせない暖房具としての石炭や薪のストーブについては。意外な事に今まで全くと言って良い程、文献がありませんでしたが、`86年にストーブの全てについて語ったいい本が出ました。冬の夜長に読んでみてはいかがですか。「ストーブ博物館1 」
- 新穗栄蔵.ストーブ博物館.北大図書刊行会(1986) [↩]