`91.12.20寄稿
私が嫌いな人間のタイプに、ツアーコンダクター(旅行添乗員)あがりの「旅行評論家」と称する連中がいます。彼らは、パック旅行を、自分の飯の種にしてきたにも関わらず、口を開くと「パック旅行は旅行のうちに入らない。もっと時間をかけなきゃ」てなことをのたまいます。しかし、欧米諸国のように、4〜6週間の長期の休みを取る事の出来る人間が、日本にどれほどいるでしょうか。
ま、それはさておき、パック旅行の考案者は、イギリスのトマスとジョン・メースンのクック親子です。彼らは、旅費と宿泊費を積み立てる方式で、1851年ロンドン大博覧会に客を組織します。これが大成功。それで2人は、1855年にはパリ万博博覧会にイギリスのお上りさんを大量に送り込みます。このトマス・クック社が横浜に進出して明治41年に朝日新聞と組んで企てた世界一周旅行が、日本のパック旅行の最初です。折しも年末年始のパック旅行のシーズンです。こんな話がたくさんのっている本はいかがですか。「観光の文化史1 」
- 中川浩一.観光の文化史.筑摩書房(1985) [↩]