‘97.5寄稿
今回は、身辺報告になってしまいますが、悪しからず!! そこで、本について、読書について、蘊蓄(うんちく=学問などの深い知識を傾けた井上ひさしの本を1冊紹介します。中に井上流の本の読み方十ヶ条がのっていますが、私と一番違うのは、書き込み、赤線引きの所で、私は一切本に書き込み、線を引くことはありません。専ら、記憶だけでやっています。これ以外は全く同感。
1997年(平成9年)5月10日(土曜日)「 室蘭民報 」(朝刊)
室蘭図書館副館長に山下さん
異例の民間人登用 「知」の楽しみ伝えたい
室蘭市は市立図書館の副館長に、室蘭工業大学付属図書館司書を三月で定年退職した山下敏明さん(60)=室蘭市白鳥台1-40-20=を採用する方針を、九日までに固めた。発令は六月一日付の予定。身分は嘱託職員だが、行政機関の要職ラインに”民間人”が起用されるのは異例。山下さんは昭和四十一年から今年三月末まで三十一年間、室工大付属図書館に勤務した。市民に開かれた館運営を心掛け、同館を市民開放したり、室蘭民報やNTTの街角FAXフレンズネット情報にも長く本の紹介記事を提供、各種集会での講演も多い。図書館司書のエキスパートとして道内外でも知られている。市では山下さんのこうした専門知識と経験を評価し、副館長として迎える方針を固めた。「これまで蓄えた専門ノウハウを生かし、図書館業務の改善などに手腕を発揮していただけるものと思う。さらに読書にかかわる家庭教育、生涯学習事業での活躍も期待している」(門馬一三四教育長)としている。民間からの人材登用については新宮市長が先の市議会で「庁内に活性かをもたらす効果もあり、登用に配慮したい」と答弁するなど、積極姿勢をみせていた。従来、各種相談員などにその道の専門家を採用するケースはあるが、行政の役職ラインに起用するのは極めて異例。市立図書館の運営をめぐっては、とかく市民からの批判が多く、専門職員の養成や人事配置での考慮をもとめる声が高まっていた。図書館業務の抜本改革など、「市民に親しまれる図書館づくり」の再構築を模索するなかで、今回の思い切った民間人登用となったものと思われる。六月から勤務することになった山下さんは「任にあまるとお断りしたが、ぜひにということでお受けすることにした。利用者から本のことで相談、質問されたとき、必ず何らかの形で答え、手ぶらでは帰さない運動を全職員で行っていきたい。図書館の”知の楽しみを市民のものにしていけるよう微力ながら尽くしたい」と語っている。
1997年(平成9年)5月8日(木曜日)「室蘭民報」(朝刊)
前室工大司書 山下敏明さん
読書のすすめ”発信”評価 第10回平林記念賞に輝く
室蘭地方の文化的活動などで優れた功績を収めた人に贈られる第10回平林記念賞に、前室蘭工業大学付属図書館司書の 山下敏明さん(60)=室蘭市白鳥台1-40-20=がこのほど選ばれた。室蘭民報の文化欄で「本の話」を掲載するなど、「読書のすすめ」を地域に”発信”し続けてきた努力などが評価された。山下さんは室蘭市出身。昭和41年に室蘭工大付属図書館に配属になり、以来30年間本を友として勤め上げ、今月3月末で定年退職した。この間、市民サービスにも力を入れ、本誌文化欄(毎週火曜日)の「本の話」は平成元年以来連載を続け、今年4月末で二百十二回を数えている。さらにNTTの街角FAXフレンズネット情報にも平成3年以来「あんな本こんな本」と題する本の話題を提供。各種団体、集まりでの講演も数多く、市民に本の世界と魅力を紹介し続けている。こうした長年の地道な実践活動が評価を受けての受賞。「驚きました。本が好きで、自分が面白かったものをほかの人にも読んでもらいたいというおせっかい心で行ってきた。そんな取り組みが受賞につながり、とても光栄」と山下さんは喜んでいる。同記念賞の選考委員は上田智夫委員長のほか、金丸義昭、駒木佐助、樋口游魚、田中佐一郎の各委員とスポンサーの平林正一さん。近く授賞式が行われ、賞状と副賞が贈られる。
1997年(平成9年)5月21日(水曜日)室蘭民報(朝刊)
晴れやか山下さん
喜びの平林記念賞 室蘭
室蘭地方の文化的活動などで優れた功績を収めた人に贈られる第十回平林記念賞の受賞式が、二十日午後一時からNHK室蘭放送局プラザで行われ、前室蘭図書館司書の山下敏明さん(60)=室蘭市白鳥台1-40-20=に賞状と副賞20万円が贈られた。同賞は1988年に創設された。平林正一氏から寄贈された一千万円を基金とし、五人の選考委員が毎年受賞者選考に当たっている。今回受賞した山下さんは、室蘭民報の文化欄で長く「本の話を連載するなど、「読書のすすめ」を地域に”発信”し続けてきた功績などが評価された。授賞式には上田智夫選考委員長と選考委員が出席。山下さんは「受賞と聞き驚きました。自分が読んで楽しいことをおせっかいながら市民にも薦めてきただけ。6月から市立図書館に勤務しますが、今後も楽しみを市民と共にしたい」と喜びを語っていた。
私事になりますが、前回ご挨拶申しあげましたように、本年3月で、定年退職となり、あとは読書三昧と呑気に構えていましたが、招かれて、6月より室蘭市立図書館で働くことになりました。室蘭工業大学に居た時同様、あらゆる質問に答える「参考業務」につくことになる筈です。この上は、聞かれたことが分からない時、聞かれた本がない時は、大いに口惜しがり、直ちに調べ、或いは揃えて、利用者が有形(本)無形(知識)のいずれであれ、手ぶらで帰ることのないように励むつもりです。よろしく、ご協力の程、願い上げます。尚「あんな本、こんな本」についての質問は、6月からは市立図書館の方に御寄せ下さい。