第115回 毒草とかぶれ

イヤハヤ、この7月は散々の体(てい)たらくでした。(体たらく=言いようもないひどいありさま)

どうしてかって? まあ、聞いて下さい。

庭に2台、野鳥の為に餌台をおいてあります。1台はプンゲンストウヒと錦木の間に、もう1台は朝鮮五葉松の下に。

この餌台の下に、シメやら、ヒナやらの為に置いたヒマワリの種が、いくつもこぼれて皆発芽しています。 それを、きれいに並べて…と思い、移しかえている時に、草にカブレテしまったのです。

初めは、アセモと思っていたのが、何やらおかしいので、病院に行って診てもらうと、これが ”草負け”。あっという間に、背中、腹、腕と広がり、水ぶくれまで出来てしまい、当の医者が「アリャリャ」とつぶやく始末。と言う訳で、この暑いのにみっともなくて、それに人様に不快な思いをさせては…と、半袖シャツをきることかなわず、ずーっと、長袖で過ごす羽目になったのです。

無念だったのは、7月初旬に胆振(いぶり)管内の公立図書館協議会が、伊達市から山のなかに入った北湯沢温泉であり、図書館のコンピューター化」について講演を頼まれたのはよしとして、その後、大好きな温泉に入れず仕舞だったことです。

これも言うならば野鳥のせいか?庭には、野鳥が落としていったものから生えたのであろう_や草が次から次へと芽を出して、こちらは葉をむしって来ては、例えば葉からでも冬芽からでもわかる仕掛けの「北海道樹木図鑑」など(佐藤孝夫著、亜璃西社 ¥2,800)に照らし合わせて調べているのですが、それにしてもこのうちの何にカブレタのかしらん。

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野鳥のおかげと言えばサンシュウも7株程育って来て、それに青虫がついています。

家内が剪定した枝に青虫をのっけたまま、近所のフキコちゃん(4才位?)にあげました。

さて、我が家に残したのがナント、今朝蝶となって舞い立ちました。早速、「北海道の蝶」で調べてみると、どうも「〜サンショウ」で発生していることが多い。〜」と書かれている「アゲハ」のようです。私が出勤したあと、三輪車を乗りまわしているフキコちゃんに、家内が「青虫どうなった?」と聞くと、「ウン、飛んで行ったよ」と答えた。と言いますから、そちらも無事育ったらしい。②2

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チョウを呼ぶ庭にするためには、卵を産むためのサンショウ、ミカン、カラタチなどが必要だ、と本に書いてあったのを思い出して、気をよくしているところです。

さて、蝶が舞たったあと、次に首を長くして待っているのは、「ダチュラ」の開花です。「ダチュラ」とは「チョウセンアサガオ」です。今日の朝刊にはその「ダチュラ」についての文章がのっていて、

「最初の花が咲く前の5月に〜」などと書いてありますが、自然条件のきびしい私の庭では、まだまだ葉っぱだけで、花の気配など、これっぽっちもありません。早く咲かないかなと思いつつ、手にしているのが「毒草の誘惑」です。それには、「ダチュラ」の英語名はマッドアップル(=気狂いリンゴ)と言うとあり、花や葉のみならず茎や根、種、すべてに毒性がある…と出ています。③3)

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何でも300年程前、アメリカはヴァージニア州の半島にジェームスタウンなる町があって、飢饉(ききん)の際に、駐屯(ちゅうとん)していた兵士たちが、これを毒草と知らずに食べ、喉(のど)の渇きと、けいれんと昏睡におそわれて死んでいったそうで、以来ジェームスタウンの町にひっかけて、この花を「ジムソンウィード」(=ジェームスタウンの草)と呼ぶ…とも書いてあります。

この本に出てくる毒草で、我が庭にあるもの…は、フクジュソウ、トリカブト、スズラン、アセビ、イチイなどで…これは、これは気をつけなくちゃ。

もう一つ待っているのは、オオウバユリの根を掘りに行くことです。先日、洞爺湖畔に近い山のなかで、沢山咲いているのを見付けたのです。

旭川あたりでは、掘り採り時期としては7月10日頃がよい、と「アイヌと植物」に出

ています。今からでも遅くはない、と言うところですが、又々「草カブレ」にならないかしら

ん、と心配です。④4

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さて、会社や学校も、もう直ぐ夏休み、大いに本を読みましょう、お互い刺戦しあいましょう。…の気持で、たまっている本の中から、私が近々読もうと思っているものを、いくつか並べてみます。

・仏レジスタンスの真実−神話、伝説、タブーの終わり−/アルベール、シャンボン福本磬二郎訳/河出書房新社/¥2,266⑤ (( アルベール、シャンボン福本磬二郎訳.仏レジスタンスの真実−神話、伝説、タブーの終わり−河出書房新社(

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・リヨンで見た虹−映画をひっさげてきた男、 畑

勝太郎評伝/岡田清治/日刊工業新聞社¥1,800

・驚くべきショスタユーヴィチ/ソフィヤ、ヘーントワ/

畠山郁夫訳/  書房/¥5,356

  1. 佐藤孝夫.北海道樹木図鑑.亜璃西社(2003) []
  2. 永盛 俊行、坪内 純、 辻 規男. 北海道の蝶.北海道新聞社 (1998) []
  3. 植松 黎.毒草の誘惑.講談社 (1997) []
  4. 福岡 イト子 佐藤 寿子. アイヌと植物.草風館 (1995) []

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