`99.12.8寄稿(木)
今年の夏(だったか)、男女参賀がどうのこうので、「上野千鶴子」を招んで基調講演をさせ、そのあと、男1人、女2人の3人でパネルディス
カッションをすると言う集まりがあった。その男1人に選ばれて、講師控室で待っている時に、幹事が、上野に、私を紹介して、「この人は、室蘭工業大学にいた人です」と言った。すると、上野は「あら、室蘭に大学があるんですか。それは市立、私立?」と聞いた。私は「いや、東大と同じく、国立大学です」と答えた・・・が・・・。
昔、学生運動全盛の頃、東大の五月際に、橋本治(だったか)描く、背中一面に刺青(いれずみ)をした青年のうしろ姿の横に「止めてくれるなおっかさん」なる文句を入れたポスターが貼られ評判になったことがあったが、その調子でいくと、私が上野に言いたかったのは、「言ってくれるぜ、おっかさん」であった(かも知れない)。
そちゃ、京都大学を出て、東大の先生となり、時には異国のナントヤラ大学の客員教授もつとめると云う、上野にしてみれば、「室蘭工業大学」なる名前は関心の内に入ってはいなかろうが、それにしても・・・ではなかろうか。
東大と言えば、先日、東大生と外国人が討論する番組がテレヴィであって、東大生の一人が、「我々は青春を儀牲にして、猛勉強をして、受験闘争に打ちかってきた。こうして東大生となったからには、あとは、高級官僚となり、ついで天くだりして、つまりは良い地位につき、高い収入を得立派な家に住むと言うことに決まっているのであって、それが出来ない連中がゴタゴタ言ってもどうにもならぬのだ」という様なことを発言してたと、友人がテレヴィのない私に教えてくれた。
てなところへ今度はナント「お受験殺人」だ。識者がよってたかって解説しているが、そんな必要があるのだろうか。「トーダイから来って?どこの灯台?地球岬?御前崎?」位の気持ちでいた方が、私は世の中平和だと思うのだが、どんなもんじゃろ。
それにしても「学歴」なる不可解なものについて、いささか知っておくことに越したことはない。「学歴貴族の栄光と挫折1 」をすすめるのはそうした意味からだ。
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と言うものの、存在を疑われた「室工大」の学生も、もうちょっくらしゃきっとした方がいいのではないかしらん。11月30日付、「室蘭民報」の記事によ
ると、3年生時に、授業時間以外に、1日平均どのくらい勉強をしているかの設問に「ゼロ」と解答したのが、42.6%もいて、あげく授業が「分かりにくい」と「全然分からない」が合わせると40%弱だった(当たり前だ)と言うのでは、何をか言わんやということになろうではないか。
と口惜しがってやっても始まらぬから、新築なった室蘭劇場に行って、「エリザベス」を観て来た余計な話だが、「室蘭劇場」を聞いた藤社長は私が栄高校生の時に英語を習った藤先生の息子さんだ立派なことをしてくれたものだ。
さて、「エリザベス」面白かったなあ、政権をにぎるためあの手この手・・・もっとも、堀田善衛流に言えば、この「国王」なる政権亡者共は、エリザベスだのフェリーペだのと個人別にすることはないので、ヨーロッパ史の時代順に1号、2号、3号、でいい、と言うことになるが・・・。
この「エリザベス」の母親「アン、ゴーリン」は両足の指の数が、6本。お乳が3角型の型に3つあった・・・と言う変った人だった。てなことを、昔、ロンドン塔でガイドに言ったら知らなかった。
他にもしらないことがいくつかあったのをみると、不勉強でも通るとはで、ガイド業は「司書」より楽な仕事かも知れぬ。まあ、エリザベス朝の裏会社を読んでから映画に行くもよし、観てから読むもよし・・・で、ついでに「恋におちたシェークスピア」も観るといい。
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小学生の頃、小公園で、ヤマガラの「おみくじ引き」を見ていたら、何におどろいたのか、ヤマガラがにげて「京極」の前の電線にとまって戻ってこない、懸命に呼ぶヤマガラ使いが気の毒だったが、子供心に、どんな風に仕付けるのかと不思議でならなかったが、その芸の秘密を明かす本が出た。面白くて、ありがたい本だ。 「ヤマガラの芸2 」この本読んでから、我が庭に来るヤマガラの動作が面白くてならぬ。
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図書館の隣の「白石合幼稚園」に通う美咲(この字でいいのかな)ちゃんが、母親と一緒に「どうして図書館にフクロウがあるの」と聞きに来てから、今度は一人で来るようになて、先日は10cm丈程のみみずく(陶器)をプレゼントしてくれた。
美咲ちゃんにフクロウは学問の象徴と言ってから学問てわかる?象徴てわかる?・・・と聞いておれも駄目だった。「お勉強の神様」と言えばいいのかな。美咲ちゃんが早くこんな本を読めるように、と祈る。
次回は12月24日(金)とします。 99.12.8(木)