`00.11.30寄稿
大分前になるが、「あんな本・こんな本」で新穗栄蔵著「ふんどしの話』(JABB出版)を取り上げたことがある。新穗さんは、千歳市在住の矍鑠(かくしゃく=年老いても丈夫かつ元気なこと)たる御老人で、ナニシロ、ベルリンだかで開かれた水泳大会にも「赤褌」で出場し、ナントカ級で第一位金に輝く(と言っても出場者は他にいなかったいううが、)実績を持った人で、その身につけた「赤褌」が、外国の審査員の間で問題になったときも「これは日本の伝統水泳着であると押し切ったひとだ
その新穗さん以来、久しぶりに「褌」の本がでた。このテーマでは、福富織部の「褌』なる古典があるが、これは、入手がむずかしい。
福富についても、従来、経歴その他がよく分からなかったのが佐藤清彦が調べて「おなら考1 」にのせていた(筈だ)
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さてこの本は「褌ものがたり2 」新穗本に比べて中味が濃くて読みがいがある。中でも私は時代劇映画の中の褌について語った「芝居の中の褌」の個所を大いに楽しんだ。
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例にあげられた時代劇は「板妻」に始まって「美空ひばり」までおおよそ25.6本。チャンバラシーンで着物は裾が大きく開いた時に見える越中褌の美しさについて、筆者は熱を込めて話す。がそう言う人だから、NHKの「お江戸でござる」に榎本孝明扮する侍が、パンツ姿で出るのにおどろ器、かつ又、お江戸専門家(?)の杉浦日向子がこれについて何も言わぬのに失望する。著者によれば、侍.浪人.町人.やくざ,,,全てが褌でなくてはならず「木股」と呼ばれる白いパンツは江戸時代には存在しなかったからだ。
と言う訳でこの好著面白くて、ブリーフなぞと言う○○○○の発育を阻害するものをはいている若造連中にも、向いている本だ(と思う)。
「ちちんぷいぷい3 」はおそらく誰でも知っている「まじない」だが、この本を読んでいたら、出産、安産のまじないとして、栃木では「妊婦の腹帯には夫の六尺褌がよい」と言うし、又長野の信濃町では、「男の褌の端を切って飲めばお産は軽い』と言うとある。
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矢張り、ブリーフではこうは行かぬ。ブリーフで思い出したが、以前女のパンティを頭にかぶって、「バルタン星人」のマネをして、女から愛想ずかれされたウスラトンマな男の話が、女性週刊誌「○○○○」に出ていたが,世の中様々だ。話が横にそれたが、「ちちんぷいぷい』を読んでいて、一つ気がついた「褌ものがたり」の欠けたる点,,,それは「祭り」と「褌」については触れているが、「まじない』にも使われている程の「褌」についての「民族学的」な視点が少ないな。
それにしても、画一化が進む一方と言う時代、昔から「まじない」を使って多種多様に、と言うことは、他人様とは違ったやり方で、生活の色々な局面を面白がりながらやりすがす,,,と言うようなことも、このストレスばやりの時代にはいいのではないかしらん。
顔や身体付と同じで、声ももって生まれたものだから、どうこう言っても仕様のないことだが,,,と言ってもやはり嫌な声とか、薄気味悪い声とかはどうしてもあるもので,,,。
私にとって今一番不愉,,,否不快なのは、あの元首相なる橋本ナントカ氏。私思うに,あれ程にインチキ臭い声と言うものが,他にあるだろうか。「おためごかし」の「猫撫声」とはあー言う声を言うのではないかしらん。あの声だけで聴のみならず私の五感全体がザワツーとして私の五官全体が拒否反応をおこす。
私の隣人夫婦は、詩人「塚本邦雄」の話声を聞いて、総身粟立ったと言っとった。
さて、ここに「賢治の音楽室4 」が出た。宮澤賢治作詞作曲の全作品を、林光が編曲、指揮、詩と童話は詩人の吉増剛造が朗読し,一枚のCDに収めて本と一緒にしたもの。この吉増の声が、とても剛造なる名前から予想されるものとはエライ違いだ。これはミスキャストではあるまいか??
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とは言え、初めて耳にする賢治の音楽は耳に,,,イヤ聴の価値はある「宮澤賢治の音楽5 」と合わせて読むと、聴くと面白い。顔に似合わぬ声と言えば東大→日銀→の小椋ナントカの声も私には理解出来ぬ。
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