`02.4月30日寄稿
世の中に泥棒(ぬすっと)の種は尽きまじ。..ではないが,イヤハヤ、世の中に驚きの種も尽きまじだ...とつくづく思わせられた。何の事って?イヤネ、台湾の前総統.李登輝(りとうき)のこと...なんだけどね...台湾の週刊誌「一週刊』と言うのと,中国時報紙、それに香港の「星島日報紙」合わせて紙が先日一勢に李登輝が実に35億台湾元(邦貨にして130億円)を使って,対日対米の買収工作をしていたと発表したんだ。
それによると,日本で相手に選ばれたのは「自民党の極右派が中心,橋本竜太郎は首相を辞任したあとに加わった」云々「又「元自衛隊北部方面の指揮官で現在、帝京大学教授志方俊之氏も一員である」と。
更に又、「秋山昌広元防衛事務次官に対しては〜日米安保、日台関係への貢献に感謝して〜学位と経歴を取得する事で、学者専門家の身分で再び台湾に協力するように、2年間のアメリカ・ハーバード大学留学の手筈を整えて、その費用戸して、10万米ドルを援助した〜」云々
或いは又、李登輝は、年末の贈り物をするために「〜日本の習慣に従いお歳暮は台湾特産の食品を主とし、別に商品券を贈る.商品券は一任2,000米ドル、特別な身分の橋本元首相は10,000米ドルとする」云々
まあ、切りがないので、この辺で引くのは止すが、これらを読みつつ、私の頭に直ぐに浮かんできたのはかの司馬遼太郎だ.司馬がこれらの記事を読んだらどうするだろう。と言うのが私が言いたい感想だ。
どうしてだって??、何故って、司馬は名シリーズ「街道をゆく」の40巻目「台湾紀行」の中で、この李登輝を、彼流のさわやかきわまる筆致で、実に「精廉=精錬」そのもの人格者として描いているからだ。司馬の名文を通して人はまぎれもなく、ここに1人の「清士」がいると感ずる。それが如上のていたらくとはどうだろう!!となる訳だが、この人物の設定(とらえかた)はひょっとすると司馬の史観のなせるわざかもしれぬ。つまり、一個の英雄を史上からすくいあげてその一個を論ずることによって...と言う。半藤一利はNHKの「人間大学』の講座のテキストで司馬と松本清張との違いを論じたが、それを、私なりにまとめると、「一将功なって、万骨枯る」、つまり、1人の将軍が功名を立て得たのは、幾万の兵が屍体を戦場にさらした結果であると言うことばがあるが、その一将を専らとりあげ描くのが、司馬で、屍(しかばね)をさらすしかない万骨を描くのが、清張と言うことになろうか。
司馬は英雄を描き、清張は我ら、名もなき庶民を描く。もっとも、そうとも言ってられない場合もあって、かって、清張が、キューバ訪問記を書いた時に、庶民的無類派と言うべき竹中労がかみついたことがある。
反権の魂、竹中が言うには、いくら、カストロ首相に招待されたか知らんが、そのカストロが決めたお仕着せのコースばかり見て来るとは、清張らしくにあじゃないか、どうして、もっと自分の目と、足で裏町をのぞいてこないんだというようなことだったが...これは確かにそうだ。
ところで、司馬は又「峠で」で河井継之助の生き方をたたえたが、「義に生き義に死なん」として朝敵となった河井本人はそれでよしとして、河井のおかげで、まあ単的に言うと、長岡の人々は塗炭の苦しみを舐めた訳で、...長岡藩の人々にとっては、継之助は英雄でも何でもないのであって、まあ言うなれば、傍迷惑な疫病神みたいなもんだった。
長岡を訪れた司馬が、その辺の感情事情を地元の人から聞かされて、司馬が“ばつの悪い顔”をしてた、と半藤一利は書いているが、司馬にとっては、思いもよらぬことだったに違いない。この河井に対する、司馬と地元の差ないしは食い違いもやはり、司馬の史観に原因があると、私にはおもわれる。
「書斎の文化史1 」
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「私の書斎2 」
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さて、話が固い方に行っちゃたが、本当は書斎について、書く筈だった、と言うのは、先日、東大阪に出来たと言っても.司馬宅の後にと言うことだが、「司馬記念館』に行って、その書斎を庭に立って、ガラス越しに又は4万冊の蔵書の中2万冊を開陳したと言う新条の書庫を見て来たからだ。
書庫の方は11mの高さに30段の本棚を作りつけ、と言う大掛かりな者で、これは、中々に壮観だった...とは言って
、ここには,司馬が使った辞、事典類他は、資料が主で、司馬自身の読書傾向が分かると言う仕組みにはなってなかった。「台湾紀行3 」
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てな訳で、所蔵の冊数の多少にかかわらず、書斎に関心のある方は、これらの本をどうぞ。
あー、それから、この「あんな本〜こんな本」でとりあげる本は、全て私個人の蔵書のからぬいているものであって、図書館にある本ではないので、その点ご了承の程を!!
「書斎4 」
「書斎5 」
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