第409回(ひまわりno225) 疫病と人間の文化誌、感染症危機への備えを

2020.3.3寄稿

今日は2020年3月3日(火)。コロナの真最中で、あれよあれよと言う間に北海道が患者の数等で妙な事に一位に成ってしまった。

コロナが流行りだしたから、「あんな本、こんな本」のテーマは「疫病」で行こうときめていたから、もう少し情勢が落ち着いてからと思わぬでもないが、今の中に書き残しておかないと人々が忘れてしまうことを恐れて、アトランダムにつまり、時系列と言うようなことは無視して報道されたことだけを記録しておくことにした。何を記録しておきたいのかと言えば、この未曾有の災害の最中に、安倍政権につらなる面々がとった非常識で、非論理的な行動の数々だ。アトランダムだから、日付も名前も順不同だ。読者の誰もが既に知っていることであろうけれども忘れないために書いておく。①2月16日に新型コロナウイルス感染症対策本部の第10回目の会合があったが、環境相の小泉進次郎は自分の講演会の新年会に出席していた。後援会は横須賀。②法相の森雅子も同日地元の書道展の表彰式に出ていた。③ 文部科学相の萩生田光一もこれまた同日、地元の消防団団長の叙勲祝賀会に出ていた。④ 2月26日には首相補佐官なる秋葉賢也が政治資金パーティを開いていた。立食パーティだった由。これについては24日に、コロナウイルス感染症対策専門家会議の副座長の尾見茂の「立食パーティや飲み会などはなるべく避けてほしい」との発言を全く無視した事になる訳だ.。⑤2月25日杉田水脈(衆議)も立食パーティ式で政治資金パーティーを開いていた。杉田は1月22日、選択的夫婦別姓について質問していた玉木雄一郎(国民)に「だったら結婚したくていい」と野次をとばした女。このあと廊下で記者団に問い詰められるとケータイがかかってきた振り(エア電話と言うらしい)をして逃げた。杉田は前にも「LGBT」(レズ、ゲイ他)には「生産性がない」などと問題発言をした。そういう意味では「札付き」の差別主義者だ。この櫻井よし子に引き立てられた杉田の会には経済再生相の西村康稔、地方創生相の北村誠吾、科学技術相の竹本直一も出ていた。北村は国会での答弁があやふやで、「そのおかげで有名になりました」などとふざけた発言をしている爺様だ。閣僚たちがこれだからもちろん安倍も負けてはいない。コロナ肺炎が「指定感染症」とされた2月1日から25日までの間、例えば2月7日にはホテルオークラの鉄板焼き屋であの元防衛相の稲田明美他と会食。この稲田とは北海道で小学生の感染が判明した2月21日にも東京プリンスタワーの中国料理店で稲田のハッピーバースディをやっている。2月17日にはダイヤモンド・プリンセス号の乗客有志が早く検査して早く降ろしてくれとの要請書を公表したが、そんなものはどこ吹く風、この日も安倍はタマホームの社長らと公邸で会食。これをまとめると2月1日から25日まで区切っても、安倍の飲み食いは実に11回。我々には要望だとして、食うな、飲むな、歌うなと言っておきなが、本人及びお友達連中はこのざまだ。

乗客らの緊急要請書の⑥項目には「そもそも今回の政府による隔離対策は、船内での感染拡大を防げていないばかりか、感染していない健康な乗客の感染及び疾病のリスクを高めるなど、重大な欠陥を有しています。感染の拡大にいたった責任の所在を明らかにし、国民に説明する事を求めます」とある。これに対して、スエーデンの研究チームも「船内の感染率は、中国の最悪の感染地域で見られるより約4倍高かった」と指摘されている。また一斉の臨時休校に対しても米国のニューヨーク・タイムズが、この動きは「東京五輪、パラオリンピク中止の懸念が浮上する中、安倍晋三首相が指導力発揮に躍起になった」結果と本質をついている。

もう一つ、厚労省は440の公立、公的病院の再編を目論んでいるが、コロナが起きなくても素人でもわかるのは病床を減らすなんてことをやるべきではないということ。私の知り合いも、つい最近市立病院からベットが足りないからと出されてきた。室蘭にコロナ患者がいない現在でさえベットが足りないと言うのでは、もし患者が出たらどうするのだろう。

北海道ではこの統廃合問題で全国最多の54病院が対象とされた地区だ。当市は統廃合を「諾」としているからこの54には入っていない。日本医師会の横倉義武会長でさえが公立病院の再編統合を批判しているのを思えば、政府のこの乱暴な施策に市が唯々諾々として従うことが正しいかどうか。とにもかくにもコロナが発生した。その中で安倍一党がとった不道徳な態度の諸々をしかと記憶しておきたい。

そこで、今まで読んできた病と死についての本の中からいつものごとく4冊出して、それを読み返すことでコロナに対して冷静に向き合いたい。その①は伝染病を仲立ちとして世界の歴史を描いた興味津々(しんしん)のフレデリック・F・カートライトの「歴史を変えた病1

、その②は中世よロッパに発生して当時の人口1/4を死においやったペストについて書いた蔵持不三也の「ペスト文化誌2 」その③は江戸時代の日本人が痘瘡、梅毒、結核,コレラetcと如何に闘ったかを描いた立川昭二の「江戸病草子3 」、その④は医療と死に就て語った波平恵美子の「病と死の文化4 」。

 

 

省みれば、2014年後半にエボラ出血熱が世界を緊張させた時ザンビアに行ったウイルス学の押谷仁が帰国後色々語った中で「〜そもそも多くの都道府県や政府の司令塔となる内閣官房、そして厚生労働省に専門的知識や感染危機管理の経験のある人材が十分にいない。こうした心細い現状の改善から検討せねばなりません。」と結論した。それから5年、現状はちっとも改善されていないのではないか。マラリアもペストもチフスもまだ消えていない。日本では梅毒も結核も絶滅となっていない。それを思いこれを思うと、アメリカ基地に金を出し、戦闘機を瀑買いし、イージスアショアに金を使い、カジノに税金をバラマキ、河合杏里に1億5千万円をだしと…..この中の何割かでも今回のような「国難」へそなえに廻していれば何ほど事態は変わっていたろうか・・・・とも言いたい位だ。悪政としか言い様がない。どうして国民はもっと怒らないのか!!

「あんな本・こんな本」のバックナンバーは

http://t-yamashita.info/    を見てください

 

  1. フレデリック・F・カートライト.歴史を変えた病.法政大学出版局(2018) []
  2. 蔵持不三也.ペスト文化誌.朝日選書(1995) []
  3. 立川昭二.江戸病草子.ちくま学芸文庫(1998) []
  4. 波平恵美子.病と死の文化.朝日選書(1990) []

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