`01・7月18日寄稿
大江健三郎の語るところによると、彼は10才の時に、マーク・トウェインの「ハックルベリィ・フインの冒険」を読んで感動し、「自分の生き方は‘よし、 地獄に行こう’というやり方にしようと思った。」そうだ。
この所を一寸説明すると、小説の中で、ハックは逃亡奴隷の黒人ジムと行を共にするのだが、この当時(1840年頃)は、アメリカで奴隷制度が健在で(と 言うのも変だが)、奴隷が逃亡することと、逃亡した奴隷を助けることは、共に違法であった。 続きを読む 第185回 ハックルベリィ・フインの冒険