`931.14寄稿
1987年中旬に長野に旅した時のことです。「碌山(ろくざん)美術館」を観たあと、穂高駅に戻ってくる道筋の電信柱に、「ケーて、コルヴィッツ展」と新聞紙大の張り紙があるのに気付きました。 続きを読む 第026回 反骨の人「鈴木東民の生涯」
`931.14寄稿
1987年中旬に長野に旅した時のことです。「碌山(ろくざん)美術館」を観たあと、穂高駅に戻ってくる道筋の電信柱に、「ケーて、コルヴィッツ展」と新聞紙大の張り紙があるのに気付きました。 続きを読む 第026回 反骨の人「鈴木東民の生涯」
`92.12.24寄稿
『かつての国民的教材「最後の授業」が`89年を境に、教科書から全く姿を消してしまった。一体何が起こったのか?』と言う、実に読むもの興味をそそってやまぬ文句を、帯にのせた本が出ました。 続きを読む 第025回 消えた「最後の授業」
`92.12.2寄稿
十二月に入ると私は納戸から額を一つ出して、居間の壁にかけます。中味は藍染の地に、白抜きで
「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ次郎の屋根に雪ふりつむ」の二行詩。
言わずと知れた三好達治の名詩「雪」です。字も達治によるもので、十四、五年前に秋田県角館に行った折、達治が好きと言う、喫茶店の女主人から、譲り受けたものです。 続きを読む 第024回 雪の文化史と言える2冊
`11.1.15寄稿
松たか子主演の「告白」なるDVDを観た。観たはいいが、その全編をおおう「おぞましさ」にウンザリ。天才を自認する中学生男子が、己の天才を、自分を捨てた母親及び社会に誇示して、もって己の存在感を確かな物とすべく、彼が魯鈍(ろどん=おろかでにぶいこと)と看做すクラスメートの男児を誘って、担任女教師の幼女を殺してみせる。この2人が自分の子供の殺害者だと知った女担任はこの2人の中学男子に、エイズ患者の血液を入れた牛乳(ヨーグルト?)を吞ませ...と筋は進んで行って、結果、女担任は復讐を成し遂げる。 続きを読む 第305回 明治のミステリー小説と当代のミステリー