司書独言(115)

○月○日 私は今年、北海道新聞から頼まれて「私の新聞評」なる欄を、年3回書く事になって、最初が4月5日付けだ。たった1,000字なので思うように書けぬので、そこで取上げた「天罰」をここで詳しく書く。石原知事は在任12年間で判明している28回の海外出張だけでも4億6千万円余の税金を使った由.なにしろ航空機はファーストクラス、夫婦2人で一泊24万3000円のスイートルームに泊るのだから、本人はたまらないだろう。こんな男が言うに事欠いて「日本人のアイディンティティは我欲、物欲、金銭欲だよ」とのたもうて、あろうことか今回の「津波をうまく利用して我欲を洗い落とす」と延べ「天罰」だとしめくくった。「天罰」とは悪いことをしたら天の罰を受けますよ、と言うことだが、今回の地震・津波で亡くなった無垢の人達が何を悪い事をしたと言うのか。犠牲者を愚弄する余りにも不用意な発言だ。あとでいろいろいい訳して謝罪したそうだが、後で謝らなければならないようなことは最初から言うな!!

○月○日 天罰が標的にしてよさそうな馬鹿がもう1人いる。国全体で節電だ、と覚悟を決めている時に、選手会の反対を押し切って「〜選手が命がけでプレーすれば〜」なぞと、見当違いの意見を吐いて開幕を主張した「金と権力の亡者」、渡辺恒雄なる巨人の会長.東京ドームの試合には1日6万キロワットの電力を使う由。これは一般家庭約64万世帯分に相当する量だそうな。なにしろこの威張屋、昔、プロ野球のストの時、「〜選手ごときの分際で〜」なる暴言を吐いた馬鹿ではなかったか。

○月○日 もう1人天罰が下りそうなのがいるぞ。原発が「津波に耐えている事はすばらしい」と言い、更に「原子力行政はもっと胸をはるべきだ」と変に力んでみせた脳天気の米倉博正日本経団連会長.そう思っているなら、そろそろ引退の歳であろうから、東電の会長らを引き連れて原発の隣でも隠居してみたら!?きっと毎日快適!と深呼吸して胸を張っていられるのではないか。

○月○日 行政書士が商売で「家系図」を作るのが流行っているそうな。表装したものは1点百万円で売れると言うから、止めらないだろうな。ところが、昨年の暮れ、行政書士の資格がないのにこの商売に手を出した、とて介護士の男が一旦は有罪となった、が、しかし、その家系図は、観賞、記念目的で作られたものだから、別に資格がなくても作るには問題がない、と最高裁で無罪になった。当たり前だ。当たり前だが私にはこの家系図を作ろうと思う気持ちがよく分からない.他人は知らず.私は自分の先祖だの親類だのに全く興味がない.よしんば一族の中に世間が偉いと思っている人がいたとしても、それはその人が偉いのであって当方が偉いのではない.私は私であって....土台、北海道にいる人間が伊達の殿様なんてのは別だろうが、碌なものがいる筈がない。

○月○日 どこの馬の骨?と思っていたのが、もうちょいましだ、と分かっても、だから何の?と私は思うが、無罪放免されたこの介護士、「家系図販売業を再開したい」と言っているところをみると、つまりは客はある訳で、私流でないのが沢山いると言うことだ。そこで、何が何でも私の先祖は、と頑張りたい向きに勧めたい本がある.日置昌一の「日本系譜綜覧」なる千頁余のの本だ(講談社学術文庫/¥2,000)。貴族.武家、学者.芸術家と何でもござれだから、自分の一族一党を好きな所に当てはめて、つなぎ合わせれば、絢爛たる系図の一丁仕上がりだ。

○月○にち いわゆるグラマー女優のジェーン・ラッセルが死んだ。89歳。「ならず者」での胸をはだけたポーズは有名だが、演技は駄目で、「紳士は金髪がお好き」の時は、体格はモンローより一回り大きかったが、色気と演技と踊りにかけてはモンローの一回り下だった.とは言えまあ、なつかしい。

○月○日 中央アジアのキルギスにある4,500m級の無名の山に「ウラジミール・プーチン峰」と名付けようとの法案が出た由.既に「レーニン峰7,134m」もエリツィン峰5,000m」もあると言う。まあやるもんだ、とほとほと感心するが、レニングラードが「サンクト・ペテルブルグ」に「ゴーリキー」だったのが「ニジニ・ノブ・ゴロト」と旧称に戻るのが歴史の常だから、いつまでもつやら。それよりレーニンやエリツィンより低い山だと言うことで、プーチンが怒って、この話しご破算になるかもな。

○月○日 「好きじゃねえんだ、パンダって」と石原都知事が渋ったパンダが来るには来たが、借り賃が年約7,8,00万円.これ死んだら大変だぞ。神戸市立王子動物園で去年9月に雄が事故死(?)してこれの補償金というかお詫び金と言うか、が約4,000万円。おまけに赤ちゃんが生まれても2年経ったら中国に返さなきゃならん、と言うのも日本には繁殖の相手がいないからだ、そうな.パンダの一日の食費は1頭約12,000円。飼育係の身になったらと思うと...。

○月○日 国立国会図書館に外務省から出向している専門調査員なるものが、国会議員に調査を依頼された事項やら、読んだ本の内容やリストを報告してた、つまりスパイ行為をしてたと言うことが2月の末に明るみに出た.北方領土ではロシア側の動きを事前に掴めず、てな有様なのに、何を余計な事をしているのか.自分で自分の首を締めている行為だと思わぬのか??

第031回 鳥獣採集家 折居彪二朗

`93.4.1寄稿

私が住んでいる室蘭市には,昭和20年来の歴史を持つ地元紙「室蘭民報」があります。全国に数ある地方紙の中で,朝刊,夕刊と日に2回出すのは、この新聞だけです。 続きを読む 第031回 鳥獣採集家 折居彪二朗

司書独言(114)

○月○日 ノートパソコンを使っていた男が疲れたのか、パソコンの上に突っ伏して寝てしまい、それも4、5時間と長くて、気付いてみたら右頬に全治30日を越す火傷を負っていた、と言う事件が長野で起きた。新たな現代病か??? 続きを読む 司書独言(114)

第030回 函館の長谷川傑物4兄弟

`93.3.17寄稿

「あるひわたしたちがばんごはんをたべていると。〜」と、女の子が語り出します.何でも、片方の目がつぶれた、だけどとっても立派な「猫」が入って来た....と言うのです。女の子のお父さんは、この猫に「タンゲくん」という名前をつけたそうです。この猫は、一体いずくより来たり、いずこへ行かんとするのか???いやー、面白い!! 続きを読む 第030回 函館の長谷川傑物4兄弟

司書独言(112)「一冊の本が次読む本を呼ぶ」


○月○日 拙著「本の話・続」が室蘭民報社の高橋結香記者の仲立ちで、主婦の友社発行の雑誌2誌に紹介された。結香記者には申し訳ないが、私はこの2誌共に知らなかった。一つは「mina(ミーナ)」の2011年2月号で、これは表紙に榮倉奈々が出ている所をみると20代〜30代、いやひょっとして10代向けの雑誌かも知れぬ。もう一つの表紙は五月みどりで「ゆうゆう」の2011年新年号。「50代からを応援!」との副題がついている。二つとも、どの程度(購読者数)出ている雑誌か分からぬが、いい機会だから感謝の意味を込めて、2つの記事を載録しておく。 続きを読む 司書独言(112)「一冊の本が次読む本を呼ぶ」