第452回 イスラエル(ユダヤパワーの源泉)、習近平、カルト権力

2023.11.10寄稿

もう20年も前の事だったと思うが。ある時「毎日」だったか「朝日」だったかが、慶應(あとはkeioで行く)に出かけて、学生の意識調査をしたことがある。

その中に「戦争が始まって徴兵となったらどうするか」と言うのがあった。その時はキャンパスには5.6人の学生がいたが、彼らは異口同音に「そんな事は考えたこともない。だけど、よしんばそうなっても何も心配はない」と答えた。女の記者がどうして、と言うと、彼らは「だって、日本は金持ちでしょう。だから傭兵をとって彼らが戦えば良い」と言ったのだ。これを読んで私は呆れた。彼らが冗談を言っているのか、それとも脳天気なのかがわからなかったからだ。

今ならこれを聞いて、ハハア、プーチンのところのプルコジンか、と思ったかもしれぬがね。然し、浮世離れした20年前のkeio生と違って、今のkeio生はしっかりしている。まともだと分かるニュースが10月29日に報じられた。

それによると、藤沢市のkeioで、27日パレスチナとイスラエルの現状を知るセミナーがが開かれ、約300人が参加したと言うのだ。パレスチナ問題の専門家、ハディ・ハーニ(明治大学)がイスラエルの右派政権が国際法に反して、パレスチナを半世紀以上占領している事が問題解決の最大の「障壁だ」etcと説明した由。

イスラエルとくれば10月20日女優のケイト・ブランエット他のハリウッド俳優達が、ガザの子供達を救えとてバイデンに手紙を出した。

ガザについては日本はトンチンカンな事ばかりやっているぞ。例えば、ガザの休戦を求める国連の会議で121各国が賛成して採択となっているのに、日本は棄権だ。その理由を岸田はハマスへの非難が書かれていないからだと。ガザについてはもう一つ呆れた話があって、それはマクドナルドに関する話。ナンデモ、マクドナルドは売り上げの一部でガザ攻撃の費用を負担している云々。その呆れた記事の切り抜きが今見つからないので、出てきたら知らせる。

それにしてもイスラエルと言う国は何故かくも無茶苦茶な事をして平然ととしていられるのか。それに答える良書をここに出しておく.2010年刊の本で、古くなっていないかと心配する人もいるだろうが、心配無用。非常に良く出来た本だ。読売新聞のエルサレム支局長として3年間現地にいた人だ。

「イスラエル1

このところ、習近平がのさばっている。国内ばかりでない、世界でものさばっている。何故、習近平がかくものさばるのかをを書いた本が、楊逸(ヤン・イー)の「わが敵〜習近平ー2 」だ。

楊は自分の事を2章で語る。「私の体験が物語る中国共産党の非道」がそれ、「善良な一家を襲った過酷な下放生活」と題して彼女は言う。「何故、私が、これほど強く中国共産党を批判するのかは、私自身が文化大革命によって悲惨な体験をしているからです。中国共産党の本質がわかるからです。それは、私が5歳半の時でした。何の前触れもなく”お前達は農村に行け”と共産党に命じられました。いわゆる「下放です」。こうして語られる体験の全てが恐ろしい。かつてこの本を読んだ時の感想を私は「あんな本〜」に書いたことがあるが序でだからここにも載せておく。序でと言えば中国という国の底知れぬ恐ろしさを語る本をもう一冊あげる。

「台湾有事3

習近平は頻りに、台湾は中国の物だと言う。のんきな政治音痴からすればあれほどドデカイ中国が、何故あんな小ちゃな所にこだわるのかと不思議だがそれは大間違いな事が分かるのが、清水克彦の「台湾有事」。そう言えば、確かあの無知の代表格のアソウまでが、いつか「台湾有事」なる言葉を発した事がある。が、それはともかく、この本は中国の不気味さが身にしみて分かる本だ。全部読んでほしいが、時間がないと言う人にはせめて、この本の「非民主国、中国、習近平国家主席」を読んでもらいたい。そして、それで関心が出てきたら、もう一箇所「不屈の意志、台湾、蔡英文総統」に目を通してほしい。この本の最後第6章は「指導者なき日本の安全保障」でそこで展開される清水の主張は「憲法9条」を由とする私の考えと違うがそこは、置いてこの本は非常に良く書かれた本だ。読ませる工夫も十分な良書だ。

今年3月に出た青木理の「カルト権力4 」の第3章は「ルポ町工場VS公安警察」これを元に9月末、NHKスペシャル「冤罪の深層」が放送された。その時のNHKの予告をここに写そう.

「まあ、捏造ですね」6月警視庁の公安部の現役捜査員の言葉に法廷中が息を飲んだ。

軍事転用が可能な精密機器を不正に輸出したとして、機械メーカーの社長ら3人が逮捕された事件だ。捜査員が捜査の進め方に問題があったと法廷で語ったのだ」このデッチ上げ事件の災難にあったのは「大川原化工機」(横浜)

捕まった3人のうち一人は病気だっが手当てを受ける事ができずに、死亡したこれを青木は「司法による殺人」だとする。この事件。公安部外事第1課第5係が近年目立った成果が出なく縮小されるのではと恐れてデッチあげた事件だそうな。

これ書いている今日は11月10日(金)朝からずっと雨、新聞には岸田の財務副大臣なる神田憲次が税金をおさめなかった他云々と出ている。

 

  1. 三井美奈.イスラエル.新潮社(2010) []
  2. 楊逸.わが敵習近平ー.飛鳥新社(2020) []
  3. 清水克彦.台湾有事.平凡社新書(2021) []
  4. 青木理.カルト権力.河出書房新書(2023) []

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