第466回 国谷裕子、赤毛のアン、アメリカにやられぱなしの日本

2025.01.05寄稿

「アサド」が倒れた。今はプーチンのところへ逃げ込んだらしい。このアサド政権はいかなるものだったのか。

こういう問題を知りたい時に、私が必ず取り出す本がある。書名は「世界212の国と地域が2時間でわかるー副題が「読むだけで世界地図が頭に入る本」著者は筑波大学教授井田仁康教授.2022年4月ダイヤモンド社刊1800円」もうそろそろ改訂版が出ているかもしれない。 この本にアサドの国はどう書かれていたか。まず、国名は「シリア・アラブ共和國」記述は次の如し。トルコやイラクなど5各国に囲まれ、西部は地中海に面する国です。地中海付近は温和な気候ですが、内陸部には砂漠が広がります。〜かつてはオスマン帝国に属し、のちにフランスの委任統治を経て、1946年に独立しました.1971年アサドがクーデターで政権を掌握して以来アサド一族の独裁が続いています。〜こう言う記事が出るたび私はそれを切り抜いて該当するページへ挟む本が膨れてくると国別のファイルを作る。このファイルが増えすぎてこもっている国があるが、読者はどこを想像するか?実はイスラエルがその国だ。イスラエルがガザを爆撃してニュースが毎日のように出る。私はそれを切り抜いて〜。ファイルは膨れ上がる一方だ。こんなことを続けているとユダヤ人は禍の元だと思う人が増えてくるのでは、と心配する。ネタニヤフは今の行動を止めるべきだ。これで一話は終わり。

次は前号で挙げた「青木理の時代の反逆者たち」青木は自分が出ていたテレビの「サンデーモーニング」のメンバーを外されたことを語っている。それは同じく「クローズアップ現代」からはずされた国谷裕子からの問いに答えてだった。そこでここに国谷裕子の「キャスターという仕事」岩波新書刊2017年880円。国谷はキャスターという仕事について考え尽くしていることが良く判る。こうゆう優れた人材を番組から外した事態、NHKの衰退を物語るのではないだろうか。だからと言って、他のテレビ局が立派とは思わぬが。次に移る。

 

英文学者の松本侑子によると、もう昨年になってしまったが、2024年はカナダの作家L・M・モンゴメリーの生誕150年だったそうだ。モンゴメリーとは言うまでもなく世界中に愛読者のいる、あの「赤毛のアン」の作者だ。生地カナダでは盛大に祝ったようで、英語圏はもとよりチリ、ブラジル、イラン、フィンランド、ポーランド、日本など16カ国から研究者が参加して「赤毛のアン」について論じあったそうだ。私も昔この「赤毛のアン」を御多分にもれず「村岡花子」の名訳で読んだ。ところが「松本侑子」によると「村岡花子」訳には問題があるという。それは

① 膨大な省略があること。  ②改変があることだ。それで松本は日本初の全文訳、訳注付き『赤毛のアン』シリーズ全8刊を「文春文庫」で出したそうだ。其処で私はここに、「赤毛のアン」の元祖「村岡花子」の本を出すことにする.2014年に河出書房から出た「村岡花子エッセイー集〜想像の翼に乗って」だ。この中に孫の村岡美枝が「赤毛のアンー名訳の贈り物」なるいい文章を書いている。それによると村岡がアンと出会ったのは46才の時.1939年、昭和14年の事だ。折から第二次大戦がはじまって村岡のカナダの友人たちは帰国を余儀なくされた。中の一人が友情の記念にと「アン」の原稿をくれた。戦争中の事とて。村岡は外に光が漏れないよう暗くした電灯の下で訳し続けた。敵国の本を持っだけで危険な時代、空襲があると村岡は原稿を包んで防空壕へ入った。戦争が終わった時には700枚あまりの原稿が出来ていたそうな。こうして村岡訳の本は出来上がった。優しく上品な村岡のエッセンスが詰まったこの本是非お読みあれ。

次 一年が明けてから朝食の後は、ビデオを観る事にした。新年らしくゆったりとした気分になりたいからである。それで、昔観たものばかりを観ている。今日三日は「燃ゆる時」を観た。主演は中井貴一。東京のインスタント会社がアメリカに販路を広げようと四苦八苦する様を描いた名作だ。中で奇妙なセリフが何度も出てくる。「アメリカは恐ろしいい」というセリフだ。それはアメリカに何度も煮え湯を飲まされた結果の言葉だ。アメリカは何を仕掛けて来るか判らない。私の言葉で言うと、アメリカのやり方は汚い。これで私が思い出した本がある。「関岡英之」の「拒否できない日本ーアメリカの日本改造が進んでいる」平成16年文春新書刊。私の持っている本は平成18年にすでに18刷だ。要するに日本はアメリカにやられっぱなしなのだ。

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