◯月◯日/ いよいよトランプの時代が始まる。この希代のうそつきをアメリカ国民がなぜ指示するのか私には理解できない。アメリカは分裂してしまった。それを見て私はアメリカに留学しなくて良かったな、と今にして思う。私にはアメリカ留学への機会が一度あった。
◯月◯日/ 私は明治学院大学英文科の出身だ。明学では新入生を苗字のアカサタナ順に並べて「アドバイザー制」なるものをとっていた。「アドバイザー」とは「adovice]してくれる人の事。日本語で言えば担任みたいなもの。この「アドバイザー」がクラスに一人づつつく。私の時にはこの「アドバイザー」が初老のアメリカ人女性「シュミット先生」だった。ある日先生が、私を呼んで言うには「夏休みに一度アメリカに帰るその時あなたを連れて行きアメリカの大学で学ばせたい。それで、ご両親の許可を得たいので、聞いてきなさい」。それで私は家に戻って母に聞いた。その時の答えは今でもはっきり覚えている。母は即答した。「そんなところに行かなくていい」。アメリカをさして「そんな所」と言ったのだ。因みに母は高等女学校出てからフランス人の尼さんがいる学校で学んだ人だから。アメリカが嫌いだったのか、あるいは軽んじていたのか。こうして私はアメリカに留学しなかったが、私は今留学しなかった事を残念には思っていない。
2025.1.20
山下 敏明