`09,1月寄稿
○月○日 兵庫県は篠山市にある兵庫陶芸美術館で「創立250周年記念-ウエッジウッド-ヨーロッパ陶磁器デザインの歴史」と銘打って開かれていた展覧会が1月12日で終わった。西欧の王侯貴族に愛好された英国の陶磁器ブランドの歴史を辿る名品約250点を並べたものだ。それは結構だが,展覧会が終わる直前の1月6日の各紙に肝心要の会社.ウオーターフォード・ウエッジウッド社が倒産した、との記事が出た。
世界的な景気悪化で顧客の多い日米欧での売れ行きが悪く,又価格の点で中国製品に引けを取ったのが原因だ.私はこれ余り好きでなくて使っていないが,てっきり本社のあるアイルランドで作っていると思っていたら,あにはからんや!清算拠点はインドネシアだったと言う.ピーターラビットの絵柄の食器もそのうち姿を消すかも知れんな。栄枯盛衰とは言え,気の毒だ。てな話をS女史と話をした次の日、S女史は友人からウエッジウッドの紅茶器セットをプレゼントされた由。フーン!!
○月○日 オバマ大統領が当選したとて,伝えられるところでは,どこだかのマスメディアが子ども達にオバマに対する要望やら何やらのアンケートを出したそうな。すると中に、「貴方はやせ過ぎだ。もっと沢山食べて丈夫になって下さい」とて,フライドポテトなぞを送ってきた子がいたとか、いないとか。まあ全米にあふれているかに見える肥満体諸氏諸女に較べれば,確かにオバマは細身だが、あれでいいんじゃないの.牛肉消費国の最たるアメリカの頭だとて,何も肥える必要はあるまい.むしろ、地球環境の点から、全米に向かって節食を説いて貰いたいくらいだ。
○月○日 肥満で思い出したのがチャンコ鍋。その鍋物を提供する「Chanko Dininng 若」即ち元横綱若乃花が代表の店が,残業代不払いなどで訴えられた.月300時間を越す残業の記録が改ざんされた云々で,訴えるべく労組結成と出たら首切られ、と報道の限りでは,若乃花の方に凛然としたところがない。中の良い兄弟だと思ってたら層でもなく.夫婦の見本みたいなと言われたら違ってて...私しゃああの元女優が本を出して「凛として」と「凛」を使って以来,室蘭弁で言う所のケッタクソ悪くて,意地でも自分の文章やら話言葉に、この一文字は使わぬ。
○月○日 肥満との連想でもう一つ言えば,某週刊誌にスッパ抜かれた米兵、犯罪犯して獄中にいる者の毎日の献立には呆れた。例えばある日の朝は,フルーツ、プレーンオムレツ、ベーコンライス、オートミール、トースト。対する日本人受刑者は、鰹フレーク缶、昆布佃に,白菜漬け、味噌汁、で差は歴然たるものだ。これでマッチョになった連中が出て来て,乱暴狼藉を働くのだもの,理不尽を通り越している.思うに,時々テント村を金網で囲って,そこへこの栄養取り過ぎの犯罪兵たちを放り込み,逆に,テント村のリストラされた人に米兵のメニューを与えて,活力を養ってやると言うのはどんなものだろう。
○月○日 そのアメリカの国旗のこと。話は「告発のとき」なるトミー・リー・ジョーンズの出る映画で,つまりはイラク戦争なる無意味な戦争がアメリカ国民に残した無惨な心のみならず身体の傷をえぐる作品だが,エルサルバドル出身と名乗る男があげる国旗=星条旗が上下逆さまになっている事に気付いたトミーが車から降りて,国旗を逆さまにかけると,その意味は「この国はもうダメだ,助けてくれ」との意味になるんだと諭して,国旗をかけ直させる。ところが一編の物語が終わって,トミー扮する父親の息子の死の真相を知ったトミーは、くだんの国旗を逆さまにかけ直し、ずっとこのままにしとけと言う.彼の結論としては、アメリカそのものが危殆に瀕して,助けて呉れの状況な訳だ。これは反戦映画の域を超えて、国家の存亡を考えさせる秀作だ。この存亡の危機を招いたブッシュは米ギャラップ社の世論調査で、過去40年間7人の米大統領中、最悪の評価=「平均よりもひどい大統領」と格付けされ、退陣したが、果たしてオバマによって旗は星条、いや正常にかけられるだろうか。
○月○日 一方、我が(とは言いたくないが)麻生首相支持率が一割代だか一桁台だかの下がり振り、これ聞いても何の不思議もないが、悪い事に国旗の向きを変えて Help Me と呼びたくても、日の丸じゃ、いずれが上か下か、これが難しい所だなあ。
○月○日 昨年だったか、静岡市で指定暴力団山口組が、「清水次郎長」の業績を継ごうとして、「清水一家」を名乗ろうとしたところ、次郎長の晩年の社会貢献を称えて、清水の次郎長さんと親しんでいる市民達は、団結してしよう阻止の願いを警察に出した由。ここで思い出すのが歴史家・田村栄太郎の「いつから我々は黒駒の勝蔵とか清水の次郎長とか(他何名か)を英雄だの侠客だのとして,もてはやし出したのか?〜かれらはいずれにしてもヤクザである」との主旨の言葉。
ここで又思い出したのが、三台目田岡一雄組長の娘が小学生時代、日記に書いたと言う「山口組は淋しい人らが、皆で集まっているサークルです」との言葉「正しい理解である」としてヤクザを肯定する宮崎学なる評論家(?)の論理.
社会のせいで(?)淋しくなった連中が群れを作って暴力を振るっていい、なんてのは,お釈迦様でも認め毎.淋しい連中が皆々群れるか、淋しいのはヤクザばかりではない。