司書独言(223)

20209.11寄稿

◯月◯日/Drone(ドローン)をカタカナ語辞典で引っっぱると、「定められたプログラムに誘導される無人飛行」とある。成程ね。そのドローンが白頭鷲に襲われて墜落する事件が8月初旬に起きた。飛ばしたのはミシガン州の「環境・五大湖・エネルギー局」(略して)「EGLE」。このドローン、ミシガン湖に水没して行方不明だと。因みに「ミシガン」は「アルゴンキン語(と言うのがあるらしい)でMIchi=大きい、gan=湖、でつまり「大湖」

◯月◯日/それにしても白頭鷲は何故ドローンを襲ったのか「EGLE」の説明では、ワシが自分の名前の綴りが間違っていることに腹が立ったのだろうと。これは仲々粋な説明で笑わせてくれる。「ワシを何だと思っているんだと言う訳だ。蛇足だが、ワシは「EAGLE」だ。この全長90cmのワシ、米国の国鳥だ。気位高いのも無理からぬ。

◯月◯日/8月16日米国カリフォルニア州のデスバレーで気温が54.4℃に上昇した。ここは107年前の1913年にも56.7℃を記録した由。1931年には北アフリカのチュニジアで55℃との記録もあるが、当時の計測器の精度からして、どうも正確ではなさそうで、となると「信頼出来る」ものとしては、今回の記録が地球上最高ということになるそうだ。

◯月◯日/ デスバレーは「Death  Vally」でつまり「死の谷」.1849年にこの砂漠地帯を横断中の一行に数人の死者が出たことからの命名だこの地名で私が思い出すのは1949年作の米国映画、西部劇の傑作「死の谷」。主演は脚線美と妖艶なお色気で鳴らしたヴァージニア・メイヨ(Virginia  Mayo)、1920年生まれだから、未だ生きていたら100歳だ。この人どの角度から撮っても完全な美人だと言われた。千歳町にあったセントラル劇場で観た。中学1年の時だ。良かったなあ。

◯月◯日/ 寿都の町長が「核ごみ処分場」へ応募云々で町のみならず周辺の市町村へも影響が及んでいる。国は先ず20億、続いて70億を出すとて町長の横面を正しく札束で引っ張たいている。漁協他が猛反対だ。当たり前だ。しかし、カジノを主張した苫小牧といい、寿都と言い、全ての災いは市長or町長から発すると言った感じだ。この馬鹿な町長に1票投じた奴は、まあ自業自得で納得出来るだろうが、反対投票した人間にすれば”それ見た事か”となっても、怒りのやり場が見つからんわね。

◯月◯日/ ロンドンのオークションで、かのガンジーがかけていた金メッキの眼鏡が3,600万円で落札されたそうだ。オークション会社は「素晴らしい結果」と言ったと言うが、どこが素晴らしいのだろう。このガンジーでさえ改善できなかったインドのカースト制と宗教対立。今のインドのモディブ首相はヒンズー至上主義者でモスクを破壊しヒンズー寺院を立てようとしたり、トランプ同様やりたい放題だ。最近紹介されたインド映画の秀作、例えば「クローゼットに閉じ込められた僕」とか「シークレット・スーパースター」とかでは、相変わらず皆して踊りまくっているが、これらの映画全てひょっとして、庶民の不満のガス抜き用の慰安という仕掛けか。

◯月◯日/ 小笠原諸島の母島で2018年以降「オガサワラシジミ蝶」の生息が確認出来ない上、多摩動物園で人口飼育していたのも羽化せずで、どうも絶滅したようだと8月下旬に報道された。気の滅入る話だ。

◯月◯日/ 甲子園球場は創設されて以降95年余りグランドの土を替えた事がないそうだ。今でも続いているかどうか確かめずに書くが、このグランドの整備をしているのは「阪神園芸」なる会社の金沢健児(2017年当時50歳)。毎冬全体を30cm掘り起こし自然の雨で均等に水を染み込ませ、串を刺して硬さを調節する由。結果球児が踏むとフカフカの感触だと言う。この土を選手たちが記念に持って帰るのが今や恒例だが、この土を初めて持って帰った人が死んだとのニュースが8月29日に出た。福島一雄89歳で、1947年に福岡の旧制小倉中のエースとして優勝した人だという。この人が49年夏に準々決勝で負けた時、無意識にグランドの土をユニフォームのポケットに入れた。これを見て感動した大会関係者の手紙でこの事が知れた由。これ以後選手達が真似した訳だ。いい話だなあ。

◯月◯日/ ギネスの記録によると、8月31日現在で「世界長寿の夫婦」はエクアドルの夫110歳。妻104歳、足して214歳のフリオとワルドラナミの2人だそうだ。Ecuadorとは赤道の事。首都キト(Quito)はキト族インディオの言葉で「自由なとの意。此処標高2800mの高知としながら、何しろ赤道直下で常春。日の出は午前6時と決まっている。ここ1534年にピサロに征服されたが、ピサロが来なけりゃこの夫婦まだ寿命が延びていたろうな。

◯月◯日/ 常春のエクアドルと違って寒いアラスカで今トランプが訴えられている。熊に罠を仕掛けたり、狼の子を殺したりする事を禁じていたオバマの時の法令を解禁したからだ。Alaskaとはアリュート語で広大な土地の意だが、ここには「北極野生生物保護地区=ANWR」があってホッキョクグマやカリブー(トナカイ)やら150種もの鳥がいるトランプはそこでの石油や天然ガスの掘削に許可を出してしまった。アラスカの自然を壊してどうするんだ。トランプは一応クリスチャンだが、やること、なすこと、キリスト教でいうサタン(悪魔)だな。

◯月◯日/ 気づくのが遅くなったが、五島勉が6月16日に90歳で死んでいた。若い人は知らぬかもしれないが、トンデモ本の「ノストラダムスの大予言」で名を売った人。ノストラダムスは16世紀フランスにいた占星術師だが、五島はこの男の予言を使って、1999年7月に人類が滅没するとの説を発表した訳。このバカ本売れるに事欠いて250万部売れた。そのあとシリーズ化され、計600万部余り売れた。五島はウハウハだったに違いない。

◯月◯日/ しかしまあ、書く方も書く方、読む方も読む方と嘆息するしかないが、ナンデこんな事になるのかね。死んだと言えば7月22日に飯島周が89歳で没した。知る人は少ないだろうがチェコ政府から功労賞を受けた言語学者でノーベル賞作家のヤロスラフ・サイフェルトの詩を訳した人。私の書棚には、飯島の訳した「人造人間ーヨーゼフ・チャペック・エッセイ集ー」の他飯島と石川達夫訳の全6巻の「チャペック小説選集」(成文社)が並んでいる。

◯月◯日/ ヨーゼフ・チャペック(1890−1938)は今もチェコで一番人気のある作家で「ロボット」なる言葉を作った人。これ「賦役」を意味するチェコ語から創られた。チャペックは科学が人間の命取りになる危険性を訴え続けた人だ。飯島の訳したものではチェコ大統領にして作家のヴァーツラフ・ハヴェルの「反政治のすすめ」や「兵士シュヴェイクの冒険」で有名なヤロスラフ・ハシェクの「不埒な人たち」があり、それらも皆我書庫にある。謬説(誤った説)をばらまいた五島、芳醇な思想を移植した飯島。同じ年生きてもエライ違いだ。

◯月◯日/ 元TBS記者の山口敬之から性暴力を受けた伊藤詩織が自民党の杉田水脈を訴えた。杉田は2018年6〜7月に出た伊藤を中傷するツイート「枕営業の失敗ですよね」「自称#伊藤詩織は、そもそもレイプの事実関係が怪しすぎる」「被害妄想?を疑いましたよ」他に「いいね」を押しまくっていると言う。「枕営業」なる下品な言葉を杉田自身が既に発していた事は他で指摘されているが、それにしてもこの杉田どこまで下司なのだろう。

◯月◯日/ 評論家の荻上チキによると、伊藤への書き込みが70万件で、その中批判的な投稿が10.6%、違法性の高いのは4.5%だと言うから呆れる。安倍べったりの山口を最初に見た時はアゴヒゲを生やして実に横柄、ふてぶてしい態度でしゃべっていたが、公判時にはヒゲをそって少しは殊勝なふりをしてた。然しナンデ権力にかばわれている人間に同情する人間がいるのか、私にはわからんね。週刊誌によるとこの男、事件前は月200万(20万じゃないぞ)でホテルの一室を借り切っていたという。もちろん他人の支払いでだ。

◯月◯日/毎日新聞の山田孝男が菅について、「酒を飲まず、行者のようであり、周囲を心服させる雰囲気がある」とほめて(?)いる。然しこれは違う。「菅は酒を飲まず」ではまくて「酒が飲めない」のだ。以前雑誌で菅自身が「自分は酒が飲めずに甘党だ」と言い、細君と散歩するといつもこの店で(名は忘れた)パフェ(だったか、なんでもゴテゴテと盛り上げたものだ)を食べると言ってた。この顔でパフェ(?)か、聞いて気色が悪くなったが、それはともかく、アル中のブッシュのばか息子が禁酒して立ち直ったと言うならまあ美談だが、菅は違う。

◯月◯日/諸欲を断ち切って精進すると言うのなら「行者」と言えようが、飲めないから飲まないだけのどこが行者でなぜ人を心服させることになるのか。

◯月◯日/むしろ、人に合わせるために飲めぬ酒も少しはやってみて多少は飲めるようになって、人間の幅が広がったと言う方が、世間には通りが良いのではないか。土台、この山田、記憶が正しければ、確か安倍のお食事会仲間だ。読売のナベツネならさもありなんだが何も毎日程のメディアの上に属する人間が菅にすり寄る必要はなかろうて。

◯月◯日/アフリカ南部ボツワナ(Botswaha)、「ツワナ」は「今でも切り離されている人」の意で民族分断を意味している。住んでいるのはツワナ族でBOは部族名につく接頭語だ。ここで5月以来350頭の象がたまたま縁を描くようにして歩いた後死んでいる。象牙を取られたわけでないので,死因は不明だ。ここアフリカ有数の象の生息地で絶えず密漁の危機にさらされている。密漁者と言うのは、要は「そんここと知っちゃこっちゃない」という人間で、此奴らにしてみれば自然縁環境なぞ知ったこっちゃないなのだ。飛躍するが私は寿都の町長も「「知ったこっちゃない」組だろうと思っている。核のゴミ処理が10万年先だろうが,50万年先だろうがそんなこと知ったこっちゃない。今来る20~70億の金がほしいだけだ、と言う訳だ。

◯月◯日/トランプが横田滋さんの死を悼むとて「早紀江さんと滋さんに会えて光栄でした。愛する人の居場所について真実を知るべきだという不屈の決意に感動しました」との手紙を早紀江さん寄越したそうだ。結構な話だが、この話にはトランプが平気で嘘を言うと言う性格が如実に出ている。というのはトランプが拉致被害者と面会した時、滋さんはいなかったのだ。まあ、この手紙、トランプが書くはずもなく、誰かこうしたことの担当者がゴーストライターとなって作ったんだろう。

◯月◯日/それにしても不真面目な話だ。私はトランプも安倍も菅も。正直なところ拉致問題は念頭にないと思う。もっとも彼らばかりではない。拉致問題を担当する国会議員達の会の、ついこの間まで石破だった。それが安倍後を誰にするかとなって菅、石破、岸田と出てきたが、誰一人拉致問題に手をつけることは一言も言わない。この連中にあるのは、我国民の人権なんぞじゃなくて、只々、己の権力維持への欲だけだ。トランプは「私とメラニアは悲しみに暮れている」とも書いている(らしい)が、私に言わせれば「嘘こけー」と言う所か。人をオチョクルにも程がある。

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