第352回 第二次た戦後の人々の記録を元にした「廃墟の零年1954」

2015.2.30寄稿

2月、聖路加病院の例の長老/日野原重明先生が「梅」について書いている。自宅にある2本の古梅に絡めて,毛沢東の詩を引用するのだが、その日本語訳の後半は「美しいけれども、それによって、春の美しさを独占し世にときめこうというのではない。ただ、来たるべき春のさかりを予告しているだけなのである。やがて爛漫と山に花が咲き満ちたとき、先駆者の役目を終えた彼女、梅は,実を結び、他の花に囲まれながら満足の笑みを浮かべているだろう」....この引用のあと、日野原は「中華人民共和国主席として権力を振るった政治家と、この詩を比べて、毛沢東とはどんな人物だったのだろうと興味が湧いてきます」と加える。 続きを読む 第352回 第二次た戦後の人々の記録を元にした「廃墟の零年1954」

第351 戦後の映画の検閲 、森美術館問題の会田の作品群

H27.01.10寄稿

北村洋の「敗戦とハリウッド1 」を読み終えたところ、これアメリカが日本を占領した時に、アメリカ側がアメリカ映画を通じてマッカーサー言う所の、精神年齢12歳の日本国民を教育しようとして、如何なる方策をとったかを、検閲を主にして語ったもの。

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  1. 北村洋.敗戦とハリウッド.名古屋大学出版会(2014) []

第350回 翻訳家小笠原豊樹=詩人岩田宏の業績

2014.12.10 寄稿

随分昔、パリでのこと、1870年の普仏戦争での敗戦を記念して建てられたサクレクール寺院を観てからカルコーやマッコルランの回想に出てくる有名な酒場 「はねうさぎ」に回るべく、モンマルトルの丘に登ろうとして、通りがかりの人に「ケーブルカーの駅はどこか」と尋ねると、ちょっと考えて「知らぬ」と言 う。こっちも困ってハテ?とあたりを見回していると、5.6歩行きかけたその人が、小首をかしげ戻って来て「貴方の言うのはフニクリ・フニクラの事か?」 と言う.瞬時に私の頭に浮かんだのは「行こう、行こう火の山へ/行こう、行こう山の上/フニクリ、フニクラ...」の唄だった.と同時にそうか、登山電車 はここではケーブルカーではなくて、フニクリフニクラなのかと理解して私は「それ、それ」と喜んで...となったのだっ た。 続きを読む 第350回 翻訳家小笠原豊樹=詩人岩田宏の業績

第349回川内原発「住民避難計画」と戦時の防空法

。2014.11.7寄稿

オーストラリア。イギリス合作の「レイルウエイ、運命の旅路」を観た。第二次大戦中、タイとビルマを結ぶ泰緬(たいめん)鉄道を作ろうとする日本軍はイギリス軍捕虜を暴力をもって酷使した。緬は明代以降中国でのビルマ=改ミャンマーの呼称、緬旬(めんでん)のこと捕虜の生き残りコリン・ファースが暴力憲兵の通訳だった真田広之の生存を知って復習するべく出かけるが、、、とくれば、おわかりのようにこれ、「戦場にかける橋」の後日談 続きを読む 第349回川内原発「住民避難計画」と戦時の防空法

第348回アメリカの人種差別とナチスのレーベンスボルン

2014.10.20寄稿

先頃、アメリカ映画「フルートベール駅で」を観た。2013年の米サンダンス映画祭で作品賞と観客賞を受けた秀作で、監督・脚本は黒人のライマン・クーグラー。実話だ。2009年元旦、サンフランシスコの電車の駅で、22歳の黒人青年が白人警察官に否応なく射殺される。 続きを読む 第348回アメリカの人種差別とナチスのレーベンスボルン