司書独言(203)

2019.1月寄稿

◯月◯日/ タレントのローラが電子署名とやらで辺野古の埋め立て反対の呼びかけをしたと言う。あのホッペタプクッの女性だと思いつつエライもんだと感心した。辺野古の問題については昨年末、日本科学者会議も土砂投入に対して抗議声明を出した。 続きを読む 司書独言(203)

司書独言(202)

◯月◯日/ 2018年の「今年の漢字」に「災」が選ばれた.2004年に続いて2回目の登場というが、こんな字が2度もとは情けない国柄だ。自然災害は言わずもがなだが、人災も多かった。先の地震の際の厚真一帯のブラックアウトもその一つと指摘されているのは読者もご存知の通り。ところで札幌手稲区の「区民の会」では今年の漢字に「嘘」が選ばれた由。私ならこっちの方に共感するね。

◯月◯日/ 「嘘」と言えば「論語」学者の加地伸行が鳩山由起夫を名指しで「約束したのに守らない、嘘をつくという事が問題なのである」と非難している。鳩山は昨年室蘭で講演していったが、私の見るところ鳩山は理想に過ぎて失敗したのであって、それは嘘ついた訳ではなかろう。私は鳩山に関心もないし庇う気も毛頭ないが、「嘘」と断ずるのは一寸的外れではないかと思う。

◯月◯日/ 「嘘」は事実でない事。又人をだますために事実と違う事を言う事(学研新国語)だ。そこで上記の手稲区の話に戻ると、区民らは「嘘」の字に並べて「アベのうそ」をボードに6個びっしり書いたという。今では「嘘」と聞いて安倍、麻生。片山らを連想するのがむしろ普通で、それはこの連中の語ることが連想ではなくて「偽にする」言葉であるからだ。理想を語って失敗した鳩山も困った御仁だが「論語」の孔子とて理想を説いてこけた組みではなかったのか。そう言えば新聞の冗談欄に「嘘つきは首相のはじまり」なる投書があったな。

◯月◯日/ 年中地中温度が摂氏0度以下で常に凍結している土地を永久凍土というと思っていたら、12月上旬の新聞にそれが融けてどでかい平屋が半分沈下したとのアラスカの写真が出てびっくりした。いずれシベリア、カナダ、グリーンランドの数百万人の生活に危機が及ぶ由。(今日は12月16日)勿論地球温暖化のせいだが、目下ポーランドのカトウィツエで開催中の国連気候変動の会議でナント当のポーランドが”化石賞”を受けた。調べてみたらこのKatowiceの語源は「カトー族」でiceは貴族の称号だと。此処のところシロンスク=(シレンジア)地方の重工業の中心地で、今も石炭産業が盛んと分かって納得した。

◯月◯日/ この地球温暖化を理解せぬ筆頭はトランプだが、愚物、先日マクロンのナントカ式典に招かれたはいいが、帰国してからの感想が「軍事パレードが素晴らしかった。我が国でも取り入れて派手にやろう」だったとて、哲学者の浅田彰が「救いがたい」と評した。トランプとこれに連なる安倍はもはや人災の部類だね。もっとも今や世界の政界を見るに「人災的」人間ばかりがリーダーとなっていて、これでは「国難」通り越して「世界難」だね。「災」を揮毫した清水寺の森清範貫主とやらも「人災のないような来年を切に祈念したい」などと」呑気なこと言っていないで、相国寺の有馬貫主みたいに「人災」的な安倍にちっとは説教たれてもいいのでは!

◯月◯日/ 私の本好きは4歳頃の幼稚園で見たキンダーブックに始まると自分で思っているが、不思議な事に小中高大と周りに何人か本好きはいたものの漫画,劇画を読む人は一人もいなかった。それが室工大在任中は「少年ジャンプ」全盛の上、我が家に来る本格的な読者家に混じっていつしか専ら漫画、劇画を読む(見る)学生が現れるようになった。雁屋晢の「美味しんぼ”鼻血問題"答える」(遊幻社)なんて本を読んだのも彼らの影響だ。だから「あしたのジョー」も知っている。南千住の貧困地域に住む不良の孤児がボクシングで王者へとのぼりつめていく話だ。

◯月◯日/この話の舞台、南千住の泪橋が未だに最貧困地との記事が去年6月中旬に出た。年収200万円未満の地域ワースト30よりもまだ低い地域だという。近くの山谷の簡易宿泊所で2畳の部屋で一泊1,400円で、そこは生活保護者を対象とする部屋の由。この話を思い出したのは12月に入って厚生労働省が、生活困窮者が利用する「無料定額宿泊所」いわゆる「無底」の基準を定める検討会を始めたと報道されたからだ。

◯月◯日/ この「無底」、今全国で537施設あり,15,000人の生活保護者が利用している由。問題は一つの部屋をベニヤで仕切る簡易個室が多く、なのに生活保護費の殆どを天引きする「貧困ビジネス」が多いという事実。しかも厚労省がこの「簡易個室」を容認する態度を見せている由。「あしたのジョー」の原作者梶原一騎や画を描いたちばてつやはこの問題をどううけとるだろうか。

◯月◯日/ 2018年のノーベル平和賞はアフリカのコンゴ(旧ザイール)で性暴力被害者の救済に取り組むデニ•ムクウエゲ医師と2014年にイラク北部で過激派組織ISに家族を殺された上、自身は「性奴隷」とされたナディア・ムラド女に与えられた。ムラド女はイラクの少数派ヤジディ教徒で今は人権活動家。ムラド女はノーベル賞の賞金を、自分と同じく性的暴力を受けた女性たちを治療するための病院を建てるのに使うと発表した。これを知って私は彼女の自伝「The  Last  Girl」東洋館出版社¥1,800を買いに本屋へ行った。この書名は、性的暴力を受けるのは「私で最後にして欲しい」との意味を含んでいる。

◯月◯日/ 本屋で見つけたはいいが隣に百田尚樹の本が積んでああって気分が滅入った。書名をあげる気にもならぬ、と言うのは例によって例のごとく、真っ当な歴史学者達によって完全に否定された学説とは言えぬ妄言ばかりを羅列する、つまりは読むに値せぬ本だからだ。思うに百田なる人物は、自分が書いていることの正否は本当はどうでもよくて、目指すは、自分の生存中は権力者に阿り続けて、その結果金を得、現世で楽をすりゃいいというだけの金の亡者的人間なんだろう。アジア太平洋戦争で無駄死にした兵士達の真相を記した吉田裕「日本軍兵士)(中央公論新書)を読んだものならば,百田一派の掲げる国史観が如何に嘘にまみれた説であるかは承知の筈だ。百田の本を買うことで、百田とその出版社を儲けさせ、挙句自ら歴史音痴になるなどの愚を犯すべきではない。それにしても志の高いムラド女の本の隣に志低劣な百田の本を並べるなど恥ずかしいことを本屋もしてくれるものだ。

◯月◯日/ 金の亡者と言えばゴーン。マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」は三笠文庫8冊で出た。映画も観た。原題は「Gone  with  the  wind」だ。これにならってゴーンも「Gone with the ゴーン」とタッタと出ていって欲しいものだ。もっともその前に首を切った4万人に補償してからだが。

◯月◯日/ 「住んでみたい所」で函館が一番となったと新聞が発表、但し、「住んでる人たちの満足度」となると、何10位だったか、とにかく下の下。ところで白鳥台のスーパーが12月一杯で消える。ずっと予想されたいた事だ。コンパクトシティなんて横文字並べたって、結局はドーナッツの穴の部分が埋まるだけで肝心の丸い輪の部分がスカスカになるという事だ1万人目指してのニュータウン構想で始まった白鳥台。元市長が2人も住んで、市役所のOBも多い。それが6,000人弱の年寄りだらけの町になっちゃって、ー施設が古くなると壊して引き上げるーの連続じゃ、生活不便になって、新しく来る人は減るばかりだ。どうするつもりだろうねー。

◯月◯日/ ふくろう文庫ワンコイン美術講座もあと2回で60回達成となる。人の知らない画家を取り上げて知る喜びを味わってもらうべく意図して、”知られざる画家”を取り上げて来た。そも気持ちを分かって聴きに来てくれるとありがたい。次は鏑木清方、平福百穂らと「金鈴社」で鳴らした吉川霊華をとりあげる、乞、ご期待。

 

 

司書独言(200)ふくろう親父の㊙︎日記174

◯月◯日 米国俳優のハリソンフォードが9月中旬、「世界気候行動サミット」なる国際会議で「自然を守れないようであれば、自分達自身も守れない」と訴え、大きな歓声をを浴びたと報じられた。 続きを読む 司書独言(200)ふくろう親父の㊙︎日記174

司書独言199

◯月◯日 明治天皇の曾孫だか玄孫だか知らないが、とにかく「明治天皇の末」を売りにしている竹田恒泰なるタレントがいる。「たかじん番組」の常連で、ナントカ言う歌手に振られた男だ。ヘイトスピーチ他で知られる「在日特権を許さない市民の会」通称「在特会」を常日頃持ち上げる発言をするから、右派であることははっきりしている。

◯月◯日 どうして明治天皇とは似ても似つかぬこのウマズラハギが明治天皇を売りに出来るのか。明治天皇と皇后の間には子供がいなかった。自民党の杉田水脈衆議院議院の言葉をそのまま借りて言うと「生産性」がなかった。そこで明治天皇は側室を置くことにした。側室とは「貴人のめかけ」(新明解)だが、その数5人。その5人から皇子5人皇女10人が生まれたが多くは若死して、のちに大正天皇となる皇子1人と娘=イコール内親王4人が成人した。

◯月◯日 この娘4人は皇女だからそんじょそこらの平民の嫁には出来ぬ。でどうしたか?此処に天皇断絶の危機に備えてスペアとされる宮家が4つあって、その一つが伏見宮。因みにこのスペアは天皇との血縁の有無は関係ない。この伏見宮家に部屋住みが何人かいた。部屋住みとは次男以下の男で家を継ぐことは出来ぬ、つまり居候=イコール無職。

◯月◯日 この居候の一人に6女が嫁ぐ。すると天皇の娘は皇族に嫁ぐのが当時の憲法の規定だから、皇女の格下げではなく居候を格上げして竹田宮家なるものをあらたに創設した。宮家になると確か宮内庁から生活費含めて万般出るから生活の心配はない。如上ことは例えば半藤一利他の「戦後日本の”独立”」(ちくま文庫)に出ている。

◯月◯日 以上で分かったと思うが、タレントの竹田はこうして新設された宮家の子孫な訳だ。それが敗戦となっての昭和22年に、天皇の弟の秩父宮、高松宮、三笠宮を除く残りの宮家は全部皇族たることが止められて、宮内庁からの生活費等を含む全ての特権を失った。平たく言うと今まで税金で暮らしていたのが、明日から自活せよとなった訳だ。庶民からすれば当然で何の不思議もないけどね。

◯月◯日 しかるに、この居候の子孫の竹田が最近妙なことを主張した。曰く「旧宮家復活」。また戦前のの働かずに食える生活に戻りたい訳か?これ書いている今日は9月16日。安倍3選は自明と張り切っている右派の一員だとしても、この話は庶民からすれば、財務省(だったか?)の太田(だったか?)の言葉じゃないが「いくら何でも〜」じゃあるまいか。俵万智じゃないけど「言ってくれるじゃないの!!」と思うだな。

◯月◯日 三笠宮で思い出したが、ブギの女王笠置シズ子は本名三笠静子だが、皇族に対して失礼=不敬だとて笠置に変えられたのだ。もう一つ思い出した。北海道は当別出身で名作「石狩川」の作者本庄陸男は本名睦男だが、戸籍登録の時、明治天皇の睦仁に失礼とて、陸にかえられたのだ。ところで我が家の向かいの一家はエグザエルとかのファンだが、確か天皇の前で歌ったのはこのグループでなかったか。これでまた思い出した。戦争中は英語は敵性語で禁止だったから、歌手のでディック・ミネではけしからんとて、三根耕一となった。という訳で「旧宮家復活」なんて言うことになると、横文字禁止もまた復活して、この「exile」なんてのも日本語に戻さねばならぬ。今念のため研究社のニュースクール英和を引いてみたら「exile」=「亡命者」とある。ウホッ、国外追放か。まこさま かこさまと言っても不敬にならぬ今がはるかにいい。

◯月◯日 リーアム・ニーソン主演のザシ・ークレットマンをDVDで観た。「ウォーターゲート事件」を描いたもの。これワシントンのウォーターゲート・ビル街の民主党本部へ、共和党筋の人間が盗聴装置を仕掛けようと侵入したのが逮捕されて明るみに出たニクソン政権のスキャンダル.1972年に発生して ’74年にはニクソン辞任となった。この事件んでジャーナリスト達へわたし続けたのが、FBI副長官のマーク・フェルト。ランデスマン監督は「犯罪者ニクソンにフェルトは警官として対処したのだ」の立場を表明している。

◯月◯日 続いてメリル・ストリープとトム・ハンクス共演の『ペンタゴン・ペパーズ』を見た。国民を騙し続けて不毛なベトナム戦争を続けたトルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン歴代大統領の嘘を暴露したもの。メディアとジャーナリズムの果たすべき役割と、その役割とは何かを示して見事だ。総裁選に関して日本記者クラブの討論会で「総理不支持の一番の理由が”総理大臣が信頼できない”だが、なぜそうなのか?」と聞かれて、「一点の曇りもない、それは明らか」と開き直る鉄面皮が通る日本の現状に照らしても、大いなる教訓を含んだ名作だ。観るべし!

◯月◯日 過ぐる3月、図書館を指定管理者に委せる方針と教育委員会が発表した。これについては私は既にこの欄と新聞とで何度も反対を表明して来たから、この騙し討ち的、寝耳に水的発表には呆れかえったが、呆れたのは私ばかりではなくて、室蘭民報、道新二紙から直ぐに「”賛成したのか?」と聞かれた。「とんでもない。する筈がない」と答えた。そのあと室蘭民報の高木忍さんの委託反対論が出た。それから暫くして、文学館の集まりの席上 滝口道議が図書館を指定管理者にまかせるのは反対”と言明した、と 「ふくろう文庫」支援の「ふくろうの会」代表の柴垣美男が伝えてくれ、さらに滝口道議本人からも「反対との私の考えを述べておきました」と聞かされた。ありがたい。心強い応援だ。

◯月◯日 ところで行政側は指定管理者に委せると、参考業務や教育現場との連携が向上するだのとバラ色イメージを抽象的に述べる。ところが当館元館長の調べで面白いことが分かった。彼は道内で既に委託をした6館について、結果何が「導入効果」となったかを問い合わせた所、図らずも全館一致して「効果は一点のみ、それは開館時間の延長だけ」と出たのだ。これは一見市民の喜びそうな事だが実情はどうか。某社が請け負った某市では、非正規の時給を上げずに時間のみ延長した。(という事は延長分は只働きという事になる訳だ)との知らせが私の所に届いた。真偽の程は分からぬが人件費のピンハネでしか利益を出すことが出来ぬ受託業者のやりそうな事ではある。