第212回 羊年に因んで、大人の玩具

`03.3月寄稿

室蘭民報のY記者は、非常に聞き書き、つまりインタビューの上手な人で、かつ、正確な人だ。私自身13.4年前に最初に話を聞かれてからこっち、何度かインタビューされたが、その結果、新聞に出る記事には、いまだかって一度たりとも、“こんなこと言ったかなあ?”とか“こんなまとめ方じゃこまるよ!”とか言った思い、不満はもったことがない。いつだって、上手にまとめたなあ、うまいもんだなあ!!で、感謝するのみだ。 続きを読む 第212回 羊年に因んで、大人の玩具

第214回 再出版の玉4冊

`03.5月寄稿

本を読むことをもって人生無上の楽しみとし,又面白かった本を人に伝えることをもって,前者にも優る楽しみとする私にとって、何が一番つらく悲しいかと言えば、それは語ろうとする、或は薦めようとする,あの本・この本が,絶版又は品切れ再販未定などとわかった時である。しかしこの所、年に6万点も駄本を出し続ける出版界の中にも、まれには出版の本義に立ち返って、いい本を出そうとする人間もいると見えて、面白い本が再登場して来ている。いずれも薦めたいと思いつつも、ないばかりに長いこと控えていたものだ。今回は、そんな嬉しい本を、ジャンルに関係なしに4点あげる。 続きを読む 第214回 再出版の玉4冊

第215回 乳房史

`03.6月寄稿

今回は、久保館長の要請に応じて、既に別に別のテーマで原稿が出来上がっていたのだが、それは次回にまわし、言うなれば急遽予定を変更して、「おっぱい」について書く。

久保館長の要請と言うのは....本誌先月号に、館長は、フランス文学者・鹿島茂の「関係者以外立ち読み禁止」なる著書を読んでの感想を書き、...乳房史(こういうウジャンルの社会史があるのだそうだ)...などと引いて、後半で...いずれも山下副館長の得意分野なので、私の感想はここまで...としている。 続きを読む 第215回 乳房史

第239回 足尾銅山のこと

`05.6月寄稿

大学時代に下宿していた場所は、一葉や漱石の小説の舞台となった西片町(にしかたまち)と言う、東大農学部前に広がる古い町だった。下宿にK子さんと言う共立女子大・英文科生がいた。K子の父は群馬県の県会議長で、家は織物業だった。女系家族で、K子は三女。次女が日本女子大英文科で、私の姉と一緒。その縁で、大学を出て外資系の会社に勤めていたわが姉の下宿(つまり私が同居している)へ妹のK子が入ったのだった。 続きを読む 第239回 足尾銅山のこと

第217回 熊のプーさん・熊嵐・ピロスマニ

`03.8月寄稿

安達まみの「くまのプーサン・英国文学の想像力1 」を読んだ。ご存知、プー、といきたいが、ご存知でない方もいることは、はっきりしているので、ちょっこら紹介する。イギリスの作家A・Aミルン1926年作の「クマのプーさん」の主人公で、1928年作続編の「プー横町にったった家」にも出る。又、同じくミルンの二つの詩集「クリストファー・ロビンのうた」1924と、「クマのプーさんとぼく」にも出てくる。 続きを読む 第217回 熊のプーさん・熊嵐・ピロスマニ

  1. 安達まみ.くまのプーサン・英国文学の想像力.光文社 (2002) []