司書独言(222)

2020.8.15寄稿

◯月◯日/8月5日に米の作家でジャーナリストのピート・ハミルトが85歳で死すと報道された。と言ってもピンとこない人もいるだろうが、この人、山田洋次の傑作「幸福の黄色いハンカチ」の原作者。この人がニューヨーク・ポスト紙のコラムに書いた「ゴーイング・ホーム」がそれ。夕張が舞台の良い映画だった。 続きを読む 司書独言(222)

第414回 (ひまわりno230)「黒い雨」裁判 井伏鱒二

2020.8.9寄稿

2020年7月30日、各紙に「”黒い雨” 裁判・全面勝訴」の文字が躍った。「黒い雨」とは、原爆で発生した大火によって噴き上げられた放射性の灰やちりを含む粘っこい泥雨のこと。 続きを読む 第414回 (ひまわりno230)「黒い雨」裁判 井伏鱒二

司書独言(220)

◯月◯日/京大出の中国文学者、井波律子が5月13日に亡くなった。76歳。この人の本はテーマが面白くて結構読んで来た。かの「孔子」が背丈216cmの大男だなんてことを初めて知ったのは井波の「奇人と異才の中国史」からだった。井波の好きな詩人「蘇東坡」も入っている「中国文章家列伝」も良かったし、「破壊の女神〜中国史の女たちーも面白かった。我が書庫の中国文学の棚を豊かにしてくれていたこの人の本が、もうこれ以上増えないのかと思うと読書の楽しみが一つ減ったような気がする。残念だが、冥福を祈るのみ。 続きを読む 司書独言(220)