第027回 直木三十五、森銑三「宮本武蔵」論

`93.2.2寄稿

一昨年(1991/平成3年)は、名作「南国太平記1 」の作者、直木三十五(なおきさんじゅうご)の生誕100年にあたったので、甥の植村鞆音(ともね)の編による、「この人、直木三十五2 」という回想集が出ました。

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  1. 直木三十五.南国太平記.河出書房新社 (1979) []
  2. 植村鞆音.この人、直木三十五.鱒書房 (1991) []

司書独言(113)ホテル全室に「本の話・続」配置(室蘭プリンスホテル)



















人物だ。この特異な画家については、「本の話」の第139回と「本の話・続」の第271回、それに北海道新聞で毎月第2・第4金曜日に連載の『ふくろう文庫から」の2008年9月26日付けで、と都合3回紹介している。講座の予習として読んでおいてくれると、話す方としては助かる。

○月○日 第22回は、ロシア音楽家・ムソルグスキーの「展覧会の絵」を取上げル。ムソルグスキーについても、「本の話」の第109回で既に触れている。今考えている新機軸は、ムソルグスキーの曲をCDで画の一枚ごとに区切って聴いてもらい、それに沿って展覧会の絵の説明をするつもりだ。

第23回は、魯迅の版画活動を取上げる。魯迅は字の読めぬ人を啓蒙しようとして版画にたよったが、どんな版画を使ったのかを紹介したい。そして、67月の気候のいい時に、魯迅の故郷、中国は淅江省の紹興を訪ねようかと考えている。パック旅行ではない、あくまでも自前のスケジュールのみと考えるが、実現可能か否かはやってみなければわからない。

○月○日 下の記事についてー新年早々、野口社長からのビッグプレゼントで嬉しい限りだ。昨年も野口社長の寄付のおかげで、東時所蔵の「両界曼荼羅」と重文の「弘法大師行状絵巻」の完全版復元を入手出来た。ありがたい。

ホテルの部屋に置いてあるものと言えば、大体レギオンの聖書で、これはクリスチャンならざる身にはウンザリするが、拙著がそうならずに、旅人が一話でも二話でも読んでくれて、旅の一刻が実り合ったとなることを祈るものだ。

スペインで私の泊ったホテルに置いてあったドン・キホーテは省略版とリライト版だったが、それでも読み切るには時間がかかる。その点拙著は一話独立方式だから、どこからでも読めるし、どこで止めてもいいのが利点だ。


第026回 反骨の人「鈴木東民の生涯」

`931.14寄稿

1987年中旬に長野に旅した時のことです。「碌山(ろくざん)美術館」を観たあと、穂高駅に戻ってくる道筋の電信柱に、「ケーて、コルヴィッツ展」と新聞紙大の張り紙があるのに気付きました。 続きを読む 第026回 反骨の人「鈴木東民の生涯」

第025回 消えた「最後の授業」

`92.12.24寄稿

『かつての国民的教材「最後の授業」が`89年を境に、教科書から全く姿を消してしまった。一体何が起こったのか?』と言う、実に読むもの興味をそそってやまぬ文句を、帯にのせた本が出ました。 続きを読む 第025回 消えた「最後の授業」

第024回 雪の文化史と言える2冊

`92.12.2寄稿

十二月に入ると私は納戸から額を一つ出して、居間の壁にかけます。中味は藍染の地に、白抜きで

「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ次郎の屋根に雪ふりつむ」の二行詩。

言わずと知れた三好達治の名詩「雪」です。字も達治によるもので、十四、五年前に秋田県角館に行った折、達治が好きと言う、喫茶店の女主人から、譲り受けたものです。 続きを読む 第024回 雪の文化史と言える2冊