第320回「泰山は土壌を譲らず〜」そして「大山鳴動して〜」

2012.6月寄稿

前回は,拙著「本の話」の愛読者と称してから「ふくろう文庫」に、と贈られた「臥雲山荘―水郷の数奇屋ー」なる一書を紹介しつつ,伊予が生んだ蘭学者の話しをしたが,その後来た恵美子女史の手紙の中に「泰山は土壌を譲らず」の言葉が引かれてあって,私はそれで或ることを思い出した。 続きを読む 第320回「泰山は土壌を譲らず〜」そして「大山鳴動して〜」

第055回 焚火の本

`94.7月15日寄稿

私が住んでいる所は、「白鳥台」と言う名の高台にある町です。この台地からは眼下に室蘭港が、海原はるか向こうには,函館の駒ヶ岳が見えます。この港を通称「白鳥湾」と言います。昔は白鳥が沢山いたからです。町の名もこれから来たものです。風光絶佳の所ですが,風が強いのが玉に瑕(きず)です。 続きを読む 第055回 焚火の本

第054回 歴史の常識の否定は時代錯誤

`94.7月1日寄稿

今年は、どういう訳か、私が長いこと関心を払って来た三つの事柄に、時代錯誤とも言える事件が、引き続いておこりました。 続きを読む 第054回 歴史の常識の否定は時代錯誤

第053回 地方の美術愛好家にとって図録はありがたい

`94.6月15日(水)寄稿

この「あんな本、こんな本」の(21)で、私は画家「蕗谷虹児」(ふきやこうじ)の自叙伝「海鳴り」詩画集「花嫁人形」「ベトイユの風景」を取り上げ、最後を次のように結びました。 続きを読む 第053回 地方の美術愛好家にとって図録はありがたい

第319回 詞藻豊かな松山と宇和島藩

2012年5月寄稿

司馬遼太郎の「街道をゆく」の(14)は「南伊代、西土佐の道」だ。中に「大洲の旧城下」なる一節がある。朝、司馬は道の狭い城下町へと出て行く。町の中心部に近い所で、沢山の蔵が建ち並んでいる一角に入って、司馬は打ち水をしている老婦人にこの蔵は何か?と訊く。 続きを読む 第319回 詞藻豊かな松山と宇和島藩