第068回 中村屋カリーの由来 他

`95.3月17日

兄に連れられて、初めて上京したのは中学2年の時でした。新宿御苑で、一周10円のスクーターに乗って喜んだ後行ったのが、新宿の「中村屋」でした。ここでかの有名な「カレーライス」を食べました。カレーとライスが別々の器で出て来たのにも驚きましたが、カレーが液体に近く、スプーンですくってかけると、御飯の上に乗っからずに、米粒の間に浸透して消えたのにはびっくりしました。そしてカレーの中に、骨付きの肉の固まりと、丸ごと、と言った感じのジャガイモが1個宛デンと座っているのが、驚きの仕上げでした。 続きを読む 第068回 中村屋カリーの由来 他

第070回 象の話あれこれ

`95.4月19日(水)寄稿

この「あんな本、こんな本」の第14回で、私は石坂昌三著「象の旅1 」(新潮社)を紹介しました。享ほ3年(1728)に、長崎に輸入された象が、時の八代将軍、吉宗の求めに応じて、74日もかけて、長崎から江戸まで歩いた事件を扱った面白い本でした。

[tmkm-amazon]4103856017[/tmkm-amazon]

74日もと書きましたが、アメリカには2頭の象を引き連れて、5年間も歩いた男がいます。 続きを読む 第070回 象の話あれこれ

  1. 石坂昌三.象の旅.新潮社 (1992) []

第072回 宮澤賢治絵本と森本三郎

`95.5月31日寄稿

宮澤賢治は仲々に難解な作家だと思いますが、それはともかく、私は賢治が好きで,全集の他に一寸変わった(と自分では思っている)「コレクション」をしています。それは何かと言うと,絵本蒐(あつ)めです。多くの画家達が,次から次へと言った感じで、賢治の童話を絵本にしていますが、それを全部蒐めているのです。 続きを読む 第072回 宮澤賢治絵本と森本三郎

第071回 金山踊りと菅江真澄に誘われて

`95.5月12日寄稿

著者も同じなら書名もおなじ、おまけに内容も同じと言う本が、どうした訳か、同時に三つの出版社から、しかも各々別のカバーと奥付をつけて刊行されました。出版したのは秋田の無明舎出版、鳥取の米子今井書店、そして栃木の随想舎です。本の名前は「どじょうすくいと金山踊り1 」で著者は茂木真弘。 続きを読む 第071回 金山踊りと菅江真澄に誘われて

  1. 茂木真弘.どじょうすくいと金山踊り.無明舎出版(1994) []

第073回 読書にまつわる本

`95.6.15寄稿

愈々(いよいよ)北海道を除いては全国的に「入梅』と成りました。北海道をのぞくとは言っても、やはりこの時期は、室蘭でも雨の日が多く、この頃にきまってモンタナ松に発生する「泡虫」を除去するのが私の早朝の仕事です。

続きを読む 第073回 読書にまつわる本