第073回 読書にまつわる本

`95.6.15寄稿

愈々(いよいよ)北海道を除いては全国的に「入梅』と成りました。北海道をのぞくとは言っても、やはりこの時期は、室蘭でも雨の日が多く、この頃にきまってモンタナ松に発生する「泡虫」を除去するのが私の早朝の仕事です。

続きを読む 第073回 読書にまつわる本

第211回 今なぜゾラか 

`03.2月寄稿

昨年9月から12月まで、私は、月1回の割合で、室蘭と苫小牧の市立図書館で英仏文学の連続講座を開いた。題して「ふくろう先生と行く文学の森」。応援してくれたのは、室蘭では「たんぽぽ文庫」苫小牧では「ふくろうの森の会」両市で英仏、英仏とやって、ワイルドだ、ハーディだ、サンドだ、と好評裡に終えることが出来たのは幸いだった。 続きを読む 第211回 今なぜゾラか 

第232回 OED=オックスフォード英語大辞典の誕生の物語 

`04,11月寄稿

大学に入って直ぐに「英国の文化」なる総題の下に、クラス全員が2人宛組んで、いや組まされて、割り当てられたテーマについて、日本語ではなく、英語の文献によってレポートを出す、いや出させられたことがあった。私と角田治子に与えられたのは「英国の紋章」なるテーマだった。今なら森護なるこの分野の専門家がいて、「英国紋章物語1 」「シェイクスピアの紋章学2 」「西洋の紋章をデザイン3 」「西洋紋章夜話4 」「紋章学辞典5 」など、ズラリと並ぶ程に書いてくれている、簡単なテーマと思えるが、当時は森護はまだ出てなかった。いや、こちらが気付いていなかった、かして、この人にたよることはなかった。 続きを読む 第232回 OED=オックスフォード英語大辞典の誕生の物語 

  1. 森護.英国紋章物語.河出書房新社(1996) []
  2. 森護.シェイクスピアの紋章学.大修館書店 (1987) []
  3. 森護.西洋の紋章をデザイン.ダヴィッド社(1982) []
  4. 森護.西洋紋章夜話.大修館書店 (1988) []
  5. 森護.紋章学辞典.大修館書店(1998) []

第227回 ツヴァイクとシュトラウス

`04.6月寄稿

誰もがそう思って呉れないと言うのが甚だ歯がゆい所なのであるが、実は、私は何を隠そう大のロマンチストなのである。ロマンチックどころかロマのチックと言いたい位なもので、“えっ、ロマのチックって何だ?って”これは私の感覚内の話で、ロマンチックより数等濃い状態のロマンチックを指すの。間違っても、ポマードの友達みたいな「チック」だの、何やら気になって仕様がない「チック現象」だのを想像してくれるなかれ。 続きを読む 第227回 ツヴァイクとシュトラウス

第209回 発禁本の価値

`02.12月寄稿

本が好きだと言う人にも色々なタイプがあって、装丁はどうのこうの、と言うウルサ型もいれば、そんなものは関係ないよ、読めさえすればナンデモいいんだ...と言う人まで、千差万別だ。私はそうした両極端ではなくて、例えば単行本と、その廉価版としての文庫本の方を買う。して又、豪華本しかない場合、その装丁及び部数に関係なく、中味が大事とあれば、これは高くても買う。 続きを読む 第209回 発禁本の価値