第250回 宮澤賢治生誕110年

`06.5月17日寄稿

NHK室蘭に頼まれて、この4月から、毎月第三木曜日の夕方6;45からの番組に出ることになった。番組名は「いぶりDAYひだか」の中の「おしえて!館長さん〜」なるもの。第1回もの4月には「ふくろう文庫」が3000冊を超えた所で、改めて「ふくろう文庫』とは何か?と言うようなことを話した。大型美術書を蒐めるこのコレクションの目的と意義について力説したのである。 続きを読む 第250回 宮澤賢治生誕110年

第251回 アメリカの狂気の時代ーマッカーシズムー

`06.6月16日寄稿

2000年アメリカ作の映画「オー・ブラザー」は脱獄囚3人の宝探しの物語で、と思いきや、主人公が、自分に愛想をつかした妻と娘に復縁を迫るための脱獄だったと言う、とぼけたと言うか、他愛もないと言うか....私にはちっとも面白くなかったが、主演のジョージ・クルーニーは、これでゴールデン。グローブ賞のミュージカル/コメディアン部門で受賞したから、妙な話だ。 続きを読む 第251回 アメリカの狂気の時代ーマッカーシズムー

第252回 「あだ名」から豚考へ

`06.8月8日

「東大教授じゃ飯が食えぬ」とその職をなげうって評論家になった英文学者、中野好夫が、いつぞや「文芸春秋」あたりに書いた随筆で「あだな」に触れたものがああったーと記憶しているのだがー中野が思い出すに付けても秀逸な「あだな」が二つあったとし、一つは「カシナズ.ハイブル.サンタノハナ」二つ目は「スダレ.マンゲツ」だった。 続きを読む 第252回 「あだ名」から豚考へ

第267回 乾山と佐野乾山贋作騒動

`07.11月21日寄稿

7月から奇数月を選んで5回連続する予定の「ふくろう文庫ワンコイン美術講座」もおかげさまで順調だ。

第一回目は、「七夕と北斎の謎」と題して、従来は単なる静物画と見られていた北斎の「西瓜図」の謎を俊英の美術史家、今橋理子の説を持って説明し、第2回目「お化けと幽霊」では、丸山応挙の幽霊画の美術史上における意味を説きつつ世上流布する、お化けと幽霊についての常識を打ち砕いた(とはちと大げさだが)。 続きを読む 第267回 乾山と佐野乾山贋作騒動

第278回 箸の文化さまざま

`08.10月18日

何年前だったか、韓国のホテルで夕食の時、こっちは2人でひっそりと飲んで食べているのに、15.6m程離れたテーブルに陣取った10名程の韓国人のグループが賑やか通りこして、うるさい程の食べ方で、悪いから、しげしがと見る訳にもいかなくて、ちらっと目をやるだけの見方だったが、どの人もしゃべる間は片方の手に、と言うより指に、箸と匙を同時に挟んでそれをチャラチャラとぶっつけ合いながら、口角泡をとばして、談ずるのに気がついた。

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