第193回 スターリン批判

ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」は、イングリット・バーグマンとゲーリー・クーパー主演の 映画によっても知られた有名な小説だが、スターリン独裁下のソヴィエトでは、すんなりとは出版されなかった。

と言うのは、この小説の中に、イバルリ・ドロレスなる女性について、辛辣な批判が書かれて いたからだ。それがどうした、と言われると、ドロレスは「スペイン市民戦争」の時に、軍人独裁者フランコに対して反対した共産党の女性政治家で、「奴ら(フランコ側の兵隊)を通すな」と言う、有名なせりふを吐いて、「ラ・パッションナリア=情熱の花」と呼ばれ、スターリンのお気に入りだったからだ。ドロレスを批判することは、スターリンを批判することになる訳。で、それは誰にも許されぬことだった。 続きを読む 第193回 スターリン批判

第274回 環境と本間さんと新刊書

岩波書店から宅急便で我が家に本が届いた。岩波にはダイレクトメールで本は注文していないな、変だな、と思いつつ開いてみると、出て来たのは「知床・北方四島ー流氷が育む自然遺産ー」著者が本間浩昭で「ああ、本間さんからか」と分かった。 続きを読む 第274回 環境と本間さんと新刊書

第273回 進化論の提唱者は?

「熱血!天才アカデミー」なるNHKの番組で「ダーウィン進化論』をやると新聞の予告に出ているので、姉の所へ観にいった。ダーウィンが進化論を発表して150年目と言うことでの企画らしい。

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第272回 ふくろう文庫ワンコイン美術講座

昨年7月から奇数月に「ふくろう文庫ワンコイン美術講座」なるものをやって、
この3月で無事5回めを終えた.最初から題目を並べると、7月①七夕と北斎の謎、
9月②お化けと妖怪—お化け・妖怪・幽霊の違いと、その絵画作品についてー、11月③切腹の画家・渡辺華山対脱獄の蘭学者・高野長英、1月④琳派−光琳から抱一までー、3月⑤悲恋に泣く岡倉天心・明治美術界の指導者、、、、となる毎回平均50人程の来場者がいてくれて、好評だった。

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第271回 菊の花の由来

これを書いている今日は3月12日水曜日、今朝白鳥大橋を渡って来た時の気温(10時一寸過ぎ)は+5℃、風速は4m…でまあ寒くはない。先週はもうちょいと冬めいていた…が、その或る日、「ふくろう文庫」のことで来客中のの所に、質問があるとて別に来た人がいて、その質問とは「菊」についてである。「菊」は日本在来のものか、いつ頃からあるのかetc…と言った所で、私は即答出来る種類のものでなし、「ふくろう文庫」の方の用事は片付いていないしで、帰宅して調べてみますからと、一旦引き取ってもらった。その晩、晩酌を終えてから書庫から出して来た何冊かの本の中から「答え」を見つけて、翌日知らせたが…今回は、まあちょいっと季節外れの話題であるけれども、事の序でだから「菊」の話をしよう。

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