司書独言(138)

2013.4月寄稿

○月○日 つい先だって,言葉に関して複雑な思いを持たせられたことがあった。

それはそば屋でテレビを見ていると,日ハムの選手が2人出ていて,1人はどことかから移籍したナントカ選手で元法政大のキャプテンなる人,もう1人はあごの先に貧相なヒゲを生やした中田。

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司書独言(137)

2013.3月寄稿

○月○日 前回、森繁と文化勲章の関わりについて語ったが、今年は森繁生誕百年。その森繁の「駅前シリーズ」の中3本の脚本を書いた藤本義一が亡くなったので、もう一度見ておこうとGEO(ゲオ)に行ったが見つからぬ。若い店員に「森繁で検索してみて」と言うと「それは人の名ですか?」ときた。これでは森繁も形無し、イヤ浮かばれんわ!!。駅前は1本しかなかった。

○月○日 首相や外相らが使う政府専用機てのは1993年当時1機320億で、いつも千歳の航空自衛隊の基地に配備されている由。ボーイング747-400型というタイプで、定員150人、シャワーもあるんだと。同じ機種の旅客機だと500席作れると言うから、まあゼイタクに作っている訳だ。しかしまあ大臣によってはこんなだだっ広いもんじゃなくて、例えば防衛相なんてのにはオスプレイを専用機にしてやったらどうかと思うけどね。

○月○日 これも先月の話しで、カンサス航空の旅客機に体調3mのニシキヘビがしがみついていて、とどのつまりは凍死した話しを書いたが、落ち着いて考えてみるに、よくその飛行機,片翼にしがみつかれて落ちなかったもんだなあ。例えばだよ、蛇の代わりに象が片翼に乗っていたと考えてごらん。
たちまち平衡を失うよ。それが貴方、蛇だよ。土台、貴方、象と蛇どっちが重いと思う?。答えはね、蛇(heavy)=重たい)なのさ。実はこれ英語の謎謎の一つ。ウッヒッヒッ!!

○月○日 カトリック史に初めての南米出身の法王が出た。フランシスコ1世がその人。法王選挙会議のことを「コンクラーベ」と言うが、まあ、選ぶ方も。選ばれる方も、まさしく「根較べ』であることは間違いない。この13日に選ばれた新法王が16日に報道陣を前に発した言葉は、「貧しい人のことを忘れてはならない。貧困者のための質素な教会であるべきだ」と述べた由。聞いて呆れる。何故って、ヴァチカン宮殿てのは、カトリックの尖兵達が世界中からかっさらって来た富の結果の場所だよ。いくら言葉の上でも、今更どうやってこれ質素に出来るの?

○月○日 カトリックの歴史をいささかでも知っている人なら、ステファノ、ラウレンティス、ウインケンティウスの3人が「3大殉教聖人」だってことは常識だ。今前後は省いて真ん中のラウレンティスに話しをしぼると、この人、一体何をした人かと言えば、早い話しが教会の財産全てを、いわゆる貧者たちに分け与えたという人だ。つまり「貧者に施し」を絵に描いたような人だ。ここで先の話しに戻るが、もしもカトリックの歴史がこのラウレンティスのような人の連続であったならば、今のケバケバしいヴァチカン宮殿はとてものこと実現していなかったろう。

○月○日 昔スペインを一周した時、そちこちの寺で一番呆れたのは、その内部が金ピカそのものだったこと。これ皆、マヤやインカからの収奪の「金」から出来ている訳だが、その最たる物が、ヴァチカンだろう。アルゼンチン出の新法王がもし本当に「質素なる教会」をと望むなら、まあ、ブラジル辺りのスラム街宛てにヴァチカン宮殿のそれこれを、どんどん放出したらどうかね!、と過激なことを思っちゃうね。室蘭弁で言うなら「ガメッタ物」を元に返せば、世の中は少し公平になるんじゃなかろうか。因みに「ガメル」とは=「盗む、ごまかす。ちょろまかす」の方言。

○月○日 先進国で唯一国民階保健制度がない國、と言えばアメリカに決まっとるが、そういう国が主導権を握るTPPにやはりはまり込んでしまった。日本全国の医師会会長全員が反対しているにもかかわらずだ。無保険の「一歩間違うとのたれ死にの怖さ」をえぐった町山智博の「教科書に乗っていないUSA語録』(文藝春秋刊/¥1050)を読んでごらんなさい。如何にTPP参加が恐ろしいかと言う事がわかる。

○月○日 久し振りに小津映画「お茶漬けの味」をdvdで観直したら、作品の出来はさておいて、妙なことに気がついた。それは鶴田浩二の箸の持ち方の変なこと。当節そば屋でも、ラーメン屋でも、麵を直ぐ口に入れず一旦レンゲに移して食べる人が多いのにも、いい加減ウンザリするが、それよりも箸の持ち方が先だて。箸の正しい持ち方を習得させようと、食品メーカーの「フジッコ」なる会社が「まめっ子くん」なるものを考案していた筈だが、今からでも遅くない、少なくとも映画やテレビに出る連中には正しい箸の持ち方を教えてから出してもらいたい。仕付けの悪い俳優はダメだ。

○月○日 しつけと言えば、つまりは教養の問題だが、山本富士子がミス日本になった年の候補者各人の受け答えの時、質問は忘れたが、全員「とんでもありません」もしくは「とんでもないです」と答えたのに、富士子のみが「とんでもないことでございます』とやって、審査員の船橋聖一(だったか、谷崎潤一郎だったか)が富士子の言葉使いが正しいと褒め、他の無教養を嘆いたことがあった。しかしまあ、一々こんなことを言っていたら当節の映画、ナンダカンダで気になって観てられんわな。仕方ない、目つぶって観てよう。

司書独言136

○月○日 正月早々のニュースで、オーストラリアのシドニー空港を飛び立った、カンサス航空の旅客機の翼に、ナント体調3mのニシキヘビがしがみついているのに、巡航高度に達したあたりで客が気付いた。,,、が、パプアニューギニアの首都ボートモレスビーに着いた時には、低温にさらされて死んでいた由。読んだ私が「蛇年だと言うのに、この蛇いきなりHeavy(耐えられない)な体験したもんだなあ』と言うと、我妻さんがクスリともニコリともしないで、「まあ、いいか、50点」と言う。

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司書独言135

2013.01.10寄稿

○月○日 朴正熙は軍事政権の独裁者として日本では嫌われ者だが、実際は経済を立て直したとて韓国では人気があるのだ、との話しを読んだ事があるが、それかあらぬか先の韓国の大統領選挙では、その娘が当選した。朴で思い出したが、朴が「維新政友会」を立ち上げた時、日本側はこれを明治維新の真似だと冷かした。ところが朝鮮古代史の豊田有宣によると、朴が典拠としたものは昔も昔の「三国遺事(さんごくいじ)」の中の「家邦を維新し」なる言葉で、つまり日本側が無知をさらけ出した事になるそうな。石原と、橋本が拠って立つ組織の名が朝鮮出来だと知ったら、中国、韓国嫌いの両名、どんな顔をするだろう。

○月○日 選挙と言えば「原発反対」を掲げた山本太郎が立ったのは結構で、落選したのは残念だったが、選挙が終わってみたら、太郎の頭にストレスによる円形ハゲがで来ていたそうな。ガンバッタなあと誉めつつも、何だかおかしくて笑ったが、それを知った日の新聞の川柳欄に「孫帰りハゲが出来てたうちのネコ」があって又笑った。DVDの「マイウエイ」に、この太郎がオダギリジョーと共に、憎々しい下士官役で出ていたが、中々上手だった。

○月○日 アンデルセンの最初の作品が、デンマークの国立公文書館で先年見つかった由。自分の存在価値に自信のないローソクが火打ち石と出会い、芯に火を灯すことで、自分が世にあることの意味に気付く作品。題して「獣脂のローソク」だそうな。

アンデルセンと言えば自伝が有名だが、私はこれが好きでない。何が嫌かと言えば、社会に自分を売り込んで行くときの臆面もない図々しさ。あれはどうにも苦手だ。

○月○日 「文化人類学入門」の著者・祖父江孝男が昨年12月15日86歳で死去した。私は大学一年の頃東大正門前の古本屋・南陽堂書店で、この学者の蔵書印が捺してある本が10数冊あるのに気付き、その半分ほどを買ったことがある。仏文学・渡辺一夫の「ラブレー覚書その他」「空しい祈祷」「白日夢』」などがその中にあった。皆太平洋戦争敗北直後の仙花紙のもので、今では真茶色(まっちゃいろ)になっている。「空しい祈祷」の発行所は「勤労学徒援護会』などと、時代を語るもので、どれも懐かしい。

○月○日 新刊書に必ずついている帯(おび)、通称腰巻は、日本独自のもので外国の本にはついぞ見ぬものだ。これは、読者に向かって、どうぞこの本を読んで下さいとの意を込めて、著者やら編集者らが頭を絞って名文句を述べる場だ。それで昔、吉行淳之介らがやっていた雑誌「面白半分」では、「日本腰巻き文学賞』なるものを、設けていた位だ。

単行本が文庫になった時、帯に「○○年○○賞受賞」などとあると、ようやく廉価版になったか、とつい手も出るし、それは書誌的な資料の意味もある。それなのに、TUTAYAもGEOも平積みにしてあった本を棚に収める時に、店員が態々(わざわざ)それを剥いでいる。文庫と新書が特にやられている。帯についての認識がない故だろうが、是非やめてもらいたい。帯はつけたままにしておいてくれ!!

○月○日 江戸時代、山梨は大月の笹子峠は、甲州街道の難所で知られた処だが、地元の追分では、「笹子追分人形」なる人形浄瑠璃が盛んで、何故そこに、今では無形文化財に指定されている芸能が出来たかと言えば、難所の笹子峠を越えて往来する旅人を慰め、もてなす為だったと言うから、泣ける話しだ。その笹子峠の下の高速道路のトンネルで、天井版崩落事故が起きた。道路公団側が充分に余剰金を保有しているにもかかわらず、点検費をケチった結果が原因のようだ。これを書いている1月10日の記事にはナントナント1,211ヶ所の不具合が見つかったと言う。公団側、下請け側いずれも、車で往来する時代とは言え、旅人をもてなし慰めるなんて気遣いは毛頭なかった訳で、逆の意味で泣けてくる。

○月○日 私はホット・ドックとハンバーガーを一度も食べたことがないが、日本マクドナルドが、注文品を出すのに60秒超えたら、次回無料のハンバーガー券を出すサービスを始めた由。一見客側には良さげに見えるが、これつまりは店員を機械なみに働かしているんじゃないの。ひょっとしてこの無料券、遅れた罰として店員が負担させられているんじゃないの?と勘ぐりたくなる。宅配便の人が小走りで配達しているのも気の毒にと気になるが、今まで以上にマクドナルドに入る気がしないな。

○月○日 12月号でG.ドパルデュ−主演のフランス映画「刑事ベラミー」にちょっと触れたが、このドパルデューが社会党のオランド政権の富裕層増税に反発してロシアに国籍を写した。徴税亡命と言うものらしいが、ドパルデュ−曰く、”増税は成功や創造性、才能に対する処罰”だと。この言い草、早い話しが「貧乏人、もっとガンバッテみたら」に等しく、どうも好感が持てないなあ。プーチンも好遇していると言うが、もう観てやらんぞと言う気になるね。

○月○日 インドで23歳の女子学生が輪姦の末殺されたのを悼んで、ダージリンに600人のギタリストが集まって、ジョン・レノンの「イマジン』を演奏した。レノンと言えば、「さいたま市」のジョン・レノン・ミュ―ジアムが2010年に閉館となっている。オノ・ヨーコから有償で借り受けたレノンのギターなど、130点余も展示していたと言うのになあ。人間は飽きるからなあ。どの人も皆「忘却の徒」だからなあ

 

 

司書独言(134)

2012.12.16寄稿

○月○日 私は昨年10月28日付き「本の話」の第610回で「人体博物展」に触れ、展示されている人体=死体は中国の司法・警察の協力で、本人やら関係者の献体の同意なしに,闇の世界を通して提供されているのであること、して又解剖学者の養老猛司がその日本展に深く関わっているのみならず,自信もドイツからそうした死体を入手したことなどを語って,死体輸出が今や「儲かる」産業になっている事を語った。

○月○日 ところが先日、韓国映画の傑作、イ・ジョンホム主演「アジョシ」を観ていると,中で中国のヤクザが,へまをした弟分をとっちめるのに吐いた言葉に驚いた。どやしつけた言葉が、「こんなんじゃ,テメエも殺して人体博物展に出しちゃうぞ」だった。実はこの「アジョシ」、余りに面白いのでそちこちに勧めた後,もう一回観たもので,「冬の小鳥」に出た名子役に又も泣かされたが、この「せりふ」前にはとりわけて気付かなんだ。2度観るもんだとつくづく思った。

○月○日 映画の中のせりふと言えばもう一つ。やはり「本の話」(1月6日付け,第616回)で取り上げたが,その際,ドイツに協力したいわゆる対独協力の文学者の一人としてロベール・ブラジャックの名を挙げた。ところが,12月9日(日)にクロード・ミレール監督、セジル・ドゥ、フランス主演の「ある秘密」なるユダヤ人一家の歴史が主題のものを観ていると「ここは自由の国フランスだから、ユダヤ人狩りなんてない」と楽観する主人公の男に脇役の男が「ブラジャックは、ユダヤ人を全員殺(ヤ)れ、子供も見逃すなと言ってるぞ」と注意を促すせりふが出て来て,私はハッとした。ボヤーとみてはいられない。このせりふ一つで,ブラックジャックが反ユダヤだと言うことが明白な訳だもんな。

○月○日 今日は投票日の12月16日、朝食終えてこれを書いている。昨夕は、読む,書くの連続の目の疲れから肩が凝りに凝って、で行きつけの按摩にいってさっぱりして出てくると、迎えに来た我妻さんが「アメリカで又銃乱射よ」と言う帰宅して夕刊を見ると,涙を拭くオバマの写真があって、コネティカットでの事件がでている。オバマは「政治は度外視し,再発防止に有意義な行動を起こす」と言うが、まずできないだろう。

○月○日 鈴木透「性と暴力のアメリカ1 」(中公新書)を見て下さい。

なにしろ「ベン・ハー」のチャールトン・ヘストン(もう死んだかな?まだ生きているよな?)を会長に頂く、「全米ライフル協会」とやらが、「はい、銃は捨てましょう」なんて言う筈はないからだ。これだけ自由に銃と弾が手に入り,更にイランだイラクだ他だで、精神を病んで,反社会的になっている若者が増える一方と来ては、相乗作用でこうした事件が減る筈はなかろう。一言にして言えば、アメリカは今や「文明国」にあらずして、「野蛮国」に成り下がっているのではなかろうか。進化論を信ぜず,今どき聖書の創世神話を信ずるような輩が行政の中枢に居座っている国は,文化的だの,文明的だのとは言える筈もなかろう,と思うがね。堀内一史「アメリカと宗教2 」を読んでみてください。

○月○日 12月15日の報道によると、そのアメリカで白人人口が2043年には過半数割れとの発表が出た。国政調査局が米人口の推移を分析した結果だそうで,今人口の63%を占める白人が、いずれ43%になるだろうとのこと。こうなるとイタリア、メキシコ、アジア系移民を目の敵にする白人主義のKKKなどの狂信者共の暴力沙汰も、今以上にエスカレートするだろう。

○月○日 と思っていたら,同じく12月15日付けの記事によると,例の暴走老人が、「近世になって、有色人種の中で日本だけが近代国家を造った。これは日本人の英知、努力のせいだ」と又暴言を吐いている。まあ、日本を褒めてくれるのは日本人として悪い気はせぬが、しかし、これはやはりおかしな論じゃないの、と思うし、その折角良くなったと言う日本を、今ダメにしているのは貴君じゃないの、と思っちゃうよね。こうゆう思考傾向はこの男の勉強不足からくるのだろうけど、その言葉使いをみると、やはりこの男は三文文士だなと思わせられちゃうね。

○月○日 さっきアメリカでの人口比率を話したが,有色の中南米系のヒスパニックが将来1/3を占めるとの予測だから,暴走老人の暴論を当てはめると、日本以外の有色人種たるヒスパニックが占めるアメリカは劣等となる訳で、となるとやはりアメリカは野蛮国へ落ちて行く訳だ。

○月○日 知って吹き出した話しがある。ノーベル賞の山中教授が受賞の知らせが来た時、「洗濯機がガタガタいっているのを直そうとしていた」との談話を聞いた田中眞紀子が、これを新しい洗濯機が買えぬ「生活苦」の弁ととったと見えて,閣僚の頭割り5,00〜10,000円位でカンパしようと言い出し、全閣僚が賛成したと言うのだ。この金額のミミッチサにも呆れるが、この話し自体変でない?こう言うの、室蘭弁でいうなら、言った方も賛成した方も「ハンカクサイ」のではないか知らん。研究費を増やそうてんなら分からないでもないけどね。


  1. 鈴木透.性と暴力のアメリカ.中央公論新社 (2006) []
  2. 堀内一史.アメリカと宗教.中央公論新社.(2010) []